私が着任する前に学内で「学寮問題」というのがあったらしい。ビラについてコメントを書いておいたら、元学寮性を名乗る人達がさっきやってきて、控訴審判決文のコピーを持ってきた。今時のことだから、判決全文ネットに上げておいたら?とは言ったのだが……。で、事件番号判明。「平成16年(ネ)第300号 損害賠償請求事件(原審・山形地方裁判所平成12年(ワ)第310号」仙台高等裁判所第3民事部。これで見たい人は誰でも仙台高裁に行けば判決文にたどり着ける。
内容については、今ちょっと忙しいので後でじっくり読むことにする。双方の代理人の主張がまとめられているので、弁護士が何をどうやったか考えながら読むには面白そうである。
なお、大学側が、「被控訴人 国訴訟承継人 国立大学法人山形大学」となっている。代表者は学長である。これは、法人化前の提訴だったから、まず国が応訴(法務省に回されて訟務検事が応訴)したが、法人化によって法人格を取得(=訴え、訴えられることができる権利を取得)したので、訴訟承継が行われたということだろう。
(義務承継人の訴訟引受け)
第五十条 訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したときは、裁判所は、当事者の申立てにより、決定で、その第三者に訴訟を引き受けさせることができる。
2 裁判所は、前項の決定をする場合には、当事者及び第三者を審尋しなければならない。
3 第四十一条第一項及び第三項並びに前二条の規定は、第一項の規定により訴訟を引き受けさせる決定があった場合について準用する。
法人化で一番変わったところは、訴訟の当事者能力を得たということなのだなあということが実感できる書類だった。母校を訴えたとき、国立大学が訴訟の当事者になれないということを知ったのが一番びっくりしたことだったので……。