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また名探偵原理w?

Posted on 6月 13th, 2006 in 倉庫 by apj

 午後から学生実験を見ていたら、実験で使う寒剤の塩化ナトリウムが足りなくなりそうだったので、出入りの業者に急遽電話して、学生実験中であることも伝えて配達してもらった。実験室前で品物を受け取ったら、ちょっとこれを見てください、と印刷物を手渡された。
 一体何かと思って見てみたら、内容は怪しげな磁気活水器の宣伝。錆を取るというふれこみだが、説明の方では水を変えるとなっている。水が反磁性体で磁場の影響はほとんど受けず、磁場の影響が後に残ることもないことを、まずは説明した。よく宣伝の中身を見ると、鉄管の外に永久磁石を置くタイプ。ここで、磁気回路について説明し、磁束の殆どは鉄の部分を通るから、内部の水には届かないということも説明し、全体として業者の説明が怪しいことをわかってもらった。何でも、知り合いのおばあさんの家に「取り付けられてしまった」らしい。またドッカのインチキ企業が、年寄りの無知につけ込んで強引な営業をしたらしい。

 その上、シンクロニシティかっていうタイミングで、伊藤園のエンジニアの方が、日本流通産業新聞に掲載された水関係製品の特集記事のコピーを送ってくださったのが届いていたりする。こちらも、まともな企業とおかしな宣伝をしている企業がごっちゃになっていて、正直頭が痛い。っていうか、こんなところに同列に並べられたら困るのは、まともな商売をしている会社の方じゃないのか。まあ、業界紙だから読む側もプロを想定しているので、情報の評価は自己責任でやれということなのか。この新聞記事を読んで、どれがニセ科学でどれが本物の科学か、見分けられる企業とそうでない企業が出てくるのだろうなぁ。怪しい方に乗っかる企業も出てくるだろうなあ。業界の自己責任に任せている限り、インチキが無くなることは無さそうである。公取あたりに頑張ってもらうしかないのか。