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サンデー毎日が水素水を好意的に紹介している件

Posted on 4月 4th, 2007 in 倉庫 by apj

 サンデー毎日4月15日号に「松岡農水相の”ナントカ還元水”で話題の機能水「水素水」は体にいいか?」と題する記事が出た。水素水の効果を肯定的に書いているが、今の段階でこの書き方だと、インチキ宣伝を助長するだけの結果に終わるだろう。

一方で以前から飲用としての可能性も示唆されてきた。それを裏付ける科学的根拠として、電解還元水には有害活性酸素を消去する作用と活性酸素による遺伝子(DNA)損傷への防御作用があることを証明する論文も発表されている。

 白畑グループの細胞培養の実験のことだと思われるが、培養系で結果が出たからといって、飲んで何らかの効果があるかどうかはわからない。最近の平岡グループの動物実験の結果では、飲用しても目立った抗酸化作用は見られなかったという結果となっている。

 水素水については昨年3月に行われた「日本薬学会」で、県立広島大生命環境学部の三羽信比古教授らのグループが、新規の高濃度溶存水素水に抗がん効果と活性酸素抑制効果が認められるという研究成果を発表している。
 ヒトの舌がん細胞に通常の水と溶存水素の多い水を加えて培養したところ、通常の水ではがん細胞は増殖を続けたが、溶存水素の多い水では増殖が3分の1に抑制されたという。発がんの元凶と考えられる活性酸素が、溶存水素によって消去されたとの解釈である。

 これもまだ細胞培養の段階である。細胞培養の場合は、細胞外の環境が細胞膜を隔てただけで直接細胞に影響を及ぼすので、外の環境の違いに敏感である。一方、飲料水として摂取する場合は、水をそんなには飲めないし、単位細胞あたりの水素水の量を考えると、細胞培養で効果があったのと同じ条件が人間の体内で実現するとは到底考えられない。また、体内に入ってから目当ての細胞に到達するかどうかもはっきりしない。細胞培養の結果を根拠にして、飲用したときの効果を期待するのは間違っている。健康食品・グッズ関連の宣伝の多くが、量の違いを全く無視して行われているという現実があり、サンデー毎日の記事はこういったやり方を助長するものである。
 単純に分子状の水素が多く含まれた水が、試験管内で一定の抗酸化作用を示すことは事実だが、飲料水につかって意味があるかどうかとは別問題である。また、この記事では、水素の濃度や細胞に暴露した量など、定量的なことが何一つ出ていない。この記述をもって、直ちに、「がんに効くから水素水を飲もう」ということは、言ってはいけないことである。

一般にはあまり知られていないが、プロ野球や大相撲、トライアスロンなどで活躍するトップアスリートが水素水を愛飲してり、「疲労回復が早くなった」と、好評だというのである。

 インチキゲルマニウムブレスレットを流行させる片棒をかついだのが、この手のスポーツ選手達だったことをもう忘れたのだろうか。

 医療の世界にも、水素水の抗酸化作用に期待を寄せる医師がいる。兵庫県姫路市の入江病院の入江善一院長もその一人だ。
「水道水を入れたコップにクリップを入れたままにしておくと、2日でさびてしまいますが、水素水ならさびません。これは活性酸素を中和する働きがあるからで、水素は体のさび、すなわち老化や病気を抑える方向に働くと考えることができます。」

 高校の化学を勉強しなおしてもらいたい。ってか医者のくせに何でバカ健食業者もどきの発言をしてるんだよ。単に溶存酸素量の少ない水にクリップを入れただけでもクリップは錆びない。錆の話をするのなら、水素以外の気体がどれだけ溶けているかを言わないと何の意味もない。また、クリップが錆びないことと、水素水が人間に効くかどうかは全く別の話である。
 サンデー毎日のこの記事を鵜呑みにしてはいけない。

【追記】
マルチのナチュラリープラスが扱っている水も、この毎日新聞の記事の写真に登場している。肯定的な記事とセットになっているので、マルチの販促にこの記事が使われそうである。サンデー毎日の記事がマルチの販促に使われてもかまわないというのが、編集部の考えなのだろうか。

dtv-Atlas

Posted on 4月 3rd, 2007 in 倉庫 by apj

 この間の物理学会の物理教育のセッションに顔を出した時、後ろの方で何やら楽しげな本を出している先生がいらしたので、ISBNを教わって注文していたのが届いた。
dtv-Atlas Physik Band1, Band2の2冊。高校物理よりちょっと進んだ位(高専程度)の物理の全分野をカバーする図解で、左側がカラーの図、右側が解説になっている。このシリーズ、他にも出ていて図が実に教育的なので、エコロジーとか生理学とかいろいろ注文して届くのを待っているのだけど……いかんせん解説が全部ドイツ語だったり。辞書引きながら読んでいる。
 ところで、教養教育の第二外国語、理系の人間にはこういうネタを読ませることにした方が食いつきがいいと思うんだがなぁ。化学、生物学など一通り揃ってるから、生物系の人と数物系の人と物質・材料系の人位の3分割(医学部、農学部は生物系と馴染みがいいだろうし)で対応すればいいのに。
#私が学生の時は、リーディングのテキストが「オデッセイ」(こっちは英雄の冒険話だからRPGのノリで読める)だったりフロイトの書いたエッセーみたいなもの(日本語に訳したって何がいいたいのかさっぱりわからん)だったり。

サイゼリヤにクレーム

Posted on 4月 2nd, 2007 in 倉庫 by apj

 2日続けてクレームの話題になってしまってちょっとアレなんだけど……。
週末、東京に行った時、サイゼリヤの春の限定メニューのボンゴレのペペロンチーノを頼んでみたら、アサリの貝殻の細かい破片が全体に混じっていて、ガリガリいってちょっと食べるのが大変だった。モノがアサリだから、多少は貝の破片があったり、砂があったりするのは予想の範囲だが、一口ごとに破片が混じってガリガリなのは、ちょっと頻度として高すぎるだろうと……。それで、店の人に状況を説明したら、「今度はそんなことのないように自信を持って作ります」と、きちんと対応してもらえた。2回目に持ってきたものではガリガリなのは多少改善したが、二口に1回ガリガリいう程度にしか改善せず、やっぱり多い。こうなると、調理の問題ではなく、店舗にやってくる材料の工場加工の段階で殻を砕いてしまっているのではないか?ということになる。砕けやすい質の殻のアサリを材料にしてしまって、加工の方法と合ってないのでは?その加工法でもしスープを作れば殻のかけらは下に沈むし、貝のスープの最後の一口は大抵砂があったりするから客の方も飲まないしで問題は発生しないが、スープが無い上油まみれでパスタ表面にいろいろくっつきやすいペペロンチーノで使ったのがまずかったんじゃないか、とかあれこれ考えた。
 それで、サイゼリヤのお客様相談窓口の電話番号を調べて、店舗の対応もきちんとしていたことも含め、穏やかに状況を説明した。技術の方に伝えてくださいと頼んだので、まあ、そのうち改善するだろうと期待したい。

【追記】そういえば、昔ひいきにしていたイタリアンレストランでボンゴレのパスタをよく食べていたのだが、それはスープパスタで、結構なみなみとコンソメスープが入っていた。使っていたアサリの殻はかなりしっかりしていたが、スープにすると殻のかけらも砂も全部沈むから、食べる邪魔にならないという理由もあってそのメニューになっていたのかもしれない。クリームスープだと粘性が大きいから、なかなか殻や砂が沈まないが、コンソメスープなら大丈夫だろう。ということで、サイゼリヤには、来春の限定メニューにアサリのコンソメスープパスタを販売してはどうかと提案したい。

りそな銀行が受取手数料の負担申出を拒否した件

Posted on 4月 1st, 2007 in 倉庫 by apj

 先日海外送金のため、りそな銀行を利用した。金額は少額で40ユーロちょっとだった。窓口に行って、送金依頼書をもらって記入するとき、相手に額面通りの金額を渡すために、私が振り込み手数料と支払銀行の手数料の両方を負担すると言った。ところが、りそなの窓口担当は、支払銀行手数料は受取人負担でないと送金できないと言い張って、私が負担すると言っているにもかかわらず、用紙の受取人負担の欄にチェックさせた。その結果、相手が受け取る金額が足りなくなって、週明けにもう一回差額を送金することになった。振り込み用紙には、依頼人負担にチェックする欄もちゃんとあって、「依頼人負担にする場合は窓口にお申し出下さい」と書いてある。ところが、りそなの担当者は、手数料がわからないからできないと言い張って、依頼人負担にさせなかった。
 りそなの担当者が書類に書いてあることを無視してくれたおかげで、私は差額の数ユーロを送るのに、また何千円か手数料を支払うことになる。クソ対応をしてくれたりそなに、二回目の振り込み手数料を請求したい気分だよまったく。

 ってか、ユーロ圏の銀行に送金するのに、相手が過不足無くお金を受け取れるように手数料全部を送金者の負担にしてくれ、ってのはそんなに無理な要求か?最終的に指定した金額を相手が受け取れるようにするのが銀行業務ではないのか?それが出来ない振り込み手続きって、どこかに欠陥があるのでは。手数料情報くらい、普通は銀行間でやりとりしてるもんなんじゃないの?

 とりあえずりそなのウェブサイトからクレームを出したので、返事を待つことになるんだけど。

 みずほからbank transferで送金ときは、受け取りの手数料も依頼人負担にできたと記憶している。ちょっと高めなんじゃないのという手数料が上乗せされた記憶はあるが、それでも、後から足りないなんてことにならないための安心料だと思うと納得はできる。