血液サラサラのその後
掲示板の方で教えてもらったのだが、「徹底検証・血液サラサラの真実」by NHK。講義のネタになりそうなので関連部分を引用して貼っておく。
今回の番組について
9年前、ガッテンが火付け役となって以来ブームとなった「血液サラサラ」。しかし今やその言葉が一人歩きしています。血液サラサラ検査を利用して高額の品物を売りつける商法まで現れているのです。
番組では、その気になればサラサラ検査の結果を操作できること、さらに、気になる食べ物の効果や、最新研究で分かったサラサラ特効薬の入手法などについても徹底特集します。
後から梯子を外す姿勢に見えなくもないが、誤解を訂正しようということは評価していいだろう。
「ある血液サラサラ検査の実態」
視聴者からの問い合わせメールをきっかけに、とあるバーゲン会場で行われている血液サラサラ検査の実態を取材しました。
そこでは採取した血液を顕微鏡で観察する検査を行っていましたが、スタッフが受けた1回目の検査では、赤血球が数珠状にくっついた状態でした。しかし、3分後に再検査すると、赤血球が一つ一つに離れた状態になっていました。
ウチでも講義でこの手の写真を使っているわけだが……。
「赤血球!ミクロの血視圏」
2回の検査で結果が異なった理由を知るために、まずは赤血球の性質について詳しく見ていきます。
赤血球を顕微鏡で徹底観察しました。最大の特徴はその柔らかさ。極細のスポイトで吸い込む実験をしたところ、赤血球の大きさは8ミクロンなのに、太さ3ミクロンのスポイトまで通ることができました。赤血球が柔らかいのは、細い毛細血管を自在に流れるために重要な性質です。
しかし実験中に不思議な現象を発見。バラバラだった赤血球が放っておくだけで勝手に集まり、数珠状に固まってしまったのです。これは、赤血球が弱い磁石のような性質をもっているからです。
ガッテンの実験では、赤血球がくっつくまでに3分かかりました。しかしバーゲン会場の検査では、採取した血液を3分待たずにすぐに見せていました。つまり「採った血液を見せるまでの時間によって、数珠状に見せたりバラバラに見せたりしている」わけではありません。しかし実は、大きな手がかりをカメラが捉えていました。
血圧のもとになっているのが、毛細血管の内側をこすりながら赤血球が流れていくことによる、と習った記憶がある。しかし、血球が集る理由は磁力なのか?そんなに強かったっけ?というあたりは要確認かと。
「血液の量で見え方は変わる」
バーゲン会場で血液サラサラ検査を受けた際、1回目の検査と2回目の検査で見せられた、スタッフの血液サンプルをカメラが捉えていました。1回目数珠状の時のサンプルは血液が多く、2回目バラバラの時のサンプルは、血液が少ないことが一目瞭然です。
ガッテンが再現実験をしたところ、血液の量によって、赤血球が数珠状にくっついた状態に見せたり、逆にバラバラの状態に見せることができることを確認しました。
サンプルの血液量が多いと、赤血球が何層にも重なるため、3分待たずに、即座に数珠状になります。しかし、これは赤血球が「見かけ上」互いに接している状態にすぎません。これだけで「血液がドロドロだ」と判定することはできないのです。
本当の血液ドロドロとは、血糖などが多い状態の時、赤血球が柔らかさ失い、接着剤のようにくっつきやすくなることで起こるのです。
いずれにしても、サンプルの血液量だけで結果が大きく変わってしまうことからも、サラサラドロドロを判別するには、詳しい血液成分検査などが必要で、1回の顕微鏡検査だけでは断定できないのです。
うん、まあ当然の結論だな。あとは、見やすくするために生理食塩水を入れたりすることもあって、測定のタイミングや食塩水の微妙な濃度の違いでも見え方を変えることができる。しかし、「血液サラサラ」を一人歩きさせた責任についてはどう考えているんでしょうかねぇ……。
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