波動注意報
編集中だったんで削除して日付を変えて書き直し。
波動注意報というサイトがある。江本氏の「波動」の現状についてよくまとまっている。
最近は、「水からの伝言」で知られているが、水の話が出てくる少し前に、ある農業コンサルタントの人から情報をもらった。それによると、「波動測定器」少し前まで農家向けに売られていたということだ。設備として販売するから、値段もそれなりのものになる。背景に、有機農法の優位性を示したかったということがある。有機農法で作った野菜と化学肥料を使って普通に作った野菜について、栄養の分析をやって比べても、大きな差が出なかったため、有機農法を推進したい人たちが「差の出せる測定法」を探していたところに、「波動」が忍び込んだということらしい。しばらくして、測定法として使えないことがだんだんわかってきて(当たり前だ)、次のターゲットを水にするつもりだから気をつけろ、と注意をもらったのが、多分2000年になるかならないかのあたりだったと記憶している。それから間もなく、「水からの伝言」がはやり始めた。
「波動測定器」については、せいぜい接触抵抗を数値として出しているだけだという話が、別冊宝島「トンデモさんの大逆襲」の「波動汚染」という記事にまとめられている。この本は品切れ絶版なので、図書館をあたってみてほしい。販売に関与した企業は、今更「装置がインチキでした」などと言うと詐欺で訴えられるのでみんな黙っている、ということもまとめられていた。
「水からの伝言」の方は、去年の夏頃から、やっと従来のメディアに批判が出るようになってきた。
私の批判本を出している自費出版男だが、どういうわけか最近「波動」の弁護にやっきになっている。ウェブの方では「科学でないものを科学者が批判するのはよくない」という主張をしている。これはもちろん間違いで、正確にいうなら「科学でないのに科学っぽい装いをしているから科学の側が批判している」だけの話である。
今頃になって何でまたよりによって波動の弁護に走りはじめたのか考えてみたのだが……。自費出版氏は、磁気活水器「ダイポール」の販売員向け講習会などを手がけており、「水は変わる」と頑固に主張していた。去年の暮れに、公取から排除命令が出たので、これまでの「水は変わる」の根拠にしてきた内容が宣伝に使えなくなった。「水は変わる」の根拠として、より科学っぽかった宣伝がダメになったので、もはやオカルトな波動しか残ってないということなのだろうか。他の人たちからも批判が上がり始めているこの時期に波動を弁護する方向に走るのは、ちょっとタイミングが悪すぎないか?
「波動注意報」からたどれるblog「星になれ!」にも気になる記述がある。3月1日のエントリで、教師が水伝の話を肯定的に扱っているのを見つけて注意をしても、教師から連絡が返ってくることがほとんどなく、記事がひっそりと削除される、と書いてある。3月7日のエントリでは、
「素直になって人とのコミュニケーションを大事にする」事を諭す教師自身が一番素直じゃなく、コミュニケーションを大事にしてない事を見せている。
と書いてあるが、これが本当なら、生徒に対して「人の話を聞け」「コミュニケーションを大事にしろ」「よく考えろ」といった指導をしても、説得力が皆無である。生徒というのは妙に鋭いことがあるので、教師の口先の指導と実際の考え方が違うということを実はとっくに見抜いているかもしれない。指導の効果にもかかわりそうだ。
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