日経サイエンス6月号
日経サイエンス6月号24ページに、茂木健一郎氏が『「わかりやすさ」の病』という短いコラムを書いておられる。
昨今の日本人は、「わかりやすさ」の病にかかっているように見える。科学的知見を解説する場合でも、あたかもそれが絶対的な真理であるかのように「断言」することが求められることが多い。
とある。そのあと、科学的真実は仮説であるという説明があり、
科学することの中核には、現状に対する批判精神がある。ポピュラーサイエンスの文化において、日本人が「わかりやすさ」の病にかかっているとすれば、その批評精神の欠如はより広い社会的文脈においても害をなしているはずである。
と指摘している。
この話と多少関係するが、以前にこんなことを書いた。そのあと、「わからなさに対する耐性が減っていることが問題なのではないか?」という話を周りの人たちとしていた。本当はわかってないことに、わかりやすい説明を無理矢理くっつけるとインチキが入り込むことになる。また、「科学で説明できないこともある」からといって、別の何か、たとえば「効果があるかもしれない」という「可能性」を積極的に「信じる」のは明らかな嘘である。「科学で説明できないこと」で、科学の枠組みに入る話なら、科学で説明が付くまで棚上げにして放置するのが正しい(その問題の研究者は別だが)。
どうも、既に解決済みのことばっかり教育されて、解決してないことをどう扱うかという部分が抜けているんじゃないかと思う。
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