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連休中なのでかき入れ時で実験してるわけだが

Posted on 5月 4th, 2005 in 倉庫 by apj

 連休中なので、かき入れ時だしってんで実験だの溜まってるデータ処理などしてるわけだが。またまた香ばしいニュースを見てしまった。

博士号は得たけれど「ポスドク」激増で就職難てな記事が出た。例によって2ちゃんねるでも3スレ目が立ってる。

博士号を取得したものの、定職に就けない「ポストドクター」(ポスドク)が、2004年度に1万2500人に達したことが、文部科学省が初めて実施した実態調査で明らかになった。2003年度は約1万200人で、1年間で約2300人も増えている。

 年齢別では約8%が40歳以上で“高齢化”が進んでいる。大学助手など正規の就職先が見つからず、空席待ちが長引いていると見られる。さらに、社会保険の加入状況から推定すると、常勤研究者並みの待遇のポスドクは半数程度しかいないと見られ、経済的に苦しい状態も裏付けられた。

 政府はこれまで、国内の研究者層を厚くするため、大学院の定員拡大などポスドク量産を推進してきた。しかし、研究職はさほど増えておらず、その弊害が出た形だ。多くは研究職志望で進路が少なく、企業も「視野が狭い」などと採用に消極的で、不安定な身分が問題化している場合が多い。

 ◆ポストドクター=博士号(ドクター)を取得した後、専任の職に就くまでの間、大学などに籍を置いて研究を続ける若手研究者。公募型の研究費を得たり任期付きで給与をもらったりして生活している例が多い。

 今年の3月上旬の日経新聞にも、大学院重点化はほとんどバブルだって話が出てたし。文部科学省は国家予算で失業者を養成するつもりなんだろうか。いつまで、大学院生(特に博士後期)大量生産の政策を続けるつもりなのだろう。

 そういえば、私が博士号を取った直後で既に博士のレベル低下は起きていたな。とくに、軽部研は留学生には甘かった。
ケース1(韓国人留学生の場合):3日に一度はピペットのチップいれた箱を床に落とす。装置の説明するからと言っても全くやってこず、本人曰く「説明きかなくてもできる」。で、見事にマニュアル無視して装置を壊し、もうちょっとで爆発事故で周囲はガクブル。生化学の実験なのに、全然別の人が調整したバッファを勝手に使って、「pHが合ってなかったから酵素が壊れた」と激怒。実験の途中で私が使ってたメタノールの瓶にわけわからんピペット突っ込もうとしたから怒鳴りつけたら、「早く持っていかないと酵素が失活する」……ってお前、実験始める前に何で用意しとかへんのかと。こんな状況なのに「学位をとさなかったら国際問題になる」の教授の鶴の一声でスタッフが学位取らせる下働きをすることに。何とか学位はとったけど、後から同じ留学生が激怒してたよ。「あんなのと一緒にされたくない。同じところで学位を取ったなんて言ったら自分の信用まで落ちる」って。
ケース2(中国人留学生の場合):JIS法のBOD測定の式を勝手に変えて、同じ試料分析してる企業の研究員の人と一桁違う値を出してたっけな。プログラムが組めるとか何とか言って私が組み上げた測定装置のパソコン持っていったが結局まともに動かなかったし。こいつも学位をとった。その後は知らん。
ケース3(某日本人の場合):博士で先端学際工学に。で、そこそこの国立大の任期付きの助手になったが、緩衝液のpH調整ができず(繰り返すが生化学の研究室の筈だが)、学生に馬鹿にされて出勤してこなくなってフェードアウト。こいつのその後も知らんな。
 大体、先端学際の社会人枠はほとんど面接試験しかないから、知識無くても入れる。修士から直接はいるのに、そういう試験で潜り込む時点で終わっとる。で、入ってから苦労する。あの頃の軽部研は、教授の思いつきで下が振り回されていたから、学位論文主査=指導教官、の効果で学位取得にこぎつけても、結局知識も技術も上がらないままになる。