ゲルマニウム水を取り上げて……
パンキョーの科学とニセ科学を考える、の配布プリント制作中。原子論の発展を例に、科学の本筋がどうやってあちこち関連しながら発達したかというあたりを説明し、いよいよニセの例をとりあげることにした。で、松岡農水相の件で今が旬のゲルマニウム(還元)水の宣伝をネタにしてみた。
前回、宣伝の一部を学生に配って、怪しいところと正しいところに波線とアンダーラインをしてみろ、と課題を出した。一応、危険だからこの内容を信じるな、とは念押ししておいた。明後日配るプリントの準備をしていたのだが、学生の感想に、宣伝内容を信じそうになったというのが結構出てきた。また、生物をやってないから不安だとか、知識不足が原因でニセをニセと見抜けないというコメントも出てきた。で、これに対して返事を書いているうちに、
・既に知っている知識だけでやりくりできるわけではない。
・それならどうやって確からしい情報に楽にたどりつくか。
・いい情報にたどり着いたってそのものズバリの答えなんか無いことの方が多い。
・知識が不十分な状態で「安全側に振る」判断をするにはどうするか、というのがニセ科学を見抜くポイントになるのでは。
といったことに思い至った。
全部知ってなくてもよいし、100点取らなくても良いけど、いくつか怪しい部分に気付いた時点で残りの信憑性もない、と判断するというやり方をどう見せればいいのか、ということで、私が調べた手順とか注目したところの資料を渡して、実際に跡をたどるという形で説明しようかと思っている。まあ、宣伝という「一番説得力を持たせなければいけない物」に変な内容が混じっている時点で、「残りは正しいかもしれない」などと読む側が弁護してやるというか勝手な期待を抱くのは只のはアホだということをどう伝えるかという話になるんだが。
- » Continue reading or コメント (0)