環境ホルモン濫訴事件:第四回口頭弁論
本日の傍聴人は全部で23人。パイプ椅子などを追加して全員着席できた。原告代理人は、中下・神山・中村弁護士の三人で、原告本人は欠席。裁判官の一人が交替したので弁論の更新をした後、反訴被告の答弁が始まった。
「請求が正当であることは元の訴状を読めば分かる」
「反訴被告の提訴の意図は反訴原告に対する攻撃であるというが、訴状を読めば分かるとおりそんな意図はない」
と述べた後、まさか言うまいと思っていた爆弾発言で(傍聴席に)笑いの燃料投下。
「プレスリリースは新聞記者に対する説明のために出したもので、付随的なものであり、本件訴訟の目的にはあたらない」
訴訟代理人の弁護士名義で出したプレスリリースの中で訴訟の目的が説明してあれば、読んだ人はそれを本当のことであると受け取るのが普通ではないのか。記者だってそれを前提に新聞に載せる。中下弁護士は、プレスリリースには真実でないことを書いてもいいと主張したとしか見えない。しかも裁判官の前で。
これって、弁護士の行動として倫理的に大変問題があるのではないか。プレスリリースを掲載したマスコミの皆さんは、見事にかつがれたということだから、大いに怒って良さそうだ。
中下弁護士の演説はさらに続いた。
「(反訴原告を攻撃する意図の背景に)代理人がダイオキシン・環境ホルモン国民会議の役員であることが指摘されているが、国民会議は158名の女性弁護士が作った団体で、たまたま受任した代理人がこれに参加していたというだけである」
「学問的批判であれば、事実に基づいて行うべき。本件は事実に基づかない批判である。また、学問的批判であるというなら、どうして、反論の機会を保証せずにwebに掲載したのか。なぜ一方的に行ったのか。学問的批判はシンポジウムなどで直接行うべきである。」
「どうして(松井氏から)抗議メールがきたのに、それを公開しなかったのか(公開して反論しなかったのか)」
「批判は他者の名誉を傷つける可能性がある。他者への批判は自己への批判と結びついていなければ建設的ではない」
松井氏は自身のウェブサイトを持っているので、そこでいくらでも反論できる状態であった。また、メールを無断で公開することの方に慎重になるのは当然である。既に訴訟に至るまでのメールのやりとりは公開済みだが、松井氏は、送ったメールを公開せよなどとどこにも書いていない。
で、意見表明が名誉毀損にあたらないという最高裁判例の射程距離について述べた後、次の燃料投下。
「乙5(2)のテープですが、原告は、(新聞記事の説明について?)言ったつもりで言ってない」
これで、この訴訟は、
原告が「言ったつもり」で「言ってない」ことを「聞いてない」から「ちゃんと言え」と指摘したら訴えられた
というものであることがはっきりした。そりゃ、「言ってない」ことは「聞いてない」のが普通だわな。要するに松井教授のプレゼンがドヘタだったということか。で、逆ギレ訴訟の挙げ句、弁護士が三人がかりで松井教授のプレゼンが下手糞だったことについて弁護している、と。
詳細な情報は、環境ホルモン濫訴事件:中西応援団から得て欲しい。
なお、本日原告が提出した甲号証の中に、私のブログも登場したことがわかった。これについては後ほど詳細を説明する予定である。