弁護士(=代理人)多すぎ
モトケンさんのところで書き込んでたら、やたら人数の多い弁護団の話になったので、こちらにメモしておく。弁護士数百人という弁護団の実例は?という私の疑問に対し、惰眠さんが最近の例として山本弁護士のケースがある、と回答してくださった。それを受けて私の投稿。
No.380 apj さんのコメント | 2007年10月11日 20:57 | CID 88988 (Top)
No.379 惰眠 さん
情報ありがとうございます。
http://www.mainichi.co.jp/universalon/narration/prt/10rtm137-400.html
によると「300人を超す弁護団が結成され、別に400人以上の弁護士が支援します。」とありますね。もはや「刑事弁護」ではなくて「ギネスに挑戦」の世界が展開している気がします。
まあ、アピールしたところで、提出する書面の枚数が弁護士一人の時の300倍になるわけじゃないだろうし、法廷には代表の何人かしか来ないだろうし、あとは傍聴席が弁護士で埋め尽くされる可能性があるってことくらいでしょうか。裁判所にとっても特に迷惑ということにもなりそうにない。
300人で弁論の書類を作る方が大変そうです。忙しい弁護士が顔を合わせるのはまず無理でしょうし、MLでやるとしても果たしてまとまるのかと……。300人というとウチの大学の一番大きい階段教室の収容人数ですぜ。出欠確認だけでも一仕事、打ち合わせは不可能だろうなぁ。
これに対して、法務業の末席さんからのレス。
No.383 法務業の末席 さんのコメント | 2007年10月11日 21:40 | CID 88998 (Top)
>No.380 apjさま横レスですが、ご容赦。
大弁護団ということなら、過去に甲山事件の差戻し控訴審で239名、しかも複数の日弁連の会長経験者や、名の知れた大物弁護士がズラリと勢揃い、という一種の「全日本選抜大弁護団」が結成された事例があります。
<以下参考までに>
ちなみにこの甲山事件の裁判、最高裁での無罪確定まで25年余りかかった殺人事件の裁判としては日本最長記録です。また、被告人は当初は不起訴でしたが、被害者遺族の申立で検察審査会が起訴相当の議決をしたため再捜査の上で起訴され、1審で無罪→2審差戻し判決→最高裁で差戻し支持→差戻し1審で再度無罪→2度目の2審で再々度無罪→検察が最高裁への上告断念と非常に複雑な経緯をたどりました。
また平行して事件を題材にした事実小説での名誉毀損の民事訴訟で被告が勝訴するなど、日本の刑事裁判史に残る事件です。この異例ずくめの裁判の経緯の裏には、被害者遺族の強い処罰感情と、被告人に対する厳しいマスコミの報道姿勢、更には無理な捜査と起訴をした検察の意地とメンツが複雑に絡み合っていました。この点、今回の光市事件にも共通する部分があると思います。
ちなみに、この甲山事件で被告人を取調べて自白調書を作成した検事は、その後退官して今枝弁護士と同じ広島弁護士会にて弁護士登録をしましたが、弁護士となってから当時の取調べと起訴にはかなり問題があったことを自ら総括して論文を書いています。
<冤罪甲山事件のHP>
http://www.jca.apc.org/kabutoq/<私説・甲山事件…真犯人は今いずこ…初動捜査に関与した一検事の感慨>
http://homepage3.nifty.com/akilaw/pdf/kabutoyama.PDF
何だか、冗談抜きで弁護士がギネスに挑戦したがってるようにしか見えないのだけど。
しかし、弁護士というとウルサ型の代表みたいな人達のうえに超多忙ときているわけで、二百数十人の弁護士が(技術的な意味で)どうやって意思の統一を実現したのかが気になる。今ならMLやら掲示板やらである程度楽にできるだろうけど、ネット普及前なんかどうするのかと。参議院の議員数とcomparableだぞ。共和制ローマの元老院も似たような数だったかと。
【追記】
関わってくる弁護士がやたら多い訴訟は?という意味で書いたので、民事の訴訟代理人と刑事の弁護人の区別が曖昧になっています。また、行政訴訟も入れてと考えていました。いずれにしても、弁護団が登場するような訴訟で、一体ギネス級は何人なのかというあたりが関心事なのです。
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