1年ほど前に、「光量子エネルギーを利用した水」についてコメントを書いた。ところが今日になって、これを作っている会社の社長斉藤氏と接触した人からメールが来た。その一部を引用する。
数ヶ月前に先生の「空水光(株)」へのコメントについてを読まさせていただき、このことを斉藤氏に話したところこの理論はコペルニクス的発見なので、まだ教えた一部の科学者しか解らないのだと言われ、Y・Amo様にはよく説明したので、この理論は納得してもらったと言っていました。
また水商売ウオッチング「空水光(株)」へのコメントについてはすぐに取り払ってもらうと言っていましたがいまだに掲載されているので疑問を感じています。
またY・Amo様も斉藤氏側についてもらうことになるので(金銭で解決)問題はないと言つていました。
メールに書かれている通り、斉藤氏がもし本当にこんなことを言っていて、それがこのメールをくださった関係者の方だけにとどまっていないのであれば、私は斉藤氏を名誉毀損で訴えることになるだろう。斉藤氏が言ったという証拠が揃っていればおそらく勝てると考えている。
念のため書いておくと、コメントを公開してから、斉藤氏なる人物から「光量子エネルギー理論」とやらの説明を受けたことはないし、コメントを取り下げろという要求をもらったこともないし、金銭のやりとりで斉藤氏側に付くことにした事実もない。そもそもメールのやりとりすら一度も無い。
もし、斉藤氏が「私が(科学的)批判を書いたことについて金銭で解決した」と述べているのであれば、それは、私が刑法222条あるいは刑法223条に該当する犯罪を行ったと述べているのと同じことである。そういう内容を摘示すれば、私の外部的名誉の低下を引き起こす。そのようなことを、関係者の何人かに言った場合には「公然性」が出てくる。
また、そのような理由による金銭のやりとりは、もし本当であれば、私の勤務先である山形大学との関係においても問題が発生するケースである。大学の名誉も同時に低下させ社会的批判を浴びることになるし、私には大学当局からの処分がほぼ確実に行われる。
トンデモ光量子エネルギー理論を主張するのも自由だし、内容を批判するのもまた自由である。しかし、根拠もないのに犯罪者である旨を摘示することは放置できない。名誉毀損を主張するとしたら、今回のような場合が適切なのではないかと思う。
とまあ、固い話はこのへんまでにして、「空水光(株)」には全く別の理由で引っかかるキーワードが登場している。詳しくない人のために少し説明しておこう。
私が永井豪ファンであることは既に書いた。マジンガー三部作(Z、グレート、グレンダイザー)はリアルタイムでも結構見てたし、後からもDVDで通しでちゃんと見ている。さて、三作目(と書くと抵抗がある人もいるのだが)のUFOロボグレンダイザーだが、登場するロボットは「光量子エネルギー」というクリーンエネルギーで動いているという設定である。さらに、文芸設定の一部では、正義側の基地の所在地が「那須高原」とされていて、これは、問題の水の採取場所に一致している(アニメ本編では基地は八ヶ岳とされたが)。
最初にこの水の話を見たとき、元ネタはアニメのグレンダイザーに違いないと思った。社長の斉藤氏には、非科学云々の議論を振る前に「DVDと設定資料のチェックはしたのか?」と訊いてみたくて仕方がなかったりする。
まあとにかく、こういう怪しげ理論は、製品に応用したりせず、SFかアニメの中だけで楽しめばそれでよい。
でもなぁ、リアル「光量子エネルギー理論」がこんな形で登場して絡んでくるとは、アニメ見てた時には思ってもみなかったよ……orz。