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教養の講義最終回

Posted on 7月 26th, 2005 in 倉庫 by apj

 本日、教養の講義の最終回だったのだが、むかし、掲示板であがたしさんが書いておられたことを流用して、プリントの最後にこんなの書いてみた。

 科学に関するインチキとその見分け方を一つのテーマとして講義をしてきたが、おそらくインチキは科学以外(経済、歴史、法律、その他いろいろ)にも出回っているはずである。日本は、技術立国であることを掲げ、知によって国を発展させるという姿勢を示しているのだから、(税金によって運営されている)大学で学ぶということには、それなりの社会義務を背負うということでもある。大学に行くことが珍しくない時代であっても、学んだ分だけの義務がある(学部卒、修士卒、博士卒、それぞれに応じて)。
 日本は身分社会ではないが、それでも、noblesse oblige(高い身分に伴う道義上の義務)ということを意識してほしい。インチキをインチキであると、自分で学んだ学問に照らし合わせて指摘すること、それぞれの専門分野で、インチキを許さない行動を取ることが、ある専門分野を習得した人が社会にたいして果たすべきnoblesse obligeである。

 2ちゃんねる風に書くと「漏れがカバーできるのは自然科学の一部でしかないから、他の分野はそれぞれの専門学んだおまいらに頼るしかないんよ、おまいらが手抜きしたら漏れが困るんで、そこんとこわかっとけや」っつーことなんだけど。がんばって勉学に励んで進級していってほすぃなあ。