postheadericon 第3回口頭弁論

 掲示板投稿とかなり重複するが、こちらにもメモしておく。

提出書類
 原告 第2準備書面、甲26 10/26付
 被告 第1準備書面  11/12付
 参加人 準備書面1  10/31付

独立当事者参加についての裁判所の方針
・参加要件が無かった場合、単なる訴えの提起として扱う。(原告に対する債務不存在確認訴訟、被告に対する削除差し止め訴訟提起となる)
・参加要件の有無は、本案判決の時に一緒に出す。

【裁判官から確認されたこと】
○参加人対原告の関係 参加人は原告に対して債務不存在確認の訴えを提起
          原告からは、請求原因事実があることを参加人に対して主張する
○参加人対被告の関係 参加人は被告に対して不作為要求をする
  裁判官:人格権による請求もできるがどうするか?
  参加人代理人:債務不履行でいく
○原告の主張は第1準備書面に書かれた通り。
○被告に対しては
 免責される要因があるかどうかが先行していたが、請求原因に対する認否がまだない。
○独立当事者参加についてはこのままにし、実体の審理に入る。
○参加人は、
 ・目録内容が客観的に名誉毀損かどうか。(原告の主張に対する反論)
 ・抗弁
を次回主張すること。

 参加人代理人より、「目録のどの部分が名誉毀損なのか。京都大の学歴云々の部分が含まれるのかどうか。絞り込まないと何に対して反論していいかわからない」という質問があった。原告本人は、削除要求は投稿したメッセージ(目録中のもの)全体である(部分削除は考えていない)、と主張した。
請求原因の認否は被告にも求められた。被告代理人は、被告が立証すべきことは免責されるかどうかということであるので、参加人が立証すべきこととは異なっている、と主張した。
 原告本人は、「マルチではあるが違法なことはしていない」「説明会の前日に投稿がなされた」と主張し、傍聴席に来ている「ダウンの方々」が違法なことをするだろうと書かれたことがけしからん、という内容の発言をした。

 事前に、次から電話会議での参加にしようか(わざわざ神戸まで行かなくて済むし)、という話を絵里タンとしていたのだが、「電話会議にすると口頭弁論ではなく弁論準備手続きをすることになり、傍聴人があんまり入れなくなる」ということで、傍聴人が多いことを考慮して次回も口頭弁論で、ということになった。

次回期日 1月30日(水)13:30-  204号法廷
書面提出期限 12/25(火)  次回までに間があくので、早めに書面を回して弁論をできるだけ進めるようにするため、提出期限が早めになった。

本日の傍聴
・原告本人の発言によると、原告のマルチの賛同者&参加者の方々が来ているということだった。
・被告側は、広報担当の事務の方(多分)が2人。
・私の方は、前回も来てくださった「み」さん。今回新たにきてくださったのが某法科大学院准教授のY先生とご令嬢、ネット関係からはハンドル名雪兎さん、それから、十数人の消費者センター(消費生活相談員?)の方々だった。特に消費者センターの方々は、裁判情報をお互いやりとりしているらしく、誘い合わせての傍聴であった模様。弁論が終わってのんびり出てきたら、裁判所入り口で皆さんがいらっしゃったので簡単に挨拶などをしました。本日は傍聴ありがとうございました。

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 独立当事者参加の要件が認められなかった場合は、単なる別訴の提起&併合審理となるということがわかったのが興味深い。確かに、コンメンタールや教科書では、47条を使うことは新たな訴えの提起と同じだと書いてある。もともと、今回の訴訟に対して、私が最初に考えたプランは、別訴で債務不存在確認訴訟(不法行為ではないので削除義務無しを主張)を提起して、審理を併合するように申し出るということだった。しかしそれでは本案の進行を止めることができないという判断で、独立当事者参加という手段をとった。このためには、権利の主張をしなければならないから、削除が私の人格権侵害になるという構成と、削除を認めることが私とお茶の水大の黙示の契約の履行を妨げるという形で債務不履行で構成する方法の2つがある。人格権だけでは弱いというのが絵里タンの判断で、債務不履行構成をとったために、大学に対しても同時に訴えを提起する形になってしまった。ただ、審理を併合して矛盾のない判決を出すということになれば、独立当事者参加の要件有りと判断された場合と無しと判断された場合で、一体何が違ってくるのかが、私にはまだよくわからないので、少し調べてみる必要がある。

 いずれにしても、次回から請求原因の実体の審理に入れるということで、ひとまずハードルは1つ越えたかな、というのが今日の感想。裁判所にしても、当事者参加の部分だけ控訴審、などというややこしいことは避けたかったのではないかと。どちらにしても、これで、当事者としての地位は獲得できた。

 お茶の水大の代理人の井口さんの主張は非常に的確である。大学が勝訴する条件と私が勝訴する条件は最初から異なっている。削除請求への一連の対応で「相当の過失」が無かったことを立証すれば大学は勝訴する。私の方は、書き込みが不法行為ではなかったことを立証すれば勝訴する。私が勝てば、大学は無条件に責任無し(不法行為でない書き込みの削除要求に対応する必要はそもそも無いから)となるが、大学が勝って私が負けるという可能性は有る。従って、「相当の過失が無かったこと」の立証に絞るのが、大学の対応としては正しい(余分な労力を使う必要がないし、弁論もぶれずに済む)。
 ただ、今回、準備書面はぎりぎりだったし、何か見た感じ疲れてるみたいだったが、よっぽど大変な案件を大量に抱え込んでるのだろうか。井口さん、大丈夫かなぁ。私の方は、47条でいくためには権利者であることを裁判所に認めさせる形である程度強い請求を立てざるを得ないので、同時に大学も訴える形になったんだけど、今回はどう考えても大学は単なる場所だしねぇ。ともかく、あの学内規則でやれば大学が免責されるという前例を作る方向で頑張っていただければと思う。私のためじゃなく、私以外の誰かの将来のために。

 消費者センターの方々がいらしてたのがちょっとびっくりしたし、同時に心強いと思った。一番びっくりしてたのが絵里タン。最初は状況がわからず、傍聴席の殆どが「ダウンの方々」だと思っていたもので……。失礼しました。原告本人が「違法なマルチはやってない」と主張したあたりで、皆さんそうとうカチンと来ていた模様で、裁判所の玄関のところで応援されちゃいましたよ^^;)。当日中に引き上げなければならなかったので、あんまりのんびり説明している時間もとれなかったけど、何かあったら掲示板の方に書き込んでください。私にわかることなら状況説明しますし、法的にこみ入って分からないことなら絵里タンに訊いてから説明します。

 絵里タンはクリスマスイブに別のややこしい刑事事件の打ち合わせでクリスマスにその裁判だそうで……。期日が提示されたとき、関係者が誰も「楽しいクリスマスを過ごしたいからちょっと」などと言い出さなかったためバッチリその日程で仕事をすることになったのだとか。法曹関係者はクリスマスは関係ないという実例その1かもしれない。私の方の準備書面提出もちょうどクリスマスだったりする。まあ、特に意味はないのだろうけど。

 依頼人がむちゃくちゃな主張をどうしても出したがったらどうするのかと訊いたら、どうしても無理なら「できません」と言うことになるのかなあ、という返事だった。無理目の案件であんまり無茶な主張をすると、弁護士の評判も落ちるらしい(民事では)。弁護士がその主張を組み立てていると思われてしまうからだそうで(これは刑事弁護とは異なる)。

 ところで、一般人にとって弁護士を探すのが大変なのでナントカもうちょっとマシな広報はできんのかという話をしてみた。が、訴訟は、医者にたとえると、一生に一度の手術を名医を探してやってもらうというものだそうで、なかなか一律の基準でもって宣伝して、というわけにはいかないのだそうな。手工業の世界で弁論はオーダーメードだし、結局は口コミだとか。上中並とか松竹梅とか、サービスのコース別料金を作ったりできないのかと訊いてみたが、ちょっと難しいっぽい。

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