高校の必修科目履修漏れ問題
Yahooでの特集ページ。受験対策のために確信的にやった、成績証明書にも虚偽の記載をしていたということだが、やった人達は、刑事責任を問われる可能性があることをわかっているのだろうか。現三年生をどう卒業させるかという対応で手一杯なのはわかるが、校長の出しているおわびや説明は、報道されたものを見る限り、したことが犯罪であると自覚しているように見えないのだが……。
(公文書偽造等)
第百五十五条 行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
2 公務所又は公務員が押印し又は署名した文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。
3 前二項に規定するもののほか、公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は公務所若しくは公務員が作成した文書若しくは図画を変造した者は、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。(虚偽公文書作成等)
第百五十六条 公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、前二条の例による。(偽造公文書行使等)
第百五十八条 第百五十四条から前条までの文書若しくは図画を行使し、又は前条第一項の電磁的記録を公正証書の原本としての用に供した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は不実の記載若しくは記録をさせた者と同一の刑に処する。
2 前項の罪の未遂は、罰する。
公文書偽造虚偽公文書作成・同行使、刑法に抵触する行為である。
なお、偽造した卒業証書を生徒の父に満足させる目的で提示する行為が偽造公文書行使罪に該当するという判例もある(最判昭42.3.30)。でもって、公訴時効は刑事訴訟法によると
第二百五十条 時効は、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。
一 死刑に当たる罪については二十五年
二 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については十五年
三 長期十五年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については十年
四 長期十五年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については七年
五 長期十年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については五年
六 長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については三年
七 拘留又は科料に当たる罪については一年第二百五十一条 二以上の主刑を併科し、又は二以上の主刑中その一を科すべき罪については、その重い刑に従つて、前条の規定を適用する。
第二百五十三条 時効は、犯罪行為が終つた時から進行する。
○2 共犯の場合には、最終の行為が終つた時から、すべての共犯に対して時効の期間を起算する。
数年前からやっていたらしいが、組織ぐるみ共犯ということになると、まだ時効にはなっていない。今回の対応が、もし行政的な処分だけで終わるとしたらやはりおかしい。刑事手続きによる処理を進めるべきではないか。
ここからは旧ブログのコメントです。
by 越後屋遼 at 2006-10-29 03:34:29
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
自身が仕事上で行っていることが、法的にどうなのか?ということを意識している社会人というのは、そう多くないと思います。
会社の規則は意識していても、その規則がどんな法律を元に定められているのか、明確に説明できるレベルというと正直・・・数えるほどしかいなさげ。
今回のケースは、生徒たちに「自分たちのわがまま」が、たとえ先生方の「親切心から応えた」行動であったとしても、とり返しのつかない事態を生むことがある、という勉強をしてもらう必要があるだろう。
「生徒もしっぺ返しを食らう」とはいえ、「余計な時間世界史を勉強させられた」では薬になるどころか逆効果の可能性もある。
大人が罰せられるのを目の当たりにするということが、彼らのためにもいいんじゃないか。
by apj at 2006-10-22 04:08:22
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
商法の細かい部分やら、業務を行う上で決められている細々した法律なら、コンプライアンスを担当する部署や法務部しか完全には知らない、ということがあっても仕方がないかもしれません。
が、個人で知っていなければいけないレベルとして、「刑法」はやっぱり最低限でしょう。素人でも、「何をしたら刑務所に行くことになるのか」というレベルの理解は必要でしょう。細かい時効とか罪数論までは必要ないでしょうけど。人を殺しては(原則として)いけないとか、人のものを盗んではいけないとか、人を脅したり騙したりしてはいけない、偽札を作ってはいけない、といったのと同じレベルで「文書偽造はいけない」は知ってなくちゃいけないと思うんですよね。
by 酔うぞ at 2006-10-22 05:37:22
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
例えばですね、運転免許証を取るための実技が不足だったら、運転免許証は無効でしょうね。
だから、卒業生も全部高校卒業資格を剥奪するべきです。
そのことによる不利益は、学校が責任取ればよろしい。
なお、大学に入学している者については、大検に合格したことにすればよいでしょう。
もちろん、私文書であっても資格証明の大量偽造が刑事罰に当たらないとすれば、そりゃ放置国家だよ。
by ドラゴン at 2006-10-04 05:46:04
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
昔の話なので少々あいまいですが、十数年前、関西で、通知票に順序をつけるのは差別だかなんとかで、クラス全員オール3にした教師が公文書偽造で逮捕されたことがありました。
そのときの論調では、自分が担当した教科をオール3にしても罪にはならないが、音楽など他の教師がつけた成績を書き換えたということで、罪になりました。
教師というのは、「子どものために」という大義の前には、トンでもないことをしてしまう例です。
しかも「子どものために」なっていないんです。
by apj at 2006-10-50 06:26:50
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
>順序をつけるのは差別だかなんとかで、クラス全員オール3にした
日教組の信者さんでしょうかね。
日教組的には、「お国のために戦争に行く」のは何が何でも反対すべきことなんでしょうが、それは「生徒のためなら文書偽造もする」というのと一体どれほどの差があるのかと……。
by Enzo Romeo at 2006-10-54 18:15:54
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
虎姫高校は大丈夫でしたか?
by apj at 2006-10-43 21:03:43
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
5日制になったときにどうしたかまでは把握してません。
私が在学当時のカリキュラムは、社会科については地理(1年)、世界史(2年)、日本史(3年)で履修。これプラス現代社会(倫理政経分野をまとめたもの)を分割して3年までに修了。理科は、理科I必修なので、理科Iの生物・地学、環境関連分野を1年でやり、その後は科目別の生物・地学の教科書を半分近くまでやる、理科Iの物理・化学を2年でやり、その後続いて物理・化学の教科書を半分近くまでやる。3年で理系と文系が分かれた後は、理系は理科2科目(物理・化学or生物・化学の組み合わせ)で、やり残した教科書の残りをやる。
数学は、数I、線形代数・基礎解析・微分積分・確率統計まで全部やった。国語も、現代国語・古文・漢文全部やった。理系と文系の違いは、3年になった後の理科・数学と古典・芸術科目の比率が多少違ったって感じですね。
センター試験(まだ共通一次と呼んでいた)で、理科2科目社会2科目、国語は全分野ですし、理科系だと2次試験で数学は全範囲、英語は必須、理科も2科目がざらという状態でしたから。
理系でも社会科はフルに履修でした。必要単位が今と昔では違っていたのかもしれませんが……。
by hdk at 2006-10-02 22:26:02
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
わたしのいた高校はいわゆる主要科目(数学、理科、国語、社会)については選択もなくすべて必修でした。
#おかげで、社会、理科の全科目を勉強できました。
#皮肉でなくすごくいい経験だったと思います。
しかしそのかわりといってはなんですが、非主要科目については相当にいいかげんでした。
卒業後に聞いたところ、非主要科目については「指導要録と計画表については指導要領と矛盾のないようにしてくださいね。」ということで教育委員会はスルーなんだとか。
実際のはなし、「保健体育」(教科書があるヤツ)なんて日本全国見回してもちゃんと時間割組んでやっている高校なんてあるんでしょうか?(雨の日保健なんていいますし)
ここまで違法な状態が放置されていれば、仮に法令違反でも可罰性は阻却されるような気もしますが…
by いいじま at 2006-10-49 22:48:49
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
hdkさん:
私のところでは保健は1単位だったか2単位だったかだけでしたけど、
体育とは別にありましたよ。
保健の授業を受けた教室が2つ記憶に残ってたいるので2単位だったかも。
で、体育に関しては、剣道の授業をサボりまくっていた人が、
「剣道の出席日数不足で進級できないかも」と言われていた記憶があります。
(体育全体で80%以上出席していればいいと本人は思っていたらしいが、
体育科の運用は「剣道(1単位)だけで80%」となっていた)
でもウチでも、日本史を倫理に読み替えていました。
今は倫理も開講しているとのことですが、全員必修になっているかどうか…
(現代社会が今は2単位なんだからそっちをやればいいんではとは思いますけどね。
センター試験でほとんどの大学に現代社会が選べない状況は、地理歴史と公民が
分かれたときに解消されました。政経に絞りたい人は3年次に履修ということで。)
理科のほうは、今は物理1+化学1+生物1で理科総合に読み替えている、と
言っていました。
☆
本題、刑事事件にすべきかについて。今回の場合、影響範囲が大きすぎて、
刑事事件にするのは検察にとっては割に合わないでしょう。
「どこでもやってる」というのは現場の人間の間では公然の秘密でした。
裁判でそれほど重い刑が下るとは思えないし、一方で被告側としては共謀・共犯の
範囲の確定をめぐって徹底的に争うでしょうから、検察としては、よほど世論が
反学校側に向かない限り検察は動かないのではと思います。
むしろ、高卒資格を取り上げられると困る人はたくさんいますから
(だいたい、求人だって「高卒以上」が大半だ…この不況下に)、
むしろ「昨年度までに既に認定した卒業については有効とする」という
特別法ができるのではないかと考えています。
by みつを at 2006-10-57 06:16:57
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
しかし、何でいまさらこの話が表に出てきて、ものすごい問題になってるんですかね?
私立が学習指導要領をほぼ無視してたのなんて、ずっと前からだと認識してますが。
by apj at 2006-10-43 08:01:43
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
>本題、刑事事件にすべきかについて。今回の場合、影響範囲が大きすぎて、刑事事件にするのは検察にとっては割に合わないでしょう。
だからといって、犯罪であることが明白なのに何もしなかったとしたら、刑事訴訟法に違反しちゃいますよね。
>「どこでもやってる」というのは現場の人間の間では公然の秘密でした。
こういう、「現場からなし崩し」を正当化することを認めてしまうのはよくないんですよ。
>裁判でそれほど重い刑が下るとは思えないし、一方で被告側としては共謀・共犯の範囲の確定をめぐって徹底的に争うでしょうから、検察としては、よほど世論が反学校側に向かない限り検察は動かないのではと思います。
世論によって刑法の適用が変わる事態の方が、秩序の維持という観点からはさらに深刻ですよ。
そんなことを容認してはいけないでしょう。
by apj at 2006-10-35 08:24:35
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
みつをさん、
>しかし、何でいまさらこの話が表に出てきて、ものすごい問題になってるんですかね?
こう思ってる人は少なからず居ると思います。
まあ、履修単位が足りない位なら、大学に無事に通ってしまえばわからなかったり、就職してしまえば欠けている知識がとりあえずは必要なくてばれなかったりするケースの方が多いでしょうから、目立たないというのは事実です。
でも、「」しかし、何でいまさら……」「高卒資格を取り上げられると困る人はたくさんいます……特別立法を」というようなことを平気で言う人が出てきたということが、本当意味での社会にとっての弊害なんですよ。
「ルールを決めていても現場の勝手な判断で無視していい」「刑事責任を問われるだけのことをしても、みんなでやれば逃れられる」という認識を持った人間を広く養成してしまったわけです。しかも、高校生から大学あたりの時期にそれを「肌感覚」としてたたき込んでしまったわけです。法治国家の構成員を育てるという点からみれば、明らかにまずいでしょう。
by 越後屋遼 at 2006-10-27 18:16:27
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
>「保健体育」(教科書があるヤツ)なんて日本全国見回してもちゃんと時間割組んでやっている高校なんてあるんでしょうか?
私の母校は授業もやってたし、中間・期末には試験もありました。
>高校生から大学あたりの時期にそれを「肌感覚」としてたたき込んでしまったわけです。
これにはやや異論。
当事者である高校生は、そこまでの意識や想像力すら無縁なのではないか?
たとえば、自分たちの目の前で「大人が平気で赤信号を無視して横断歩道を渡る」とか「たばこの吸殻をポイ捨てして、しっかり踏んで火を消すこともしない」などの、「悪いことだよな」という知識のある件に関してのケースなら、それは言える話なんだけど。
今回のケースは「悪いことと認識していた大人は多い」としても、生徒が知っていた割合は低かったのではないかと想像しますが。
それと、「何をやったら刑務所に行くことになるのか」の他に、もっと基本的なこととして「法治国家はたとえその法律を知らなくても処罰される」のだということは教えなくてはならないでしょうね。
by 越後屋遼 at 2006-10-34 18:20:34
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
自己レスです。
×私の母校は授業もやってたし、中間・期末には試験もありました。
○私の母校は時間割を定めて授業もやってたし、中間・期末には試験範囲を公表して試験もありました。
by ひご丸 at 2006-10-09 18:44:09
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
私の高校も保健の授業と試験がちゃんとありました。
後年になってこの話をすると、保健=性教育と短絡的に考えてニヤニヤする者もいたりするのですが、とんでもない、私らのところでは、労働安全衛生法がどうとか、内臓の名前と働きとか、そんなところまでみっちりと勉強させられました。
今だったら、生徒からブーイングが飛んできそうですが。
今回の事態も、結局は学校が生徒に対してへつらった結果という面も多分にあるでしょう。
今回の件は、筋を通して的確に処理されれば(救済措置が取られないなど)、社会に対するいい薬にはなり得ると思います。
by ひご丸 at 2006-10-09 18:44:09
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
私の高校も保健の授業と試験がちゃんとありました。
後年になってこの話をすると、保健=性教育と短絡的に考えてニヤニヤする者もいたりするのですが、とんでもない、私らのところでは、労働安全衛生法がどうとか、内臓の名前と働きとか、そんなところまでみっちりと勉強させられました。
今だったら、生徒からブーイングが飛んできそうですが。
今回の事態も、結局は学校が生徒に対してへつらった結果という面も多分にあるでしょう。
今回の件は、筋を通して的確に処理されれば(救済措置が取られないなど)、社会に対するいい薬にはなり得ると思います。
by 越後屋遼 at 2006-10-26 19:02:26
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
うちも年間35時間のうち、性関係は2時間程度だったと思います。「健康」とか「救命」とかが内容としては大きかったと思います。
>結局は学校が生徒に対してへつらった結果という面
「PTAに」じゃないかと想像するのですが、その辺は明らかになってませんね。
生徒がブーブー言ったからってなかなか学校に意見は通らないもんだろと思うし、親御さんからの要望とかが学校を動かしたんじゃないかと思いますけど。
by エディ at 2006-10-36 01:20:36
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
私立中高一貫校が、先取りで高校の内容(教科書)を中学で教えることは、学習指導要領に反することにならないのかな?
例えば中3で、高校の数学Iや数学Aを終わっちゃったとすると、高校の通知表・学籍簿・調査書に載る数学I・数学Aの成績って何?
by 越後屋遼 at 2006-10-41 04:56:41
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
エディさんへ
よく知らないんだけど、中高一貫の私立校の高一の通知表に、数学とかの項目はあるんだろうか?
てゆか普通に中3の通知表ぼ方にありそう。
詳しい人情報キボン。
でも途中で一貫校に転校してくる生徒って(いるかどうかもわからないが)どうなるんだろうという疑問も。
by いいじま at 2006-10-52 08:39:52
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
> でも途中で一貫校に転校してくる生徒って(いるかどうかもわからないが)どうなるんだろうという疑問も。
ウチのところでは高等部から入ってくるのが1クラスいます。その人たちは夏休みに補修をやってキャッチアップして、数学IIIをやるかやらないか選ぶ段階で、中等部から上がってきた人と合流します。
by いいじま at 2006-10-51 09:38:51
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
えー、まずapjさんに確認したいのですが、今までこの様な不正が行われていたということを、今回の報道ではじめて知ったのでしょうか? それとも、以前から知っていたのでしょうか? こういった不正は、さすがに5科目不足という学校はやりすぎだと思いますが、1~2科目程度のものは日常的に行われていて、教育関係者の間では繰り返しますが公然の秘密でした。すでに、不正が判明した学校は400を超えています。
現に私も、実際には日本史を履修したのに書類上は倫理を履修したことにして卒業しました。政治経済はきちんと履修しましたから、当時の指導要領どおりであれば、倫理か現代社会を履修しなければいけなかったことになります。(現代社会 or 倫理+政経 の選択必修。これは今も同じ。)芸術も私は音楽2単位だけですから、未確認ですがもし美術も必修だったとしたらそれも欠けていることになります。(芸術は私の学年では音楽・工芸・美術・書道のどれか1つだけ選択。)
で、刑事手続きについてはapjさんは専門外のようにお見受けしますが、日本の刑事手続きの重要なポイントの一つに起訴便宜主義というのがありまして、捜査した結果、裁判にかけてまで制裁する必要がないと判断されれば、検察官の裁量で不起訴にできます。個人相手の犯罪だと、「すでに示談が成立しているから」「すでに解雇などの社会的制裁を受けているから」というのが新聞の常套句ですね。
(国によっては、全件起訴主義で検察官の裁量不起訴を許さないところもあります。日本でも少年審判についてはそうです。また、不起訴と無罪判決とは違いますから、いちど不起訴になっても後で蒸し返されることもありえます。)
今回の場合、それぞれの案件で証拠を集めて、共犯者の範囲を確定して…と1件を立件するために必要なマンパワーは大型経済事件(ライブドアとか)並の大規模なものになります。それを全国で400件も抱えたら検察の機能はパンクします。それでいて、結果は「すでに社会的制裁を受けているので不起訴」か、あるいは起訴にまで持ち込めば99%有罪ですけどせいぜい罰金か、どちらかです。それでも全員を略式起訴で「処理」できれば御の字で、「自分は共謀していない」と10年がかりで争う人が必ず出てきますから、かなり体力を使う割には、全く報われない仕事です。
もちろん検察の費用は国民の血税です。罰金・没収品で独立採算経営しているわけではありません。そんな事態は私から考えれば「税金の無駄遣い」です。そんな無駄なことに使う金があるいなら、予算不足でヒイヒイ言っている現場へ回せ、と言いたくなります。
それから、刑事手続きは制裁や報復ではなく抑止と更正が主目的(少なくとも建前上は)であるということをお忘れなく。制裁・報復目的であれば、過失致死の法定刑は死刑でなければなりませんよね?
ところで、罰金の確定判決で公務員は失職しないはずですよね?だとすると罰金刑は抑止力になりません。損失額が少なくても減給処分のほうがよほど響きます。
by いいじま at 2006-10-53 09:45:53
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
> 世論によって刑法の適用が変わる事態
ところがこれは現実に起きているんですよ。起訴便宜主義と検察審査会制度があるので、いったん不起訴になった事案が起訴されるということはたまにあります。
それに、ここの意図とは違うかもしれませんが、裁判で出た刑が軽すぎるという世論(大抵はマスコミが煽るんですが)で刑事関係の法律の条文が変わるのは、これもよくあることです。危険運転致死傷罪の成立経緯を調べてみれば分かります。
by いいじま at 2006-10-39 10:07:39
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
連投失礼。書いてから気がつきましたが、有印公文書偽造は罰金を選択できないので、本気で起訴するとしたら落としどころは執行猶予ですが、こうなると公務員は欠格事項に該当して失職ですね。それは刑として重すぎるし、検察側としても1件ずつ、場合によっては一人ずつ口頭弁論を開かなければいけなくなりますから、裁判所もパンクします。
by pasteur at 2006-10-29 15:16:29
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
私は関西にある某私立中高一貫校(報道されている東大寺ではない)の卒業(1996年3月)ですが、理科も社会も全科目履修でした。いわゆる副教科も一応やったはずです。
科目のゴマカシなんざ、変に受験づいてしまって余裕のない公立校の悲劇かと思っていたのですが、最近になって、私立の例も出てきているようですね。
しかし社会なんかは、広くやっておいたほうが受験の上でも何かと有利だろうと思うんだけど、そういう視点もなかったんでしょうかね。
by (ぱ) at 2006-10-14 19:30:14
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
>「ルールを決めていても現場の勝手な判断で無視していい」
これが「原則的には」よろしくないことだというのはわかっちゃいますが、正直、私だってそういう意味では潔白ではないし。
直接的な被害者がいないのなら、そんなに大騒ぎするほどのことではないのでは? と私は思います。
ルールがギチギチに運用される社会はそれはそれで住みにくそうなので。
by apj at 2006-10-38 22:59:38
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
>ルールがギチギチに運用される社会はそれはそれで住みにくそうなので。
運用できないルールは、ルールの方を変えるべきですよね。
by apj at 2006-10-11 23:30:11
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
>今回の報道ではじめて知ったのでしょうか? それとも、以前から知っていたのでしょうか? こういった不正は、さすがに5科目不足という学校はやりすぎだと思いますが、1~2科目程度のものは日常的に行われていて、教育関係者の間では繰り返しますが公然の秘密でした。
だから?したことを正当化する理由にはなりませんよ。
>刑事手続きについてはapjさんは専門外のようにお見受け
訴訟法の基本書程度は読んでから書いてます。ソレで足りないというのなら、法律の議論ができなくなります。
起訴便宜主義位は言われなくても知っています。現実問題として、マンパワーを要求しすぎることもわかっています。
でもね、報道を見ている限りでは、あまりにも罪の意識がなさ過ぎるのね。生徒側も教員側も、「入試対策のつもりだった」「ちゃんと履修した生徒と不公平が生じる」なんて話ばっかりで。欠格事項にあたるという認識すら多分なかったわけでしょ(認識があればそんなヤバいことはしないはず)。ですから、本来は刑事手続きでやるべき話だということをあちこちで言い続ける必要がありますね。
>刑が軽すぎるという世論(大抵はマスコミが煽るんですが)で刑事関係の法律の条文が変わる
ここにその話を出すのは意味不明です。文書偽造の刑が軽いか重いかは問題にしていません。
by apj at 2006-10-32 23:34:32
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
(ぱ)さん、
>正直、私だってそういう意味では潔白ではないし。
と、何でも一緒にするのはよくないです。重大なことと軽微なことを同列に並べようとするのは、むしろ詭弁ですよね。
まあ、(ぱ)さんが、刑法に引っ掛かる上懲役刑に該当するようなことについて「潔白ではない」というのなら、そうおっしゃっても構いませんが。
現実には軽犯罪法なんてのもあるわけで、読んでみればわかりますが、普通に生活していてもついうっかり引っ掛かることが無いとは言いません。でも、それと、故意に行われた文書偽造は違いますよ。
by apj at 2006-10-53 02:04:53
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
>1~2科目程度のものは日常的に行われていて、教育関係者の間では繰り返しますが公然の秘密でした。
H14年に、兵庫県の県立高校で未履修が発覚してますよね。で、きちんと指導が入ったはずです。ですから、H14以前ならば、「公然の秘密」であっったかもしれませんが、これ以降は違いますよね。
で、普通であれば、それまではこっそりやっていたとしても、「兵庫でたくさん違反が見つかって問題になったよね。ウチも似たことをしてるけどまずいよね。早急に改めよう」となるはずですよね。同じ業界内であれば、当然伝わるはずで、知ってる筈の情報です。ところが、それ以後も継続的に違反を繰り返した結果が今回の騒ぎです。行政的な手段だけでは、何の抑止力にもならないということが証明されたわけですよ。
今度は可能な限り刑事責任を問えと言うしかないでしょ?現実にできるかどうかはともかく、刑法に引っ掛かっているという自覚も無いのでは、法治国家として問題ありすぎですよ。
by 氷村 at 2006-10-02 03:54:02
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
私の母校は中二で中学の範囲を修了、高二で高校の範囲を修了という所謂進学校でした。
当然、通知表はその時点での成績を記載しますので、内容は越後屋遼さんの想像通りです。
外部に提出する書類には、履修当時の成績を記載すれば通ったのでしょう。
高等部は受験絡みの英数理国社は完全にカバー、非主要科目も一応授業はありましたけど、
問題なのは中等部で、技術は教科書だけ購入して授業も通知表の記載も一切無しでして。
当然、技術の教室や設備などという物は存在せず、外部監査が入れば一発でアウトです。
今回のケースで中等部に対しても厳密な法適用がなされた場合どうなるかというと・・・
つまり、俺達は義務教育すら修了していなかったんだよ!!
ΩΣ ΩΩ な、なんだってー!!
・・・もしかしてこれは学歴不問のスキンヘッド軍団に入れという仏様の御導きでございますか?(‘A`)
by apj at 2006-10-25 11:26:25
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
氷村さん、
生徒は事実上自分で時間割を決められないわけで、このクラスはこれですよ、って先生が決めたものに従う他はないです。もし疑問に思う生徒が居たとしても「単位読替えするからね」「分けてやるけど実質範囲を履修するからね」とか先生から説明されちゃったら、納得しちゃいますよね(このあたり、事業者は消費者より知識を持っているはず、というのと同じことですね)。
だから、生徒の救済策を考えるのと同時に教員への処罰をしないといけませんね。
ところで、中高一貫の進学校で、カリキュラムを工夫すれば、全部の教科書を内容を履修した上に受験対策までやることは可能かと思います。また、到達度もそこそこいくでしょう。
カリキュラムを決めても運用がこのありさまなら、いっそのこと、大学入試とは別に、高校卒業資格試験をやるのがいいのかもしれません。今のセンター試験よりは易しい問題にするかわりに、高校の教科書の範囲(ここ重要、中学とは違わないと意味がないから)から出題し、試験の点数が悪ければ、高校が卒業認定しても資格試験で落とす。試験科目にに、必修で問題になっている世界史も入れておけば済むだけのことです。で、後は各高校の工夫で自由にやれ、の方がすっきりしそうですね。
by いいじま at 2006-10-27 18:05:27
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
なるほど。「実際に刑事処分しろ」ではなく「本来なら刑事処分相当だぞ」と言い続けるべき、とのことですね。ならば納得です。
でも、事の本質は「必修科目を履修させなかったこと」であって、「必修科目の未履修を隠したこと」ではないはずなのに、後者でしか刑事処分が下せないのは何か腑に落ちません。前者に対する制裁は、指導要領の法的位置付けが曖昧だということもあって、行政的なものにとどまらざるを得ないと思います。授業開始前に嘘のカリキュラム表を教育委員会に提出したことをとがめる(これも文書偽造だ)のも何となくピントがズレている気がするし…。
刑事処分に消極的な理由は他にもあって、「刑罰を科して教員を根こそぎ失職させたら、その学校が機能しなくなり、生徒にとばっちりが行くから」というのもあります。結果的に生徒にいちばん重い責任を負わせるわけで、これは社会正義に反するのではないかと。法を運用することが社会正義に反するのであれば、まずは法の枠内で最大限に回避の努力をする(今回の場合は不起訴にする)、それでダメなら特別法で乗り切るのがスジかと。
by apj at 2006-10-14 21:01:14
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
これは、逆に考えた方がいいと思います。
文書偽造がなぜ重い罪かというと、インチキで信用できない文書が世の中に出回ると社会が混乱するわけで、文書に対する社会的信頼が保護法益と考えられているからなんです。
指導要領は確かに法的位置づけが曖昧かもしれません。でも、日本では「どこの高校でもこれだけの内容を履修する」ということになっていて、そのことに対する社会的信頼だってあったわけです。高等学校までは教育内容を文部科学省が決めて、全国どこでも通用するという「信用」だって、社会的に守るべきものですよね。今回のはそれを裏切ったわけですから、刑法に直接ひっかかるのは文書偽造であったとしても、同時に社会の信用を裏切っているので、まあ妥当かなと思います。
>学校が機能しなくなり、生徒にとばっちりが行くから」というのもあります。
あまりに悪質なところは潰してもいいと思いますよ。兵庫の件があってこれですから。厳罰を課さないと目が覚めないのでは。
生徒の利益を強調するというのは、危険だと思います。利害団体が控えていればそれが圧力になって、事前に決まっている(ここ重要)法に違反してもいいという風潮が蔓延すれば、社会は崩壊しますから。
by apj at 2006-10-23 21:12:23
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
ところで、参考になるエントリに「酔うぞの遠めがね」の
「なれ合い型学級崩壊から考える」
http://youzo.cocolog-nifty.com/data/2006/week41/index.html
があります。ルール無視or特例で温情措置は、学級単位なら学級崩壊程度で済みますが、社会全体でそれを容認すれば、後々まで響く弊害をもたらすでしょうね。その方が、目先の救済よりもずっと「社会正義」に反するのではないですか。
多分、これでヘタな救済をやったら、今後も違反が続き、「あのときは認めたのに今回はなぜだめか」とごねる人が続出しそうですね。せめて、校長や主任など、管理職に対しては刑事罰を科す、あたりまではやってもいいかと。これなら、少なくとも今後校長がこの手のインチキを容認することはない(自分が懲役刑を喰らうリスクを引き受けてまでやるか?というと多分やらないだろう)でしょうし。
by tamtam at 2006-10-38 23:16:38
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
必修科目を履修した生徒が受験で不合格になったときに、卒業資格が無い生徒が受験して合格したのは違法だから合格を取り消して自分を合格させろと訴えた場合はどうなるんでしょうか?
高校卒業資格が無くても大学入試を受験できるのであれば“大検”なんてものの意味はないことになります。
by とおりすがり at 2006-10-17 23:28:17
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
いいじまさん
読んでいると、法律関係の知識に偏りがあるように思いますが、
ちなみに公文書偽造では無く虚偽公文書作成の罰則に問われるのではないですか?
今回のような事件は単純なもの、違反の証拠である時間割、時間割を作った人、あるいは責任者は明確(文書で残っているはずです)ですから、400件あっても大した仕事量にはならないでしょう。
>検察官の裁量で不起訴にできます。
起訴猶予のこと?検察審査会にかけられる不起訴とは違うと思います。
>刑事手続きは制裁や報復ではなく抑止と更正が主目的(少なくとも建前上は)であるということをお忘れなく。
刑事罰のことを言いたいのでしょうか?
刑事罰には応報主義的な要素も強くあります。教育主義的な要素が主という訳ではありません。更正が主目的であれば更正していない人を釈放できないですから、裁判で刑期を決めることができないでしょう。
apjさん
今回の問題で、成績証明書が虚偽公文書作成と同行使に当たるとの指摘はマスコミでも流れていて、大学の推薦入試の現場でも対応に苦慮されていると思います。山形大ではどうされているのでしょう?
ただ、これから虚偽公文書作成と同行使に問われないように学校や地方自治体が検討するのでしょう。
by とおりすがり at 2006-10-57 23:35:57
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
tamtam さん
>必修科目を履修した生徒が受験で不合格になったときに、卒業資格が無い生徒が受験して合格したのは違法だから合格を取り消して自分を合格させろと訴えた場合
卒号資格がなければ合格は取り消されるでしょうが、合格者を決めるのは大学の裁量権の範囲内ですから、合否判定で不合格者となった人が自分を合格させろという請求はできないと思います。
大学が自らの裁量で不合格者を合格とする場合はあると思います
by apj at 2006-10-56 23:42:56
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
>大学の推薦入試の現場でも対応に苦慮されていると思います。山形大ではどうされているのでしょう?
2006/10/30現在、当大学の方針はまだ示されていません。担当の入試委員の先生が、全学としてどうするのかを上に問い合わせている最中であると伝え聞いております。学科単独で対応するには裁量の範囲を超えるだろうというのが委員の見解です。
実際、私もここ2週間程度の間に、推薦に応募してくださいという営業活動を地元高校に対して行う予定です。その時、当然、未履修問題の扱いをどうするか示さなければなりません。大学としての統一判断が出ないと、教員個人の判断では動けない案件です。
社会秩序の維持と、責任の振り分け(実際にものごとを決める権限があった人が責任を負うべき)からすると、生徒の責任はゼロではないにしても少ないので、生徒には応分の履修負担をしてもらい、ズルをするとかならずツケを払わなければならないということを身を以て知ってもらい、先生には処罰を、というのがバランスの取れた解だと思いますが……大学がどうするというのとは別ですよねぇ。
by (ぱ) at 2006-10-59 11:25:59
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
>と、何でも一緒にするのはよくないです。重大なことと軽微なことを同列に並べようとするのは、むしろ詭弁ですよね。
その通りです。んで、多くの学校でさしたる罪の意識もなく行われてきたことなら、それは現場では「軽微なこと」と認識されていた、ということですよね。
>まあ、(ぱ)さんが、刑法に引っ掛かる上懲役刑に該当するようなことについて「潔白ではない」というのなら、そうおっしゃっても構いませんが。
どうなんでしょう。私自身は「軽微なこと」と思ってましたがもしかして懲役刑に該当するケースもあったかもしれません。どきどき。
とはいえ法治国家なら、現場の教師の感覚よりも方の条文を基準にすべき、という理屈はわからなくはないです。
だから、彼らが裁かれて懲役刑くらったとしてもそれは否定できないですが、正義の名の下に断罪する側にも回れないです。私は。
スピード違反でネズミ捕りに捕まった、と聞いたら、「そりゃ運が悪かったね」と思う自分が確かにいます。もちろん一般道で180km出してたってんならそんな奴はスピード違反じゃなく殺人未遂で捕まえて欲しいと思ったりもしますが。
by Enzo Romeo at 2006-10-21 19:08:21
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
>越後屋遼さん、氷村さん
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061028-00000099-mai-soci
私立茨城高校(水戸市)で、3年生の175人が世界史Bの履修不足に当たることが28日、茨城県の指摘で分かった。同校は中高一貫校のため、既に世界史Bを中学3年の時に履修しているが、県からは「高校の取得単位としては認めない」とされたという。
というニュースが。
by apj at 2006-10-23 20:24:23
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
>法治国家なら、現場の教師の感覚よりも方の条文を基準にすべき
やっぱり感覚が狂ってるんですよねぇ。
教員採用試験の時に法規も勉強するはずです。刑法をどこまでやるかは知りませんが、教育法規はやるはずだから指導要領違反がまずいコトくらいは判断できるはずだし、管理職になるときの試験でも教育法規はやるはず。さらに公務員なら、職に就く前に宣誓させられます。条例やら法律やらを守りますって内容のアレです。
なので、普通に法律系以外の大学を卒業して会社に就職したサラリーマンが、ついうっかり軽犯罪法レベルのところでひかかってしまって、警察官に叱られる、というのとは前提からして違うんですよねぇ。
by とおりすがり at 2006-11-01 02:58:01
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
>>法治国家なら、現場の教師の感覚よりも方の条文を基準にすべき
>やっぱり感覚が狂ってるんですよねぇ。
> 教員採用試験の時に法規も勉強するはずです。
20年位前に大学を卒業しましたが、同期の就職活動で一番コネや不公平を感じたのが、教員採用試験でした。
採用に関する裏情報、怪情報も多かったです。
そういう採用試験を通った友人達が、今や教頭や教育主事になっていて・・・・・
生徒には気の毒ですが、教師が普通の感覚を取り戻すよい機会かもしれません。
by 越後屋遼 at 2006-11-03 20:10:03
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
Enzo Romeoさん
これはつまり「中高一貫教育」自体がありえない、ってこと?
あくまでも6・3・3の区切りを超えて勉強しても単位として認められないということならば、そういうことになるよね。
これが茨城県の判断でなくて、全国の判断になれば、せいぜい出来ても1・2年で3年までの内容を履修して・・・が「関の山になる罠。
#某キムタクドラマ「HERO」で、「日本では検察官個人にそれが任かされるんですよ。これってすごくないすか?」という台詞があるんですが、このドラマでこのことを知った人って、すごく誤解しそうだなーと思ってました。
by Enzo Romeo at 2006-11-38 00:58:38
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
>これはつまり「中高一貫教育」自体がありえない、ってこと?
>
>あくまでも6・3・3の区切りを超えて勉強しても単位として認められないということならば、そういうことになるよね。
おっしゃるとおり、先取りを認めないなら、そうなっちゃいますね。単に高校受験がないだけ。
by いいじま at 2006-11-03 15:58:03
Re:高校の必修科目履修漏れ問題
結局、かなり甘い救済策で政治決着しましたね。ちょっと甘すぎではないかと思うくらい。(50時間で2単位を与えるなら、科目の足りないところは100時間くらいまでは補習を課せるはず。)
刑事的に腑に落ちないのは、国公立の学校と私立の学校とで、今回の同じ行為に対する処罰が大きく異なるということです。
国公立の場合は虚偽公文書作成になって選択刑に罰金がないから有罪が確定すると(=起訴まで持ち込まれると99%)執行猶予刑が出て地方公務員法・国家公務員法の規定により失職します。
しかし、私立高校の場合は罰条が有印私文書偽造になって刑が甘くなり(いまケータイなので刑法を確認していないのですが、そもそも私文書偽造すら成立しない?)、たとえ均衡のために執行猶予がついたとしても自動的に失職にまでは至らないという点です。有罪判決で教員免許の効力が停止するわけではないのでそのまま教壇に立ち続けても法的には問題ないし、人事権は校長なり理事会なりにあるので、最大限重く処分するとしても復帰を前提にした停職が相場でしょう。
私立学校の各種証明書類作成を公務と見なす、という規定なんて、どこかにありましたっけ?
公立は私立の範となれ、だから何かあったときの処分(刑事・行政とも)も私立より重くする、というコンセンサスは今の社会にはないと思うので、これは法の假疵といってよいかと。それを補う措置としては、一律起訴猶予にするしかないかと。
ちなみに、ほとんどが「私立」である公認自動車教習所の場合、技能検定はみなし公務で、不正に合格証明書を出すと公務員と同様に虚偽公文書作成に問われますし、悪質な場合には行政処分として検定員の資格剥奪もありえます(検定員の資格要件は道交法・道施行令あたりに書いてあるはず)。実際には教習所に対する一部業務停止命令で済ますのが定番のようですが。