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定量的に……

Posted on 8月 11th, 2006 in 倉庫 by apj

 学科の先生と話をしていたら、理学部進学者においてさえ、ものごとを定量的に扱うとか、いろんな知識を組み合わせて大体の量の見当をつけるということがすっぽり抜け落ちているのではないかという話題が出た。
 出した問題は地球上のオゾンの存在量で、地球の半径+上空何キロから何キロにある、といった情報を与えて、存在する体積を出すとか、地表に敷き詰めるとどうなるかといったことを試算するというものだが、どこでつっかえたかというと、球の体積と表面積が出せなかったのだそうで……。公式自体は理科じゃなく数学、それも中学校あたりで出てくる(ゆとりで無くなったかも知れないが……)はずなんだけど。
 ウチの学科の専門に進んでも状況は同じでである。炭素原子の記号すら出てこず、ひたすらモデルやら解析やらをやる反応速度論なんてのもあり、学生の感想は「化学ってこんなに定量的に厳密にやるものだとは思ってなかった。暗記科目だと思っていた」ということで、ショックを受けるらしい。
 大学入試の問題を作っていても、「定量的に扱わない」「計算させない」というしばりがあるものが結構あって、これでは、装置にせよ実験条件にせよ、量的な見当がまるでつかんだろうと思うことも多い。

 何か、「定量的にものを考えることから遠ざける」「計算は極力させない」という方針で理科の指導要領が作られているように見えるのだが、これは一体誰の意図なんだろうか?
 量の関係に気づかせないという方向で教育すれば、リスク管理のような考え方には進まず、危険だと煽れば程度を無視して簡単に世論を誘導できることになると思うのだが、ひょっとしてそれを狙っているのか?さすがにこれはうがちすぎか?

暴力って一体……

Posted on 8月 11th, 2006 in 倉庫 by apj

 新聞記事より。

鹿児島大:助教授ら3人殴った教授処分

鹿児島大(永田行博学長)は9日、60代の男性教授が研究指導と称し、学内で男性助教授と男子大学院生ら計3人に暴力を繰り返すなどしていたとして、同日付で教授を停職2カ月の懲戒処分にしたと発表した。

 同大によると、教授は同じ研究グループの50代の助教授に対し、01年10月以前から05年1月に平手でほおをたたいたり、拳で胸を突いたりするなどの暴力行為を10回以上繰り返した。01年9月~今年2月には複数回、反省文に「辞職をする」という趣旨の文章を書き加えさせた。

 また、03年4~6月に複数回、研究室の大学院生の顔をひじで殴ったほか、00年秋ごろに研究室の別の学生の頭を平手で殴った。大学院生はその後から恐怖で大学に通えなくなり、03年9月に「進路変更」を理由に退学した。

 教授の専門と院生の性別に関する情報がほしいな。どうでもいいことばっかり報道するくせに肝心のことを隠すマスコミはカスだとこういう記事を見るにつけ思う。60代が暴力で院生(通常は20代と思われる)に勝つって状況が想像出来ん。20代が女性ならありうるかもしれないが。もし、所属が教育学部で専門が体育で空手の有段者だ、とかいう設定ならまだ分かる気がするが(だからといって暴力を容認はしないけど)……。