Archive for the ‘民事訴訟法’ Category

postheadericon 訴訟の多数当事者関連で出題された例

 旧司法試験の過去問より。
平成6年度第2問。

訴訟告知の存在意義及び効果。

平成13年度第2問。

 甲は乙に対し、自己の所有するA土地について偽造書類によって甲から乙に所有権移転登記がされているとして、甲から乙への所有権移転登記の抹消及びA土地の所有権確認を求める訴えを提起した。
1.乙の債権者である丙は、甲乙間の訴訟に補助参加することができるか。
2.甲乙間の訴訟の係属前にA土地を乙から買い受けたと主張する丁が、甲乙間の訴訟に参加した。この場合に、丁は、それまでの訴訟の中で乙が自白した事実を争うことができるか。

・訴訟の結果と利害関係について検討すること。
・共同訴訟参加と共同訴訟的補助参加←判決効が及ぶ立場でないとできない
・訴訟承継←前後関係を検討
・補助参加←訴訟物の判断に限定、判決文中の理由の判断は該当せず。
・独立当事者参加←自らの請求を立てられる場合。

 紛争発生の際は訴訟告知せよ、という学内規則を作った場合、何か不具合は起こりうるか?

postheadericon 民訴95条3項

 期間の計算。基本は民法の規定に準拠だが、休日の定義が、日曜・土曜・国民の祝日に規定する休日の他、一月二日、一月三日と十二月二十九日、十二月三十日、十二月三十一日を休日としている。

 お盆休みは入らないのね……。

postheadericon アクチュアル民事の訴訟

 「アクチュアル民事の訴訟」福永有利・井上治典著(有斐閣) 4-641-13397-2
医療過誤訴訟を題材に、提訴→争点整理手続→尋問→控訴→和解、というストーリーで、民事訴訟の流れを解説した一般向けの本。巻末に簡単な演習問題付き。

(2)裁判の公開(傍聴)の意味
(略)
 本件に即していえば……尋問する代理人に答えて裁判所に向かって陳述するだけでは、拡がりがない。……互いの尋問に同席したり……、さらにこれから同種の事件について医療過誤訴訟を起こそうとしている者などが傍聴することにより、その場で互いに相手の様子を認識し、影響を与えあって、その後の訴訟内外の行動を考え、選択する材料、指針にしていくことができる。このように、公開には本来、「紛争ネットワーク活性化」という実践的な意味があることを、今改めて認識しなければならない。(p58-59)

 中西応援団はまさにこれをやっていたんだな、と改めて思ったところ。

書証の「認否」というのは、文書が作成者とされている人によって作られたかどうかであって、気開かれている内容の真否とは関係がない。また訴訟では、その文書を誰が作成したかについて特に疑いがなくても一応争っておくということがよく行われる。(p65)

 訴訟独自のやり方なのでメモ。
p.102より。「陳述書」について。訴訟法には規定無し。書証としては慣行化されている。実態は代理人弁護士の指示で作ったりするので、代理人との合作文書である。
 民訴249条3項。単独裁判官の交代あるいは合議体の過半数の交代のとき、証人尋問については当事者からの申出があればやりおさなければならないが、当事者尋問については判例ではやりなおしができない、との説明がある(p.138)。←なぜそうなったか要確認。