T字管
火曜と水曜は午後ずっと学生実験なので、ほとんど何もできない。担当は物理化学実験だが、なぜかガラス細工があって、学生は、ガラス管を使ってT字管を作らなければならない。低融点ガラスを使っているのだが、コツを早く飲み込める人とそうでない人の差がでるのがこのテーマである。
加熱して接合したら、もうバーナーから出さずに、接合部分の肉厚のところが完全に赤くなるまであぶって、軽く吹く、ということをしなければならない。焦ってもだめだし、思い切りもよくないとだめである。溶かしたい部分が熱くなるのを待てないと、いつまでも接合できないし、太い火にいれていると関係ないところまで溶けて柔らかくなって形がくずれる。うまくいってるだろうか、と途中で火から出してのんびり眺めていると、次に火に入れたときヒビが入って壊れる。
こんな具合に、毎回苦労する学生さんが出るのだが、今日あたったグループはとても優秀で、初日にほとんどの人が課題を提出してしまった。
私も学部の頃に、学生実験でT字管を作らされた。途中で火から出してはいけないということに気付くまで何回か失敗し、結局時間外に出てきて作って提出した。ところが、同級生の一人は、とうとう最後までできず、ゴミ箱に捨ててあった先輩の作品を拾って提出した。そいつが理論に行って、私が実験に行ったのは、何となくわかるような……。
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