学生実験
学生実験のテーマの1つである「光吸収測定」は、ウチでは従来はニッケル錯体の水溶液を測定していた。すると、2日ある実験日の初日で測定が終わってしまう。で、去年からこのネタを追加した。お茶の色素の色がpHに依存して変わるというのを実験で確認するというもの。レポートは、お茶の葉の主な色素分子が何であるかということ、pH依存性が既に知られているものと矛盾しないことなどをまとめてもらうことにしている。まあ、二日目に何もせず遊ぶことになるよりは、世間で出回っている「アルカリイオン水だとお茶の色が濃くなるのはよりよく抽出ができているからだ」というたぐいのインチキ話を一目で見破れる経験をしてもらおうか、ということである。抽出精製した色素を使うとより精密な実験になるのはわかっているのだけど、試薬代がかさむので、お茶をそのまま使っている。
実験の前に、市販のペットボトルのお茶を適当に選んで買ってきて渡すことにしているのだが、たまたま今日は私が買い忘れたので、TAに頼んで生協に走ってもらった。そうしたら、
十六茶を買って来やがりますた……orz
行ってもらったのは、この実験の意味も説明しつつ、試薬高いしねぇ……などと言いつつ、デモ実験を一緒にやった博士前期課程の院生である。「主成分がお茶の色素」だから何とかなっている実験に、発色の主な原因物質の見当がつかない十六茶を買ってきて一体どうするんだと小一時間(以下略)。
結局、学生が飲みかけの生茶と新品十六茶のトレードが成立(笑)して、実験は無事終了した。
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