Archive for the ‘雑記’ Category
「副本直送」スタンプの使い方
絵里タンに、「副本直送」スタンプは、裁判所に出す書類にどうやって押すのか訊いてみた。
証拠書類の一番上(甲1~9を出すなら甲1)
証拠説明書の一番上
など,書類の属性別にその一番上に押しておくのが普通です。
「甲1~9」と付記した上で,「副本直送」スタンプを添えると,
どこまで送ったのか分かるので,なお親切です。
だそうで。
山形地裁の法廷でみかけた尋問のしおり
山形地裁の法廷の原告と被告の席のところに、尋問のしおりというのが置いてあったのでメモしてきた。
尋問のしおり
一、一問一答で簡潔に
一、動作ではなく言葉ではっきりと
一、同時発言はしないよう
一、証拠物証は特定して
一、数字はゆっくりと
一、専門用語、特殊用語、固有名詞、外国語、方言は説明して
刑事の公判用かと思ったのだが、民事でも人証を調べることがあるなぁ。
東京地裁だと年始提訴が可能
東京地裁の窓口は夜間受付を行っているので、年始提訴が可能である。
今回は、吉岡氏に対する名誉毀損の訴状を、新年になると同時に出してきた。大晦日から元日にかけて、都内は公共交通機関が動いているので、夜中でも大体普段通り(の運賃と多少長い待ち時間で)移動可能である。
ただし、事件番号の決定は4日に裁判所が始まってからになる。
しかし、東京地裁が夜間でも訴状を受け取ってくれるというのは、今回初めて知った。やはり、時効が関係しているのだろうか。
「控」の次は……
昨日の打ち合わせにて。
「控」のゴム印買った話を絵里タンにしたら、「次は”副本直送”」というコメントが……。
「副本直送」のゴム印が活躍するほど素人が訴訟するようじゃ、世も末だってばさ[:泣き笑い:]>絵里タン
弁護士さんの印鑑
絵里タンの事務所で打ち合わせついでに訊いてみた。
「弁護士さんの印鑑の形の○と□はどう決まるの?何か意味あるの?」
絵里タンによると、
・絵里タンが最初に居た事務所は全員○だったから、選択の余地無く○で作られてしまった。(単なる事務所の趣味の問題だった)
・一方、惇一郎弁護士は□で作った。
・その結果、今では法律事務所ヒロナカでは○と□の両方が使われることになった。
・法律事務所ヒロナカ所属の弁護士さんは、新しく作る時はどちらにするか好きな方を選ぶことになっている。
何か完全に趣味の問題だったようで……。
買い物メモ
今年の持ち運び六法は、以前に書いたようにデイリー六法(三省堂)を使うことにした。
ところで、有斐閣判例六法の小型版が今年から出たので、何が書いてあるか見たくて買ってみた。判例部分が2色刷でわかりやすいといえばわかりやすいが、判例六法の宿命として、判例に邪魔されて次の条文にたどり着くのが遅れる(笑)。一応どんな判例が収録されているか読んでみるつもり。ただ、景品表示法とか特商法とかがまともに入ってないので、私には使いづらい。ちょっと昔のコンサイス判例六法には入っていたので、今でも変わらないのなら、来年からコンサイス判例六法に戻るというのも手かなぁ。
「控」のゴム印買った。315円。東急ハンズはさすがに常備していた。
【追記】
岩波の判例六法には、特商法は出ていなかった。
結局、持ち運び用はコンサイス判例六法が私にとっては一番使えるということになりそう。
模範六法買った
いやまあ、タイトルの通りで、今年も模範六法を使う予定。生協に一冊入っていたのを購入。前にも書いたが、紙表紙の方が環境にはやさしいんだが、1冊にまとまった判例付き六法はやっぱり便利なので……。
ちょっとamazon.comを調べたんだが、著作権判例百選は2001年に出てから改訂されてない。単行本の「要約 著作権判例212」は2005年に出版され、平成になってからの判例が多いということだが、買うならこちらだろうか……。
電子版マイ六法も順次更新
(実験で出張していたので、戻ってから書き込み)
電子版マイ六法もちまちまと手作業で更新中。こちらは、法令データ提供システムから、よく使う条文を全文コピーして、テキストデータとして保存しているもの。市販の六法よりは少ないが、見たいものだけ選んでおけるし、誌面の都合で抄録になっているものでも全文いれておける。
ちょっと前までは、テキストエディタにコピペして、plain textとして保存していた。しかし、plain textだとマーカーで色を変えて強調したり、といったことができない。それで、DevonThink Proを使って、rtfファイルとして保存するようにした。これだと、文字の一部分の背景色だけ変えたりといったことができる。
DevonThink Proのファイル管理機能は相当強力だし、キーワードで関連情報を探すこともできるので、数が増えてくると検索が楽になるような……。ある法律に対して関連した役所の通達等も一緒に管理できて、なかなかに便利である。
どうせなら全条文を自動でダウンロードしてキーワードで関連づけるようなスクリプトでも作るといいんだろうけど、今のところはまだ手作業でやっている。
会社法は大幅改正になったので、最新版の教科書を買い直した方が良さそうな状態である。ってか改正が激しすぎて、アマチュアがフォローするのは大変なんだが……。
三省堂のデイリー六法
平成20年度版(2008年度版)の六法がそろそろ出始めたので、三省堂のデイリー六法を持ち運び用に買った。判例は無いが、本を読みながら引くには十分。文庫サイズの軽いものがあるといいが、出ている条文が足りなかったりするんだよなぁ。
模範六法は毎年買っていて(今年も買う予定だが例年模範六法は出るのがちょっと遅い)、判例付きで重宝しているが、広辞苑とタメ張るサイズなので持ち運びには不適だ。今年から、小型のものを持ち運び用に買った。表紙が紙なのがエコかなぁ。六法は、辞書と違ってほぼ毎年買い換えるものなので、ビニール表紙だと廃棄するときが(住んでる自治体によっては)多少面倒かも。
弁護士を選ぶということ
司法制度改革が進み、弁護士の卵の数が増え過ぎて就職難まで起きているが、一般人にとってはちっとも司法が身近になっていく気がしない。
今回、自分の問題を解決するために弁護士に仕事を頼んでみて、その理由がわかった。値段に比して情報が少なすぎるのである。
今回の案件の受任にかかった費用は、値段の目安としてはそこそこの国産中古車が買える程度、国立大学法人の1年間の授業料よりもちょいと高い程度である。ちょっとややこしい病気で入院した時の値段も(保健の範囲内で)こんなもんだろう。では、庶民がこの程度の買い物をするとき、普通どんな態度で臨むかを考えてみよう。
車の場合はどうか。中古車の雑誌は出ているし、ネットもあるから、「どんな車をいくらで買おうか」「買った車をこんなふうに使って便利に、楽しく」などと想像しながら、あれこれ見比べるだろう。相場の見当を付け、店頭に出向き、個別の車を前にしてこれまでにどんな乗られ方をしてきたか、大きな事故や修理はないか、同型の車で何かトラブルは無かったかなどを詳しく聞き出し、比較検討して選ぶに違いない。
大学はどうか。まずは受からないと仕方がないから、自分の偏差値や予備校のデータと大学の難易度、出題傾向を見極め、そこに入ったらどんな教育が受けられたり資格がとれたりするのか、卒業後の就職先はどうか、といったことを詳しく調べて、どこを受けるか決めることになる。先輩の就職実績は大事である。いずれは自分も似たような道を歩むことになるかもしれないからだ。
医者はどうか。弁護士と異なり受任義務がある。それでも、あの先生は腕がいいとか親切だとか安心できるといった情報が井戸端会議レベルで流れているし、暫く入院ということで大きめの病院を紹介されたとしても、何曜日の誰それ先生は上手いとか治りが早かったという情報が飛び交っている。最近では、ややこしい治療になりそうな時はセカンドオピニオンをもらって患者も治療方法の決定に関われるようになってきている。
ところが、弁護士はどうか。庶民の感覚からすると、情報をあつめて詳しく比較検討しないと払わないような額の費用がかかるというのに、誰がどんな仕事をしているかという情報がほとんどない。訴訟することになった場合、弁護士を選ぶポイントは「どんな弁論をしてくれそうか」ということに尽きる。しかし、守秘義務があったりするので、弁護士がどんな場面でどんな準備書面を書いてくれるかといった情報が全く得られないまま、仕事を頼まなければならない。消費者としては「商品の実際」つまり「準備書面の中身」を見て比較検討したいと思うのが当然だが、今の制度はそうなっていない。これでは、高価な「福袋を買わされている」のと変わらない。
せめて町医者なみに「あそこの事務所は……」という情報が交換されるか、中古車市場並に見やすい情報提供がなされない限り、この先弁護士が増えたとしても、一般人にとっては、弁護士までの距離は相変わらず遠いままではないか。