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やっと完治

Posted on 1月 16th, 2007 in 倉庫 by apj

 本日は病院行き。足首のX線写真を撮って問題無いことを確認、まだ若干腫れてるとかダッシュはちょっと……というのはあるが、一応完治ということになった。結局2ヶ月半かかったことになる。

不二家の不祥事はかなり残念

Posted on 1月 14th, 2007 in 倉庫 by apj

 既に酔うぞさんのところが報道を追っている(2007.01.12、2007.01.14のエントリ)から詳しくは書かないが、消費期限の過ぎた牛乳を使ったり、細菌検査に引っ掛かった商品まで販売し、さらにそのことを隠蔽しようとしたことが発覚して、小売企業が不二家の商品を撤去しつつある。まあ、「どう考えても、隠蔽工作をするような会社の品物は信用できないと思うのが普通」(酔うぞさん)というのは全くその通りなのだけど……個人的には不二家に対して好感を持っていたので、今回の不祥事は残念である。
 修士の頃のバイト先の1つが、不二家だった。販売じゃなくて商品開発のアンケートのバイトをしていた。アンケートに答えるのは現役女子高生で、大学生は、集めた高校生にアンケート用紙やお菓子を配るのが仕事である。同じお菓子で、若干レシピの違うもの(見た目は区別つかない)を配って、比較してもらうというものだった。例えば、ミルキーだと歯にくっつきやすさの違うものを作って食べた時の感じを比較してもらう、といったことをしていた。同じミルキーでも継続的に改良がなされているという話だったので、こういう地道な努力をして商品を作っているのだと思い、まあ、いい印象を持っていた。
 今回の不祥事は、そうやって積み重ねてきたものを全部ぶちこわしにしてしまっている。期限切れのものを使ったり検査不合格が出た時点で公表、必要なら回収して、再発防止策を説明していれば、損害は該当する製品の分だけで済んだと思うのだが、どうして隠せると思ってしまったのだろう。

情操教育w

Posted on 1月 13th, 2007 in 倉庫 by apj

 お茶の水大の名前が出てたので読んでみたら突っ込まずにいられなくなった。元記事はこれ

小学校で飼育する動物の世話を経験した子どもは、バスや電車でお年寄りに席を譲るなど
思いやりの気持ちが強まることが13日、お茶の水女子大大学院の研究者グループの調査
でわかった。グループは「命の大切さと向き合う動物飼育が心の成長に好影響を与える
ことが裏付けられた」と分析。東京都文京区の同大で 14日開く「全国学校飼育動物研究大会」
で報告する。

同大の無藤隆・客員教授(発達心理学)らの研究者グループがまとめた。

都内11校の小学4年795人を2つのグループに分類。乗り物で高齢者と居合わせたときなど
暮らしの様々な場面を想定し、自分の行動を「きっと譲る」「たぶん譲る」「譲らないかも
しれない」「譲らない」の4つの選択肢から選ぶアンケートを実施した。

いずれのグループも動物飼育していない2005年3月時点で意識を調べ、翌4月以降、飼育
した6校(467人)と飼育しない5校(328人)に分類。1年後同じ質問を設定し、回答の変化を
分析した。

 動物ったっていろいろあるだろうと……。
 私が子供の頃、鶏を譲ってもらって家の庭で飼っていた。まだ幼稚園に行くか行かないかの頃である。親の狙いは、この研究と同様に私に対する情操教育だったらしいのだが、鶏の素性に問題があった。軍鶏のハーフだかクォーターだかで、やたらと乱暴で気が荒かったのだ。子供のことだから、最初は遊びたくて鶏の後をついて回った。ところが鶏の方は「追いかけられている」と解釈したらしい。間もなく、「逆襲する」ことを覚えた。つまり、飛び蹴りとか嘴でつつくとか。親の頭の高さくらいまではジャンプして蹴りをかませるわけで、子供相手なら楽勝だわな……。私の方は、鶏と遊ぶためにはまず「反撃する」を覚えないといけないことになった。要するに、怪我しない程度に先に実力行使するということである。家に帰ったらまず鶏と一戦やるのが日課になってしまった。おかげで、ある時期までは、ケンカになったら先にぶん殴れ、ってのを体で覚えたわけだが……。一体ウチの親は子供に何の訓練をさせたかったのだか、今もって謎である。

アテにならない情報の取り扱い……?

Posted on 1月 12th, 2007 in 倉庫 by apj

2ちゃんねる閉鎖騒動。教材に使えるかもしれないのでちょいと貼っておく。
 スレのトップは報道記事の引用で、

12日午前、仮差し押さえを申し立てたのは、西村氏に約500万円の債権を持つ東京都の会社員の男性(35)。男性は2Ch上で自身や家族の実名、住所を晒され、「人間の屑」「ネットストーカー」などと中傷されたため、昨年8月、西村氏を相手取り、東京地裁に書き込み者の情報開示を求める申し立てをした。

西村氏が出廷してこないまま同9月に開示を命じる仮処分が出たが、何ら対応が得られないため、間接強制で1日5万円ずつ制裁金を科すこととなった。それでも西村氏の法廷無視は続き、決定から100日を経て債権は500万円に膨れあがった。

 で、これについて、当の2ちゃんねるでは、申し立てを行った人物として、

東京都会社員
塩沢俊平(35)
文京区 東急ドエルアルス根津
東京都文京区根津2丁目
塩沢こと鶴田俊平は文京区根津在住。

と書かれている。ここから、本当のところがどうなっているかを(合法的に)確認するには何が必要か、ということが問題。
 まず、ソースがそもそも2ちゃんねるだからw、こんな人物や住所が実在するかどうかすら不明、という前提から出発することになる。
 すると、多少は信憑性が高いのは報道の文章の中身なのだが、それにしてもヘンな内容である。
 新聞報道が大間違いなのかもしれないが、法律の運用として果たしてこんなことがあり得るのか?という部分で引っ掛かっている。
 私も、名誉毀損訴訟の準備として、発信者情報開示の手続きを裁判所でやったことがある。根拠条文は「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(通称:プロバイダ責任制限法)になる。これで争った場合、訴える側は、発信者情報を開示してもらうことが目的となる。ところで、プロバイダのログは膨大であり、一定期間で消去するという運用がほとんどと思われるが、訴訟には時間がかかる。何もせずに開示を求めて争った場合、「開示せよ」との判決を得たとしても、既にログが通常の運用のもとで削除された後だった、ということになりかねず、これでは争う意味自体が無くなってしまう。これを防ぐのが仮処分申請である。裁判所には次のような文書を提出した。提出先は報道と同じ、東京地裁である。

発信者情報の消去を禁止する仮処分命令申立書
平成○年○月○日
東京地方裁判所民事部 御中

当事者の表示 別紙当事者目録記載の通り
仮処分により保全すべき権利 発信者情報開示請求権

申立ての主旨
債務者は、別紙発信者情報目録記載の情報を消去してはならない

申立ての理由 
第一 当事者ら (以下略)

といったものになる。発信者情報を開示すべきかどうかはあくまでも裁判(本訴)によって決めることであり、仮処分でできるのは保全だけである。そうである以上、「開示しろ」という内容の仮処分をもし裁判所が認めてしまったら、事実認定の上判決によって開示か不開示かを決めるべきところ、裁判に拠らずに結論を出したことになってしまう。しかも、報道のケースでは制裁金まで科していることになっている。発信者情報開示請求による仮処分申請で、「開示せよ」が仮処分の内容になることはあり得ないのではないか。本当に裁判所が報道通りの運用をしたのだとしたら、そっちの方が法治国家の裁判所としては実は大問題であろう。
 これが、判決まで出ていれば、制裁金が科されても問題はない(判決にそう書いてあればいい)。ただし、裁判所は高利貸しではないから、一日いくら支払え、というのが「開示する」という行動に対して出されることはないのではないか。遅延金のようなものを上乗せするとしたら、損害賠償の額と支払い期限が確定した場合に、支払いが遅れたら「法定利息」を上乗せせよという形でだろう。あるいは、分割払いするときは法定利息を……といったものになる。
 私は、てっきり判決が出た後の話だと思ってスレを見ていたのだが、元記事を見て逆にびっくりした。プロバイダ責任制限法の立法主旨を無視するようなことを裁判所がやった、という内容に読めるからである。
 2ちゃんねるの方はスレが立ちまくって、まあ完全に祭り状態だが、報道が正しいのだとすると、単なるネタあるいは釣りに見えて仕方がない。

 関連条文。民事保全法。仮処分の手続きは、あくまでも本案の訴えを起こすことが前提であり、一定期間内に本訴を起こさないと保全自体が取り消される(確か三ヶ月以内だったと思うがうろ覚え)。

第二十三条  係争物に関する仮処分命令は、その現状の変更により、債権者が権利を実行することができなくなるおそれがあるとき、又は権利を実行するのに著しい困難を生ずるおそれがあるときに発することができる。

(本案の訴えの不提起等による保全取消し)
第三十七条  保全命令を発した裁判所は、債務者の申立てにより、債権者に対し、相当と認める一定の期間内に、本案の訴えを提起するとともにその提起を証する書面を提出し、既に本案の訴えを提起しているときはその係属を証する書面を提出すべきことを命じなければならない。
2  前項の期間は、二週間以上でなければならない。
3  債権者が第一項の規定により定められた期間内に同項の書面を提出しなかったときは、裁判所は、債務者の申立てにより、保全命令を取り消さなければならない。
4  第一項の書面が提出された後に、同項の本案の訴えが取り下げられ、又は却下された場合には、その書面を提出しなかったものとみなす。

 とにかく、開示請求→ひろゆき無視→名誉毀損等でひろゆきに損害賠償請求(提訴)→勝訴判決→ひろゆき賠償金払わず→強制執行、差し押さえ、とか、開示請求→ひろゆき無視→開示請求の本訴→勝訴、判決には遅延した場合に金払えと書いてある→それでもひろゆきが無視→強制執行、差し押さえ、のいずれかならまだ話はわかるが、報道の記事では何が何だか意味不明である。また、本案判決に基づく強制執行なら、仮処分でどうこうする余地は既に無いはずだが……。

【追記】
条文見つけた。

(間接強制)
第172条 作為又は不作為を目的とする債務で前条第1項の強制執行ができないものについての強制執行は、執行裁判所が、債務者に対し、遅延の期間に応じ、又は相当と認める一定の期間内に履行しないときは直ちに、債務の履行を確保するために相当と認める一定の額の金銭を債権者に支払うべき旨を命ずる方法により行う。
《改正》平15法134
2 事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより、前項の規定による決定を変更することができる。
3 執行裁判所は、前2項の規定による決定をする場合には、申立ての相手方を審尋しなければならない。
4 第1項の規定により命じられた金銭の支払があつた場合において、債務不履行により生じた損害の額が支払額を超えるときは、債権者は、その超える額について損害賠償の請求をすることを妨げられない。
5 第1項の強制執行の申立て又は第2項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
6 前条第2項の規定は、第1項の執行裁判所について準用する

 間接強制なら、支払いは債権者に支払いを命じることになるが……。いずれにしても強制執行するには判決が必要だから、ZAKZAKの記事が意味不明であることに変わりはない。

やっと雪だ……

Posted on 1月 11th, 2007 in 倉庫 by apj

 今年は暖冬だったが、やっと雪が降るようになった。自転車では危険なので、バス通勤に切り替えた。で、バス通勤だと、大学近くの停留所か、少し歩くが買い物もできる街中(本町)で降りるかする。前にも書いたが、本町の停留所前にシベール・カフェという、パンとケーキの店がある。ラスクで全国展開して有名だが、ここのスイートポテトケーキはなかなかおいしいので、もし山形に遊びに来る機会があったら試してみてほしい。東京だと、松蔵のスイートポテトがデパ地下に入っているが、十分勝負できる味を山形でもがんばって出しているので……。

大人の科学

Posted on 1月 10th, 2007 in 倉庫 by apj

 前から気になっていた「大人の科学」のスターリングエンジンの号と、ゲルマニウム鉱石ラジオの号が生協にあったので即買い。でも本業の実験があるからすぐには手出しできない。来年は熱力学を教えることになるしなぁ……。

TeXの本2冊

Posted on 1月 9th, 2007 in 倉庫 by apj

 「LATEX 2ε 美文書作成入門 改訂第4版」を入手。新版が出たので買ってみた。付録のCD-ROMに、Mac用teTeXがついているが、ソースがUTF-8でも通るものなので、今後を考えると便利かと。インストールも手軽にできる。パッケージの使い方を調べておかないと。
 卒論の追い込みを開始した(はず)の学生さんには、「(一週間でマスターする)LATEX 2ε」を買って配置。

CDエクスプレスラテン語が面白い

Posted on 1月 6th, 2007 in 倉庫 by apj

 白水社のCDエクスプレスといえば、語学の実用的な参考書で、各国語で出ている。その国で生活しているときにありがちな会話を例にして、単語や文法を学びつつ、CDを聴いて練習しようというコンセプトで作られたシリーズである。たとえば、手元の現代ヘブライ語だと、「コーヒーにする?紅茶にする?」といった会話や、「どこでコンピュータを修理できるか知っている?」「トマトを二キロください」といった、生活密着型の例文が出ており、イスラエルに行った臨場感を味わえるようになっている。
 これが、ラテン語になるとどうなるか。

「あなたは旅行者ですか?」
「そうです。昨日ローマに来ました」
「何が見たいですか?」
元老院議事堂を見たい」

となる。

「公衆浴場に行かないか?」

現代の日本で口に出したらほぼ確実に風俗の話だと思われそうだ。

「世界中でどの都市が最も豊かだろうか?」
「もちろん、ローマさ。ローマほど栄えている都市はないよ」

確かに紀元前のあたりはその通りだわな。

「ところで、ぼくは新しいトガがほしいんだ」

トガってのは、ローマ市民が着用する白い上衣のことである。さらに

「これは、何て盛大な行列なんだ」
「ユーリウス・カエサルが凱旋式を行っているんだよ。凱旋車に乗っている月桂冠をかぶった将軍がカエサルさ」

とか、

「試合場では剣闘士たちがみな元首に向かって整列した。何をするのだろう?」
「元首が彼らから挨拶を受けるんだ。彼らのある者は勝利し、ある者は傷つき、ある者は殺されることになるだろう」

今なら人権問題発生だが、古代ローマ基準では問題無し。

「今日は学校に行きたくないな」
「どうして?」
「先生は、ウェルギリウスの詩を覚えてきたかどうか、ぼくに尋ねるだろう。ぼくは全く覚えていないんだよ」
「君が詩を暗唱できなければ、先生は怒って君をむちで打つよ

ローマの先生、厳し過ぎ。
 確かに他の言葉と同様、生活している臨場感はたっぷりある。コンセプトは間違ってない。間違ってないんだけどさぁ……。これのラテン語を暗記してもいいけど、一体どんなシチュエーションで使うんだよその例文は。古代ローマにタイムトラベルでもしてくれと言わんばかりの内容がてんこ盛りで、語学の習得という本来の目的以外のところでツボにはまりまくった。

周期表

Posted on 1月 5th, 2007 in 倉庫 by apj

 Newton別冊「完全図解周期表」を購入。特大周期表ポスター付き。学生も社会人も楽しめる一冊だし、理科の先生必携じゃないかな。大学でも、パンキョーなんかやってると思いがけない質問をもらうことがあるので、この手の情報収集は欠かせなかったりする。

つか、インチキゲルマニウム健康法なんかに振り回されてないでこちらを読めと。

Buon anno!

Posted on 1月 1st, 2007 in 倉庫 by apj

 昨年はいろいろお世話になり、ありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 いやしかし、ネットはつないでるがテレビが無い年末年始って落ち着くなあ。いつ頃からか、年末年始特番の期間が妙に長くなって、見てもあんまり面白いものは無いしで、すっかり遠ざかってしまったのだが……。特番で映画なんかもやってることがあるけど、見たいモノがあればビデオやDVDを借りるか買うかするから意味がない。
 元日終わってみたが結局読書三昧で、DVDにはまだたどり着かないorz。