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postheadericon 何が起きたんだろう?

 神戸新聞の記事より。

裁判気付かず マンション建設反対の自治会敗訴 神戸

 神戸市内のマンション建設をめぐり、地元住民の反対で「計画が進まず損害を受けた」として、不動産業者が自治会と会長に損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁が会長に約二億五千万円の支払いを命じていたことが十七日、分かった。自治会側の敗訴は、入退院を繰り返していた会長が出廷しておらず、業者の訴えがそのまま認められたため。自治会の預金約一億円と会長宅が差し押さえられる事態になった。
 敗訴したのは、同市東灘区西岡本の百六十五世帯でつくるヘルマンハイツ自治会と会長(85)。
 訴状や関係者によると、自治会は地元で計画されたマンション建設に反対。二〇〇二年、予定地を所有していた不動産業者に土地境界確認の立ち会いを求められたが、応じなかった。
 不動産業者は当初、マンションを計画するデベロッパーに土地を売却する予定だったが、自治会の協力が得られなかったため断念。別の会社に転売した際、「売却益が約二億五千万円少なくなった」として昨年十一月、自治会と会長を訴えた。
 地裁は会長に口頭弁論への出廷を数回文書で求めたが、会長によると、当時、入退院を繰り返していたため文書に気付かず、代理で受け取った使用人らも会長に知らせなかったという。その結果、地裁は今年一月、「争いなし」と認め、業者勝訴の判決を言い渡した。
 会長は判決にも気付かず、控訴期限も過ぎた今月初めになって、銀行などから、会長名義の自治会預金約一億円と、会長が住む二階建て自宅が土地ごと差し押さえられたことを知らされた。
 会長は「個人の資産まで差し押さえられつらい」と話しつつ、十六日に開いた自治会総会では「全責任は自分にある。今後、この訴訟に関連し自治会として負担すべきものはすべて自分が支払う」と住民に釈明。自治会の弁護士は「判決が確定し厳しいが、自治会の預金を少しでも取り戻すための法的措置をあらゆる可能性から検討したい」と話している。
住民は組織的対応を 自治会問題に詳しい愛知江南短期大学の中田実学長(社会学)の話 自治会の行為に正当性があるかどうかが争点だが、今回はその点が争われておらず、気の毒としか言いようがない。自治会をめぐる訴訟では、活動を役員個人の問題とせず、弁護士とよく相談し、住民が組織的に対応することが大切だ。
(3/17 14:30)

 使用人は一体何をしていたのかが気になる。まさか業者とグルだった、なんてオチじゃないだろうなぁ……。あるいは、使用人が特別送達の意味を素でわかっていなかったとか。一体何なんだろう。

postheadericon 日本システム企画株式会社について情報を募集します

 日本システム企画株式会社(NMRパイプテクターを販売)が、宣伝に際して天羽についてどのように言及しているか、情報を募集します。

 経緯は次の通りです。

 ここ数年、この会社関連で「売り込みを受け、マンション管理組合の一部の人が熱狂的に進めようとして困っている」という相談がなぜか多いのです。ウェブでとりあげた他の会社は殆ど何もなくて、ここばっかりです。不思議に思っていたのですが、どうやら、この会社は宣伝に際して天羽の名前を出しまくっているため、ネット検索した住人の方が連絡してくるということのようです。そこで、天羽について一体何を吹聴しているかを知りたいので情報を募集します。
 できれば書面になっているものがありがたいです。出所がわかるものが欲しいです(何年何月頃、何県何市のマンションで……くらいまで。)。
 オフィス宛に送って下さると助かります(990-8560 山形市小白川町1-4-12 山形大学理学部 天羽優子 宛)。

 私に対する言及であれば、私には知る権利があると思います。

 とりあえず確認がとれた範囲では、次のようなセールストークを行っている模様です。
○「天羽が勝手にお茶大のウェブサイトを利用していて、処分された」←事実無根。このサイトは、冨永教授がここに置けと言ったから置いている。また、処分された事実はない。
○「天羽は無職である」←実際には山形大学理学部物質生命化学科准教授(この主張は、突っ込めばすぐに引っ込めるらしい) 。無職ということにした方が、会社の宣伝上都合が良いのかもしれません。
○「天羽は延々と営業妨害している」←2001年の1月から2月にかけてのやりとりの公表と対応のみ。あとは、クレーム第一号として言及している。数年にわたってあちこちから私のところに問い合わせが来るようなセールスを延々続けているのは会社の方である。というか、会社が私の名前を出し続ける限り、普通の人なら「ホンマかいな」と思って私に問い合わせしてきて、結果として私がいろいろ説明する羽目になるわけで。

【ご注意】売り込みを受けた方へ
 セールス内容を怪しんで天羽の名前をちょっとでも出すと、それだけで、説明会の時に資料がもらえなかったりということがあるようです。暫くは天羽の名前を出さずに黙って話を聞いておいて、登場する研究機関の名前や研究者の名前が実在するか、その研究者がどんな人でどういう状況で登場するようになったのか等について裏を取る方が、より正確な情報が得られると思います。 また、ここで情報収集中と書いたことで、今後は会社が資料を回収しようとするかもしれませんので、ご注意ください。

postheadericon 言い過ぎると良くないらしい

 sankei-msnの記事より。

法廷で「詐欺師」 東京地裁「ののしる回数にも限度」と賠償命令
2008.2.25 22:35
 民芸品売買をめぐる民事訴訟の法廷で、原告の元外交官から「詐欺師」などとののしられ、名誉を傷つけられたとして、都内の美術商の女性が約172万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は25日、慰謝料など40万円の支払いを命じた。
 須藤典明裁判官は「法廷では感情的になりがちだが、内容や回数から社会的に許される限度を超える発言。裁判官らから控えるよう注意されたのに公開の法廷で執拗(しつよう)に繰り返した」と指摘した。
 一方で、今回の名誉棄損訴訟でも元外交官が「詐欺師」と女性を非難していることに触れ「適切ではないが、女性は民事裁判で120万円の支払いを命じられ、昨年3月に確定したのに支払っていない。どちらもどちらという状態だ」として、慰謝料を算定する上で考慮しないと判断した。
 判決によると、元外交官が民芸品を女性に販売委託する契約をめぐって裁判に発展。元外交官は平成18年5月、15人程度の傍聴人がいる法廷で「女性の行為は明らかに詐欺で、典型的な詐欺師」などと発言した。

 多少は大丈夫なはずなんだけどね。「明らかに嘘をついています」「でたらめを言ってます」といった程度なら、言わないとそもそも弁論にならない場合もあるわけで。裁判官が止めろと言ったのにきかなかったのがまずかったんじゃないかと。

postheadericon 「副本直送」スタンプの使い方

 絵里タンに、「副本直送」スタンプは、裁判所に出す書類にどうやって押すのか訊いてみた。

証拠書類の一番上(甲1~9を出すなら甲1)
証拠説明書の一番上
など,書類の属性別にその一番上に押しておくのが普通です。
「甲1~9」と付記した上で,「副本直送」スタンプを添えると,
どこまで送ったのか分かるので,なお親切です。

 だそうで。

postheadericon 冨永教授が独立当事者参加、代理人は壇俊光(サイバー)弁護士

 神戸地裁で第4回口頭弁論が終了した。
 今回のハイライト(?)は、お茶の水大のサイトの管理責任者である冨永靖徳教授が独立当事者参加の申立を行ったことである。代理人はサイバー弁護士で有名な壇俊光氏(Winnyの弁護団事務局長)。
 実は、第一回口頭弁論終了後に、当事者参加の話はあった。しかし、「参加申立は、裁判官の訴訟指揮の状況がわかるまで、二、三回待って欲しい」というのが、お茶の水大の顧問弁護士のコメントであったらしい。冨永教授は職員である以上、大学の代理人の意見を容れざるをえなかった。一方、私は職員ではないので、自らの権利に基づき、詐害防止参加を第2回口頭弁論から行った。冨永教授としては、参加すると訴訟がややこしくなって大学が嫌がるので、当面は参加を見合わせるつもりだったらしい。
 ところが、口頭弁論を3回行った結果、当該表現とは最も関係の薄い学長が提訴され、当事者参加が学外の私で、学内外にウェブサイトの責任を負うことになっている冨永教授が全く何もしない状態が実現してしまうことになった。つまり誰が見ても「責任者は一体どこで何をしとるんだ?」ということになったわけで、さすがにこれはまずいと気付いたらしい。
 冨永教授の参加によって、私の権利は冨永教授との明示の契約によって発生し、対大学との関係はすべて冨永教授が責任を負うという、本来あるべき形をとることになった。権利の振り分けで、冨永教授と私が利益相反の関係になることはあり得る。このため、冨永教授は独立に訴訟代理人を立てて、訴訟参加を行うことになった。
 これらの流れが決まったのは、年末年始をはさんでのことで、訴訟参加が決まったのは御用始め早々くらいであった。弁論の形が変わるという話や、冨永教授の参加が必要だという話を年明けそうそうに絵里タンには説明した。絵里タンとしては、冨永教授の参加無しに勝てる状況だと考えていたらしく、当初はさほど歓迎していなかった。が、今のままだと学外の私が直接お茶の水大学との「黙示の契約」を主張することになり、弁論としてはそんなに重い部分でなかったとしても、この形で決着すると大学が大変嫌がることが予想される。また、以前に母校を提訴までして(冨永教授経由で意見書を出したりして)交渉してできあがった、「研究室ページの責任者は明示された教員」という規則を破ることになってしまう。裁判には勝ったが運用規則はめちゃくちゃになりました、では、その後のネット利用に大きな支障を来してしまう。このあたりのことを絵里タンに話して、納得していただいた。訴訟が終わった後でも、制度の運用は続くのであり、当事者としてはそこまで考えて訴訟を行わないといけないのである。
 冨永教授の立場としては、大学との利害も一致はしておらず、学内で参加の是非について判断を求めることができない状態であった。それで参加することは今日まで伏せておくという話になった。このため、裁判について他所の掲示板等ではあまり突っ込んだことを書くのを止めた。詳しく書くと「冨永が居ないのは変」という話になったりするが、私は当事者ゆえに状況を知ってしまっているから、何を書いても後から見るとウソを書いたことになりそうだったからである。

 壇弁護士は、別の裁判とダブルブッキングだったらしく、今日は欠席。申立書だけあらかじめ裁判所に届け、本日提出となったので、次回以降弁論をすることになる。

postheadericon 山形地裁の法廷でみかけた尋問のしおり

 山形地裁の法廷の原告と被告の席のところに、尋問のしおりというのが置いてあったのでメモしてきた。

尋問のしおり
一、一問一答で簡潔に
一、動作ではなく言葉ではっきりと
一、同時発言はしないよう
一、証拠物証は特定して
一、数字はゆっくりと
一、専門用語、特殊用語、固有名詞、外国語、方言は説明して

 刑事の公判用かと思ったのだが、民事でも人証を調べることがあるなぁ。

postheadericon 東京の裁判の期日

 吉岡氏(個人)、有限会社健康と環境の神戸クラブ、マグローブ株式会社を名誉毀損で東京地裁に提訴した事件の、第一回期日が決まった。2月7日午前11時、527号法廷。

postheadericon 年始提訴の結果

事件番号は5番だった。
1番を取るにはどうしたらいいんだろう?と絵里タンと首をかしげることになった。
第一回期日はこれから決まる予定。

postheadericon 東京地裁だと年始提訴が可能

 東京地裁の窓口は夜間受付を行っているので、年始提訴が可能である。
 今回は、吉岡氏に対する名誉毀損の訴状を、新年になると同時に出してきた。大晦日から元日にかけて、都内は公共交通機関が動いているので、夜中でも大体普段通り(の運賃と多少長い待ち時間で)移動可能である。
 ただし、事件番号の決定は4日に裁判所が始まってからになる。

 しかし、東京地裁が夜間でも訴状を受け取ってくれるというのは、今回初めて知った。やはり、時効が関係しているのだろうか。

postheadericon 提訴しました

 マグローブ株式会社・上森三郎・吉岡英介及び山形大学を被告として山形地方裁判所に提訴した。弁護士を探す時間も無かったのと、ある程度は自分でやれるだろうと思ったので、本件は代理人無しの本人訴訟である。
 マグローブ株式会社・上森三郎・吉岡英介に対する請求は、お茶の水大の掲示板コメントを削除させたことに対する損害賠償請求および、山形大のblog内容を削除しなくていいことの確認(債務不存在確認)を求めた。山形大学には、削除要求のあったblog内容をそのままにしておいてほしいという不作為の請求を立てた。
 訴状提出は平成19年12月5日、事件番号は平成19年(ワ)第610号、第1回口頭弁論は平成20年1月23日午前11:00。

 普通は、インターネットの掲示板等に対する削除要求が原因の紛争は、プロバイダ責任制限法にのっとって発信者情報開示→書き込んだ人を特定→提訴、といった流れになる。しかし、この流れに任せていると、書き込んだ人が表現の自由の範囲内であると考えていても、名誉毀損か何かで訴えてもらうまで、書き込んだ人には内容が正当かどうかの立証をする機会が与えられない。
 ところが、名誉毀損による提訴は、提訴された側が表現が名誉毀損にあたらないことを立証しなければならず、非常に立証の負担が大きい。これは、名誉毀損が主に力のあるマスコミによってなされた時代の判断基準がそのままになっているということによる。昔であれば、「公然と」表現するには、新聞を印刷して配るといった資本力や設備が必要であったので、公然性=金も力もあるプロのジャーナリズム、が成り立っていた。
 しかし、インターネットの時代になって、個人が誰でも簡単に公然性のある表現ができるようになってしまった。このような場合には、攻撃防御の方法も変わってしかるべきである。
 私は以前から、表現の自由を侵害するような削除要求に対しては、訴えられるのを待たず、先に、削除義務が存在しないことを確認する訴えを提起するということで抵抗できるのではないかと考えてきた。民法では、人に何かをさせる権利・義務は全て債権債務である(一方、物権は法定されている)。債務が存在しないことを確認する訴えは民事訴訟の訴えの形としては確立している。従って、削除要求に対し、債務不存在確認を書き込んだ人から提起するという手段で、表現の自由をもう少し積極的に守ることができるかもしれない。しかし、なかなかそこまでやる機会に恵まれなかった。また、削除要求に対して、要求された側が先に提訴するというケースは希で、ひょっとしたらこのケースが最初かもしれない(別にやっている当事者参加の方は、既に紛争発生後の話なので状況が違う)。裁判所の判断がどうなるかわからないが、試してみる価値はあるのではないかと考えている。

 「民事訴訟法 第四版」(上田徹一郎著、法学書院)によれば、確認の訴えの機能とは、

(1)権利・法律関係の不明確をめぐって生じている争いが悪化して給付の訴え、さらには確定給付判決の執行力に基づく強制執行によって処理せざるを得ない状態になることを防止し、(2)あるいは基本的な権利・法律関係を明確にすることによって基本的な権利から発生する種々の請求権に基づく多様な給付訴訟の続発を防止する、という「予防的機能」を営ませることを目的とする。

となっている。「確認の対象は権利・法律関係であって、かつ特定の具体的なものでなければならない」から、内容を特定した削除要求があれば、訴え提起は可能である。