昼過ぎに電話があって
昼食から戻ってきたら電話がかかってきた。初対面……じゃなくて初会話(?電話だからなぁ)の方から。何でも、ご家族が五百万円ほどする浄水器を売りつけられかかっているとのこと。最初に二十万円ほどの浄水器をすでに買わされたというから、典型的な次々商法に見える。宣伝文句は「水の分子の大きさを変える」「水分子の結合角を変える」といったもので、企業の研究所で調べたとか大学の先生に調べてもらったとか主張してるらしい。
研究者にもいろいろ居るから、中には本気で夢のような水の存在を信じる人も居るかもしれないが、ありきたりな実験で「分子の大きさの違う水を作りました」「結合角の違う水を作りました」などという結論を出したって、まず論文は通らないし、従って業績にもならない。調べたのが農学部らしいので、植物の育ち具合の違いが云々、ってなことを調べて、そこに業者が勝手にトンデモ水理論をくっつけたのだろうが、とにかくご愁傷様と申し上げる他はない。
とにかく、一つ一つ裏をとって業者のウソを暴きたいと言っておられたので、科学の世界では新規なことを主張する側が立証責任を負うのが原則だから、業者をつついて論文のコピーを出させて、それから内容の検討をするのが手間がかからなくて良いのではないか、とアドバイスした。こちらで業者がやってる「研究」とやらの結果を網羅するのは、そもそも宣伝が斜め上を行ってる状態では、普通の研究業績を調べる方法では引っ掛かってこないと思われる。
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