ラジオの電話取材があったので受けました
ラジオの電話取材があったので、今日の午前中は水の話をしていた。主なターゲットが年配の科学には詳しくない方だということで、以下のような内容を丁寧に話した。所属と肩書付きで出るので、大学教員としての営業活動の一環かなぁ。
・水は人間にとって必要だが「健康にいい水」は存在しない。一方、毒物や病原菌などが混入した健康に悪い水(安全でない水)は存在する。
・水関連の宣伝の9割は間違い。
・クラスターの小さい水がいい、というのはデマ。
・塩素殺菌は、感染症を防ぐために必要。使ったことによるメリットは大きい。一方、(水道水を)そのまま飲んでも寿命に及ぼす悪影響は小さい。例えば、タバコを止める方がずっと効果的。
・どうしてもカルキ臭が気になる場合は、蛇口のところにホームセンターで売っている数千円の活性炭入り浄水器をつけるか、氷水にしてレモンを一切れ浮かべて飲めばよい。
・高度処理水を提供している水道局のある地域では、水は基本的においしくいただける。
・井戸水については、場所毎に状況が違うので水質検査も含めた個別対応になる。
・還元=いいこと、ではない。人間の体の中では酸化も還元も起きていて、私達は生きていられる。二分法で善悪をわけてはいけない。
・活性酸素は必要。感染症と戦う武器である。もし本当に活性酸素を消去する水があったら、風邪引いた時に飲むと症状悪化は確実。現実にはそんな効果もないから、注意書きもないし、実際に飲んでも被害は起きない。
・「浸透性の高い水」は、もし本当にあったら危険。私達の体は、普通の水の性質を前提にして動いている。この宣伝をしていても、浸透性を測定しているものはほとんどない。実際には浸透性の高い水は存在しないので、飲んでも影響がない。
・そんなにミラクルな水があったら、とっくに普及している。今の混乱の状況は、ミラクルな宣伝に比して効果が無かったから起きている。消費者としては、即座に飛びつかずに判断を待ったってかまわないはず。そんなに効果のある本物なら、医者の管理のもとに使われ始めるはず。
・水は薬ではない。無理に健康にいい水というのを宣伝しようとするからフィクションになってしまう。
・安全な水、おいしい水で満足しましょう。
地方のいくつかの局で放送されるらしい。ラジオで喋るのには慣れてないので、日本語としておかしな部分があったら編集してくださいと伝えた(自分の講演の反訳を見て目が点になることが多かったり……汗)。
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