メディア・バイアス
松永和紀さんの新作「メディア・バイアス」を送っていただいた。今日届いたのだが、今日は朝から2コマ講義、会議、理学部イベントと多忙のため、なかなか読めない。それでも、目次といくつかの項目を読んだ限りでは、ニセ科学報道がどうやって行われているかということがよくまとまっている。来年度の講義の教科書か参考書に指定しても十分使えそうな本である。新刊なので本屋の店頭にあると思うので、ぜひ一冊買って読んで欲しい。
何となく実感がこもっていたのが、「フリーのライターの懐具合は……」という部分で、「努力して優秀な科学ジャーナリストを目指すより、トンデモ情報を垂れ流すライターになる方がはるかに”儲かる”、いや、そうでないと”食ってはいけない”のが現実なのです」というところ。研究者も同じで、怪しい商売に名前と肩書きを貸して、宣伝に登場する方が手っ取り早く儲かる(その代わり信用は落ちまくるが)。批判する側に居ると、クレーム対応の手間がかかるし業績にはならないし、直接の旨味は無いわけで……^^;)。
でもまあ、まともな科学ジャーナリストが居てくれないと困るので、そういう人達を支える仕組みを作れないものか。
ここからは旧ブログのコメントです。
by 柘植 at 2007-04-00 17:44:00
Re:メディア・バイアス
こんにちは、apjさん。以前、変なことを考えたんですね。JISjマークみたいな制度が作れないか?なんてね。
皆さん、もはや物を買うときに「JISマーク」の有無なんて気にされないだろうけど、私は小学校でJISマークを教えられ、「買うときには確認しなさい」と教えられた口なんですね。
JISマークというのは「つけないと売ってはいけない」とかでは無いんです。ただ、工業標準化法に定めた規定をきちんと守っている工場(JIS認定工場)の製品は「つけることができる」だけなんですね。ただ、私の子供の時の様に、削れども削れども芯が折れていくエンピツ(もともと中で折れている)などの不良品が幅を利かせている世界で「このマークがあると不良品は少ない」となったことで一時期は重視されたわけです。
なんていうかBPOとか協力して、「この番組、この記事は、ニセ科学(およびそれと紛らわしい物)では無い」といったマークでも付けることで、視聴者や購読者が「このマークがついているものを見よう、あるいは買おう」とする動きでもでたら良いななんて思うわけです。