高校数学の教科書を買ってきた
前回、高校数学とのつなぎの講義を始めて見たら「数IIIも数Cもやってない」と言い出す学生がいた。それで、彼らが一体何を知っていて何を知らないのか調べるために、新課程(=ゆとり教育)の数学の教科書を1セット(7冊)買ってきた。で、いろいろ見ているのだが、数III、Cというと、極限、微積分、行列が入っている。これをまったく知らない学生がいるとすると、そのままでは物理化学の講義が成り立たない。ということで、やってない人でも最低ラインには到達してもらわないといけないので、数IIIの教科書を見ながら講義ノートを作る羽目になっている。微積分の計算だけなら、高校の内容でも結構使えるし、物理化学の教科書を読むのにε-δは不要だし(このあたり、数学の先生に講義してもらうと妙にこだわりがあるみたい)。
やってないのは数学だけではない。生物を全くやっていませんとか、物理を全くやっていませんという学生が何割か居る模様である。これでは、専門の教科書を使った講義が始まったら即死するのが目に見えている。学生の方もそのことに気づいて不安を感じてはいるようである。物理については最低限のことを前期の後半にやる予定だが、それでも不安な人のために、ブルーバックスの「新しい高校**の教科書」を薦めている(**は物理・化学・生物・地学)。
高校で科目の内容の選択の幅が広がったために、そのしわ寄せが大学に来ている。普通科については、理系文系の2分割で理系は数学全部と理科の大部分、文系はそこまでやらなくていい代わりに社会やら古典やらを増やす、という程度の区分けに戻せないものか。
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