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反訴キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!!!

Posted on 9月 29th, 2005 in 倉庫 by apj

 横浜地裁で、環境ホルモン濫訴事件の傍聴をしてきた。口頭弁論の時間は前回より短かったが、新しい展開があった。ネット評論と濫訴を考える会の掲示板等に情報を追加してあるが、被告中西側からの反訴が行われた。
 印刷不良による甲5,甲6の差し替えのあと、いきなり反訴状の陳述と乙5ー乙7の2提出、次回は原告答弁、ということで終わった。前回の流れだと、「何が名誉毀損の事実か」という部分をはっきりさせないままずるずる引き延ばされるのかな、と思っていたのだが、反訴状の提出があったので、今回は名誉毀損の事実の議論は何も無いまま終わった。
 なかなかいいタイミングで反訴したなあ、というのが私の感想である。もし、私が同じ訴訟をしかけられていたら、最初から例のプレスリリースを使って、訴権の濫用を理由に相手の代理人弁護士に対する懲戒請求でジャブを打ってから第一回口頭弁論、その後、そもそも訴訟の理由がないという答弁をすることになったと思う。これだと、相手が引き延ばしをはかったら、それに乗せられてしまう可能性が高い。反訴できるだけの材料を持ったまま少し本訴の流れを見る、ということも必要なのだと思った。訴訟をするのは国民の権利ではあるが、理由の無い提訴は損害賠償請求の対象になるというのも、よくわかる話である。弘中先生、鮮やかに正攻法で仕掛けたな、と、ちょっと感激。
 とにかく、反訴されたら答弁しなければならなくなるので、無闇な引き延ばしは今後できなくなることが予想される。

 口頭弁論終了後に、横浜地裁の地下で昼食、その後コーヒータイムとなった。そのとき、掲示板常連のcomさん(会社員)の意見として「理由のない訴訟をするコスト感覚ってどうよ?」という意見があった。それはその通りなのだが、むしろ、育児休業を認めるのと同じように「訴訟休業」を認める世の中を実現したいと考えている。現状だと、給料をもらっている人が訴訟に関わった場合、年休をとって裁判所に通ったり弁護士と打ち合わせたりすることになる。これでは、訴訟によって救済されるのは、仕事を休めるだけの自由度のある人か、訴訟も業務の一環である法人だけになってしまう。司法改革をしても、制度の利用の便宜が広く図られていないと、事実上利用が困難になってしまう。弱者が必要なときに司法サービスを受けられるようにするには、社会的な広く浅い支援が必要だと思う。また、裁判員制度を考えても、訴訟休業を広く認める方向に進まないと、負担ばかり大きくなって困ったことになるのではないか。

誰か、山形大学を訴える人いませんか?(笑)

Posted on 9月 28th, 2005 in 倉庫 by apj

 山形大学では、学生の成績を保護者(この呼び方にも抵抗があるが)に送ることになっている。このことに関連して、ちょっと面白い記事を見つけた。

 最近筆者が実際に見聞した話なので、推測でなく事実として2つ書いておきたい。1つは、大学で教えている筆者の話。あるとき学生が学生課に怒鳴りこんできて3時間も粘った。「なんで成績表を自分に断りなく親に送ったのか」ということだった。

 もし仮にこの学生の学費を親が払っていたら、親にも「見る権利」がある、と考えるのが一般的だろう。しかし、個人情報保護法では、本人に同意なく親といえども提供することは、第三者提供にあたるとして、禁じているのである。法律は確かにその通りになっているが、多くの人は違和感を持つのではないだろうか。この学生は「個人情報保護法」の一部を捉えて、権利利益だけを主張していると映るのも無理はない。

ただ、二十歳も過ぎた学生の成績をいちいち親に報告することの方がおかしいという考え方だってある。「権利利益だけを主張している」という筆者の考え方は一面的に過ぎるのではないか。また、学費を親が払っているのか叔父叔母が払っているのか学生本人がバイトで何とかしているのか、大学はどうやってチェックするのだろうか。チェックもしないで一律に親に送ったりしたら、逆にトラブルの元になりそうである。かといって、資金源まで大学が明らかにせよと迫ったりするのは大きなお世話というもので、今度はプライバシーの侵害にあたるのではないか。
 というわけで、成績表を勝手に親に送られて立腹中の学生さんが居たら、試しに大学を訴えてみませんか?使う条文は個人情報保護法の23条で「個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない」である。入学時の書類では、親はせいぜい保証人であって、教育サービスの提供はあくまでも大学と学生本人の間の問題であるから、うまく立証活動すれば勝てるかもしれない。

 と、訴訟ネタを書いたところで、明日は環境ホルモン濫訴事件の口頭弁論の日なので、傍聴に行く予定。一応休暇は取ったが、4年生と実験中なので、夕方には戻ってまた測定続行なのだが。

実験中でいろいろ

Posted on 9月 26th, 2005 in 倉庫 by apj

 4年の卒業研究の実験を、お茶の水大で一緒にやっている。高温高圧測定をやるので、設備がないとできないから、集中してこの時期にやることにした。
 並行してやっていた実験で、固体レーザーの出力がいきなり落ちてどうしようもなくなったり、新しいパソコンを使える環境にしようとして、HUBを交換したらなぜか新品のはずのHUBが死んでて、死んでることを確定させるのに時間がかかってばたばたしたり。慌ただしい一日だった。まあ、卒研の方は無事に測定に入れたが。

 ところで、物理学会の編集宛のfaxが届いたので、冨永教授に届けに行く途中でちらっと見たらこんな内容の記述が。
「相対性理論に関する論文が届いたので一応受理しましたが、手書きで2.1kgもの大部であるためコピーするのも大変なのでとりあえずご連絡……」
 しょっぱなから論文が「kg単位」で評価されてるのを見たのは生まれて初めてです。妙にツボにはまって爆笑してしまいました。内容は、多分「相ま」さんだと思います。
 ちなみに、物理学会誌は刷り上がりで8頁以内とのことで、手書きで2.1kgじゃ収まりきらないから無理だろうということでした。

 いやその、ロゼッタストーンみたいな石版とか、ヒッタイトの粘土板みたいなものに書いて投稿して、分量は刷り上がり8頁以内だが提出時の重量100kgとかだったら一体どう扱うのだろう?>物理学会
 この先何が送られてきてもおかしくないというか……。

アウトライン機能を持ったワープロ

Posted on 9月 25th, 2005 in 倉庫 by apj

 込み入った文章はTeXで処理することにしているのだが、何章かあるような文章を書く時には、テキストエディタベタ打ちではちょっと苦しいときがある。一つの章が比較的長くて、章をまたぐ節の移動がほとんど無い場合は、章ごとに別ファイルにして\input{}で読み込むというのでもいいが、節の入れ替えを章をまたいでやる場合には不便である。しかし、アウトラインプロセッサのOmniOutliner、Sh-Out ! My Brain 、TAOなどは、項目の入れ替えと同時に文章の入れ替えもできるが、前後の文章の中身をその場でスクロールして見るのがうまくいかないので、ちょっと使いづらい。私に必用な機能は、
・章、節の構造が縦にならぶ
・章、節を入力するときに、\chapter{}、\section{}などを直接打ち込むと、テキスト形式で保存したときに正しい位置にそのまま入る。
・章や節をクリックすると、文章中の該当する位置にジャンプする。
・本文をスクロールすると、直前の章や節の内容も普通のワープロのように読める
 これらを満たしているMac用のソフトに、Kacisマイノート2があり、いつも愛用している。つまり、Kacisで編集→miエディタで読み込み→コンパイラを呼び出す、というフローになる。ただ、Kacisマイノート2はMS-Wordや一太郎のような超売れ筋ソフトではないので、もう1つ位は同じ機能を持ったものを考えておかないと安心できない。それで、いろいろ探して、 Mellelもこの目的に合うことを確認した。USA製のソフトなのでドキュメントが全部英語だからちょっと敷居が高いかもしれないが、メニューは日本語化されている(というkさ最初から各国語対応している)。ただしUnicodeなので、そのままではMacのTeXが通らないから、テキストで保存した後、miで読み込んでシフトJIS変換してから、TeXコンパイラを呼ぶ必用がある。構造を持った文章を書く時にはお薦めのソフトである。というか、売れ筋ソフトがどうしてこういう機能を持たないのかが不思議だったりする。

永井豪先生の還暦祝い

Posted on 9月 24th, 2005 in 倉庫 by apj

 漫画家の永井豪先生の還暦お祝いパーティーに行ってきた。年末にファンクラブの人たちと顔を合わせて、年度がかわったあたりから会に出るようになったのだけど、とうとう御大のお姿を拝むことができた。もともとはマジンガー系のファンから入ったのだが、まあ、永井豪のマンガとアニメで育った世代ではある。
 子供の頃、1つ上とか下の男の子が回りに多くて遊び友達だったのだが、みんながウルトラマンのソフビを買ってもらっていたとき、私だけデビルマンを買ってもらったのを覚えている。母親は「悪魔」の外見に難色を示してウルトラマンをすすめたが、私はデビルマンに拘ったのだった。多分、キューティーハニーとデビルマンのアニメを見たのが、永井豪作品に触れた最初だったと思う。その後、マジンガーZを再放送も含めて何回か見た(でも通しては見ていない)記憶があり、なぜかグレートマジンガーがすっぽり抜けて、グレンダイザーがやたら印象に残っている(こちらはほとんど通して見た)。これと並行して、マンガの方で「ハレンチ学園」に爆笑し、「手天童子」の謎めいた雰囲気に魅せられた。短編読み切りの「ススムちゃん 大ショック」は、価値観というか先入観をひっくり返される鮮烈さがあった。これも雑誌でリアルタイムだったと思う。まあ、アニメばっかり見て他のバラエティやドラマはまったく興味がなかったので、ハレンチ学園のドラマが放映されたことや、当時のPTAがさんざんクレームをつけていたことは、ずっと後になって知った。
 その後、親が邪魔したので永井豪のマンガ購入が滞ったわけだが、その時期に筒井康隆を読んでやっぱりタブー破りの異様なパワーに惹かれるものを感じた。それで、だいぶ前から機会があるごとに「永井豪と筒井康隆は天才だから、あの二人だけは差別表現やら公序良俗云々でクレームをつけずに何書いてもいいことにすればいいんじゃないの」なんて言ってたのだが、最近になって、永井豪ファンクラブの初代会長が筒井康隆だったときいてのけぞった。
 今回初めてお会いすることができ、握手してもらって、出席者に配られた豪ちゃんマーク入りの袋にサインまでもらってしまったため、当分手を洗う気がしなくなった上、袋はその場で宝物に決定したわけだが。「楽しい時間をありがとうございました。これからも本買います」って挨拶した。
<独り言>
 ところで豪先生、ここ数年、マジンサーガの続きが気になって仕方がないのですが、続きはいつから始まるのでしょう?あと、CBキャラワールドのDVD化の予定はないのでしょうか?
</独り言>

いい加減に国旗と国歌と労働運動を返せ

Posted on 9月 23rd, 2005 in 倉庫 by apj

 別サイトでやってる掲示板に、コピペと思われるが「国民のつとめ」というタイトルの書き込みがあった。その中に「今の日本は、不逞な第三国人が跳梁跋扈し、北朝鮮の工作員も我が物顔で活動する、とんでもない国になってしまいました。これも占領憲法を支持する左翼勢力や日和見主義者たちのせいです。これらを排除し、本来の日本を取り戻しましょう。」というのがあって、勘違いもとうとうここまで来たかと思った。
 現実には、第三国人の入国を認めたがっているのは経団連あたりであって、左翼との利害関係はないのではないか。研修生名目で安い給料でこき使うとか、日本人のかわりにもっと安い給料で働かせるというのが主な目的だろうと。
 戦後のある時期までの日本で、国旗と国歌が右翼に奪われ、労働運動を左翼やら共産主義者やらに奪われたために、まともな市民社会の発展が随分と阻害されたんじゃないかというのが私の意見である。「奪われた」ってのは、まあ、シンボルとして持って行かれたという意味だが。
 左の方から言っておく。労働者の権利だけしっかり守って利益団体として普通に活動していればいいものを、どういう訳か憲法9条にまで手を広げたり、原水爆の禁止だの、共産主義というイデオロギーだのを抱き合わせてくれたために、結果として労働組合の組織率下がりまくりだし、政治方面でも影響力失いまくりになっているように見える。で、派遣関連の立法の中身の綱引きを労働者の利害からやってもらわなきゃならない今になって、労働者の利害を代弁してくれるはずの政党がぼろぼろで役立たず、経済団体のいいようにやられて、経済的弱者を大量に産み出している。労働者の利害を代表すると騙って、別のことまで主張した共産党と旧社会党の連中の責任じゃないのか。挙げ句にいろんなところの労働組合が、今だに9条を云々している。労働組合だったら本来の趣旨に立ち返って、9条なんかスルーして、27条と28条をきっちり守れ、法律がちゃんとその趣旨を考えて立法されてるかどうかをチェックしろと言いたい。賃金と労働条件の交渉をするのに、イデオロギーは邪魔なだけだと気付いてほしい。
 右の方にも言いたいのだが、国旗と国歌をシンボルにするのは止めてほしい。あれは国民が普通に使うはずのものだ。国と国が付き合うときに、お互い相手の国旗と国歌をどう扱わなければいけないかという知識を定着させるのに、イデオロギーを無理矢理くっつけられるとやっぱり邪魔である。 How to useを考えるはずの話が、思想信条の自由の問題に化けているのは、右の連中が国旗と国歌を奪っていらんイデオロギーをくっつけた(で、左がまたそれに過剰反応した)からではないのか。ついでに言うと、どういうときに国旗と国歌を使うかということを定めるのなら、同時に濫用も禁止すべきではないか。国のシンボルにするのなら、別なナニモノカのシンボルにされてはやっぱり困るわけで。

ちょっと違う理由で

Posted on 9月 22nd, 2005 in 倉庫 by apj

半落ち」が文庫になったので買った。ミステリーなので、あまり詳しく感想を書くとネタバレになるので簡単に。数人の人物の視点を変えながら、被疑者の行動の謎が描かれる構成がしっかりしていると思った。この順番と、刑事手続きの順番がきちんとかみ合っている。
 で、これを買った理由は、直木賞作家の渡辺淳一氏が、人間の書き方が薄っぺらいとか何とか酷評してるという話をネットで知ったから。ちなみに、渡辺淳一氏は、日経新聞で「愛の流刑地」を連載中だが、ネットでさんざん酷評されている。愛ルケの方は50代半ばの冴えない男性と30代半ばの人妻の不倫小説だが、出会った→口説いた→定期的にHシーン→プレイの最中に女性が扼殺される→男性自首、という流れで進んでいる。小説としてはドラマチックになるはずの要素があるにもかかわらず、設定が内部矛盾しまくりの文章に加えて女性はまるでデリヘル嬢か人形みたいな書かれ方、ポルノとしても中途半端だし文学にしては悩み方が足りない脳天気小説のため、ネット上では文学史上に残る駄作だと評判になっている。ちなみにここ1箇月は死体描写が続いていたし(日経読者は毎朝それを読むことになる、ご愁傷様)、ちょっとまえの逢い引きのシーンは、「職場で出したらセクハラになる」という代物だった(日経新聞朝刊の連載小説が、ですよ!)。
 読んでみた感想は、ストーリーの破綻のなさといい、緊迫感といい、人物描写の深みといい、
「半落ち」>>>>>(越えられない壁)>>>>>「愛の流刑地」
でしたよ勿論。つか、もし「半落ち」が連載だったら、その方が日経新聞としてはずっと良かったんじゃないかと思ったり。組織の人間として縛られる個人の苛立ちなんて、仕事してる人たちにはとっても身につまされる話だしなぁ。

京都駅ビルの地下で

Posted on 9月 20th, 2005 in 倉庫 by apj

 最中を見つけました。「わすれ傘」という、ちょっと長細い形のやつ。製造元は(株)大原女家YNKと書いてある。数少ないこしあんの最中で、甘みもけっこうあっさりしていて気に入った。甘いもの好きな人にはおすすめ。

発表とかいろいろ

Posted on 9月 19th, 2005 in 倉庫 by apj

 とりあえず何とか発表。今回は直前にしくじってたことが判明したので、中間報告ってことで^^;)。
終わってから、帰ろうかとおもったら神奈川大の窪谷さんとその友人達に遭遇したので一緒に食事に行ってしまった。あとは、あれこれ大学の現状とか企業の現場のトホホさ加減について盛り上がった。まあ、学会の時くらいしかなかなか顔を合わせられない人も結構居る。みんな全国に散らばってるし。

大津に着きますた

Posted on 9月 18th, 2005 in 倉庫 by apj

 明日からの物理学会のため大津のホテルにたどり着いた。同志社大学が会場なので、京都市内の方が便利は便利なのだが、ホテル料金が軒並み「国際観光都市京都価格」なので、とてもじゃないけど仕事で来て支払う気分にならない。貧乏性なんよ^^;)。
 ホテルはネット環境完備で快適だ。一応どこでも接続できるように、モバイルのアンテナとカテ5のケーブルは担いでるのだが、部屋に10Base-Tのコンセントがあって、ケーブルも備え付けになっていた。
 普段テレビを見ない生活をしている(というか主な番組をやっている時間に家に居ないので、TV無しで過ごせることがわかってしまった)ので、ちょっと前までは、学会でホテルに泊まる日が唯一普通にテレビを見る日だった。土曜ワイドみたいな2時間物ドラマを見れるのは、その曜日に宿泊して、その時間帯にホテルに居る場合だけなのだった。ところが、最近はホテルに着いたら荷ほどきしてまずネット、という状態になってしまい、ホテルでもテレビを見なくなった。今日も、フロントに置いてある本日のテレビ番組表はスルーということで。