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いい加減に国旗と国歌と労働運動を返せ

Posted on 9月 23rd, 2005 in 倉庫 by apj

 別サイトでやってる掲示板に、コピペと思われるが「国民のつとめ」というタイトルの書き込みがあった。その中に「今の日本は、不逞な第三国人が跳梁跋扈し、北朝鮮の工作員も我が物顔で活動する、とんでもない国になってしまいました。これも占領憲法を支持する左翼勢力や日和見主義者たちのせいです。これらを排除し、本来の日本を取り戻しましょう。」というのがあって、勘違いもとうとうここまで来たかと思った。
 現実には、第三国人の入国を認めたがっているのは経団連あたりであって、左翼との利害関係はないのではないか。研修生名目で安い給料でこき使うとか、日本人のかわりにもっと安い給料で働かせるというのが主な目的だろうと。
 戦後のある時期までの日本で、国旗と国歌が右翼に奪われ、労働運動を左翼やら共産主義者やらに奪われたために、まともな市民社会の発展が随分と阻害されたんじゃないかというのが私の意見である。「奪われた」ってのは、まあ、シンボルとして持って行かれたという意味だが。
 左の方から言っておく。労働者の権利だけしっかり守って利益団体として普通に活動していればいいものを、どういう訳か憲法9条にまで手を広げたり、原水爆の禁止だの、共産主義というイデオロギーだのを抱き合わせてくれたために、結果として労働組合の組織率下がりまくりだし、政治方面でも影響力失いまくりになっているように見える。で、派遣関連の立法の中身の綱引きを労働者の利害からやってもらわなきゃならない今になって、労働者の利害を代弁してくれるはずの政党がぼろぼろで役立たず、経済団体のいいようにやられて、経済的弱者を大量に産み出している。労働者の利害を代表すると騙って、別のことまで主張した共産党と旧社会党の連中の責任じゃないのか。挙げ句にいろんなところの労働組合が、今だに9条を云々している。労働組合だったら本来の趣旨に立ち返って、9条なんかスルーして、27条と28条をきっちり守れ、法律がちゃんとその趣旨を考えて立法されてるかどうかをチェックしろと言いたい。賃金と労働条件の交渉をするのに、イデオロギーは邪魔なだけだと気付いてほしい。
 右の方にも言いたいのだが、国旗と国歌をシンボルにするのは止めてほしい。あれは国民が普通に使うはずのものだ。国と国が付き合うときに、お互い相手の国旗と国歌をどう扱わなければいけないかという知識を定着させるのに、イデオロギーを無理矢理くっつけられるとやっぱり邪魔である。 How to useを考えるはずの話が、思想信条の自由の問題に化けているのは、右の連中が国旗と国歌を奪っていらんイデオロギーをくっつけた(で、左がまたそれに過剰反応した)からではないのか。ついでに言うと、どういうときに国旗と国歌を使うかということを定めるのなら、同時に濫用も禁止すべきではないか。国のシンボルにするのなら、別なナニモノカのシンボルにされてはやっぱり困るわけで。