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誰か、山形大学を訴える人いませんか?(笑)

Posted on 9月 28th, 2005 in 倉庫 by apj

 山形大学では、学生の成績を保護者(この呼び方にも抵抗があるが)に送ることになっている。このことに関連して、ちょっと面白い記事を見つけた。

 最近筆者が実際に見聞した話なので、推測でなく事実として2つ書いておきたい。1つは、大学で教えている筆者の話。あるとき学生が学生課に怒鳴りこんできて3時間も粘った。「なんで成績表を自分に断りなく親に送ったのか」ということだった。

 もし仮にこの学生の学費を親が払っていたら、親にも「見る権利」がある、と考えるのが一般的だろう。しかし、個人情報保護法では、本人に同意なく親といえども提供することは、第三者提供にあたるとして、禁じているのである。法律は確かにその通りになっているが、多くの人は違和感を持つのではないだろうか。この学生は「個人情報保護法」の一部を捉えて、権利利益だけを主張していると映るのも無理はない。

ただ、二十歳も過ぎた学生の成績をいちいち親に報告することの方がおかしいという考え方だってある。「権利利益だけを主張している」という筆者の考え方は一面的に過ぎるのではないか。また、学費を親が払っているのか叔父叔母が払っているのか学生本人がバイトで何とかしているのか、大学はどうやってチェックするのだろうか。チェックもしないで一律に親に送ったりしたら、逆にトラブルの元になりそうである。かといって、資金源まで大学が明らかにせよと迫ったりするのは大きなお世話というもので、今度はプライバシーの侵害にあたるのではないか。
 というわけで、成績表を勝手に親に送られて立腹中の学生さんが居たら、試しに大学を訴えてみませんか?使う条文は個人情報保護法の23条で「個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない」である。入学時の書類では、親はせいぜい保証人であって、教育サービスの提供はあくまでも大学と学生本人の間の問題であるから、うまく立証活動すれば勝てるかもしれない。

 と、訴訟ネタを書いたところで、明日は環境ホルモン濫訴事件の口頭弁論の日なので、傍聴に行く予定。一応休暇は取ったが、4年生と実験中なので、夕方には戻ってまた測定続行なのだが。