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本が届いた

Posted on 6月 2nd, 2005 in 倉庫 by apj

 科学リテラシーの参考資料ということで、「チョコレートを食べても太らないってホント?」「シュワルツ博士の「化学はこんなに面白い」―知っているようで知らない日常の化学のはなし 」を買った。いずれも、カナダでのインチキ健康法やオカルトをとりあげて解説している。それだけではなく、化学の発見とか、化学を使った手品の話も出てくる。
 掲示板の方で紹介されたので衝動買いしたのだが、やはり傑作なのはプロローグで浄水器を売りつけられるシーン。一応、次亜塩素酸がとれるものが持ち込まれ、セールスマンはインチキ電気分解とオルトトリジン法で塩素の恐怖を煽りまくって、シュワルツ博士に逆に講義されるわけだが、最後に家の外に出たセールスマンが次行く前にタバコを吸うという……。塩素の害よりそっちの方がよっぽどやばいってw。
 ところで、この本、2冊とも主婦の友社から出ている。主婦の友社といえば、「わたしたちはなぜ科学にだまされるのか―インチキ!ブードゥー・サイエンス」を出していたりする。私が子供の頃は、母親が買ってた雑誌「主婦の友」の方が馴染みだし、出してる本も料理や手芸の本というイメージがあったのだが、どうも最近は、海外発の疑似科学批判本というジャンルを確立しつつあるような。

マイナスイオンの別の話

Posted on 6月 1st, 2005 in 倉庫 by apj

 昨日の教養の講義では、「マイナスイオン」批判をやったが、その中で紹介したネタ。ある会社が、野菜だか果物だかのいい保存方法を開発したが、他社に真似されないようにするため、「マイナスイオンの効果」を謳って宣伝した、という話。又聞きなので私も詳しいことまでは知らない。で、学生には「知識が無ければ、同業他社の宣伝に乗せられて、マイナスイオン効果を探し求めることになり、競争に負けることになる。生き残りたかったら流行にも宣伝にもとらわれず真実を見抜けるように正しい知識を身につけろ、そのためには勉強しろ」ってのが学生向けの説教なんだが。
 まあ、だまされない姿勢を身につけるのは、消費者としても大事だけど職業人としても大事だよっことで。
 他に言ってることとしては、「ここを出た人たちは結構地元のお役所に勤めたりすることもあるが、企業がトンデモ申請書で補助金申請をしてくることがある。文系の人でもちゃんと科学の知識の使い方を知らないと、税金を、ふれこみだけは立派だが成功の望みのない事業に出すことになるよ」ってのも言ってる。
 これで少しは用心するようになってくれればいいのだが。