バレンタイン・デーにはろくな思い出が……
本当は昨日アップするはずだったんだが、なんだか忙しくて忘れていた。バレンタイン・デーの話である。
理学部、それも物理学科なんかに女性が進学すると、研究室に配属されてみたら女性が他に誰も居ないといいうことが起きたりする。最近では、理学部物理学科に進学する女性の数も増えてきたようだが、私が学生の頃はまだそうではなかった。定員35人のうち女子学生ゼロの学年も珍しくはなく、女子学生が4人居た私の代が前後数年でもっとも♀の数が多かった学年だったりする。
さて、私も4年生で卒業研究で研究室配属されたが、女子学生は私のみということになった。で、年も明けて卒論の最後の追い込みの頃にやってくるのが、バレンタイン・デーである。
私が在学していた当時、クラス全員でやる卒業研究発表会は無かった。研究発表らしきことをするかどうかは指導教官に任されていた。私が指導を受けていた研究室では、発表日を2月15日に決めてくれた。すると、2月14日は、まさに追い込みの修羅場の真っ最中ということになる。ラジオなどかけながらみんな卒論を書いたり発表用のトラペを作ったりしていると、世間はバレンタイン・デーで盛り上がりまくっている内容の放送がかかる。音楽からアナウンサーの台詞から全て。
「義理でもいいから欲しいよなぁ」とか、過去の研究室におけるバレンタイン・デーのチョコ配布の様子とか、教官まで一緒になってぶつぶつ言っていた。私は当然無視して作業続行。あのな、お前ら、義理でもチョコが欲しいんだったら卒業研究発表を2月13日にしろよ!こんなスケジュールじゃ買い出しにも行けねーよ!つか連日の追い込みで、バレンタイン・デーの話なんかどっかにすっ飛んでたよ!研究室の都合で発表日を決めていいんだから、日を選べ日を!いやまあとにかく、義理チョコの一つも配れない事態に陥ったのはひとえに指導教官の計画性の無さが原因だということで、私としては納得しましたよ、ええ、しましたとも。
さて、修士課程に進学した先は女子大だった。バレンタインシーズンになって、コンビニに行ったらグリコの巨大なアーモンドチョコを売っていた。チョコ一粒にアーモンドが5粒くらい入っているやつで、一箱千円くらいして、寮暮らしの貧乏学生だった私はチョコが大好きだったので随分奮発したつもりで買ってきた。それを研究室の机の上に箱ごと置いて、毎日食べるのを楽しみにしていた。そうしたら、阪大出身のくいだおれ人形そっくりの助手が研究室に入ってきて、その箱を見つけた。で、「バレンタインデーだし、1つもらってもいいよね?」と箱を開けて、唖然としている私の目の前で、巨大な一粒を持っていった。バレンタイン・デーって「食い物の恨み」を発生させるイベントだったっけか?
- » Continue reading or コメント (0)