余剰博士問題:分かりやすい説明
5号館のつぶやきさんのところに、通りすがりさんが大変分かりやすい説明を投稿されていたので引用させていただく。なお、投稿は2つに別れていたが、読みやすくするため1つにまとめさせていただいた。
例えば100人の博士取得者とします,アカポスの求人が30人分あります.倍率の期待値は3.3倍になります.果たしてそうでしょうか?
この制度を始めて1年目は
1年目(求職者)新卒100人 PD0人 →アカポス30人,PD70人
アカポス就職率(30/100): 30%
2年目(求職者)新卒100人 PD70人→アカポス30人,PD140人
アカポス就職率(30/170) 17.6%
3年目(求職者)新卒100人 PD140人→アカポス30人,PD210人
アカポス就職率(30/240) 12.5%
....
6年目(求職者)新卒100人,PD350人→アカポス30人,PD420
アカポス就職率(30/450) 6.6%
....
9年目(求職者)新卒100人,PD560人→アカポス30人,PD630
アカポス就職率(30/660) 4.5%27歳で学位取得した人が33歳までポスドクを続けるとすると,毎年6.6%,36歳まで続けるとすると,毎年4.5%しか,アカポスに就けない計算です.これが現状なのです.
公募(倍率は数十倍,時には100倍を超える)に,1年間,出し続け,漸く15-20人に1人がアカポスに就く計算です.
(ここでのアカポスは,旧帝大とかではなく,地方の小さな私大や短大,国立,全てのポストを含めた確率です.)それを9年間続けると,期待値として,3人に1人がアカポスに就く状況なのです.9年間,何十回も公募に出し,落とされ,を繰り返し,不安定な身分で仕事を続けます.(精神的におかしくなる人もいます.)
その後は,任期付アカポス(契約職員と同じ)か,ベンチャー系の中小企業か,失業です.誰がこんな道を選ぶのでしょう?世間並みの人生設計がある暮らしが出来ないのです.
新聞社が運営するサイトにも,ポスドクの妻が書いた,生活不安の相談が複数出ています.科学の振興を本気で考えるなら、贅沢でなくとも人並みの生活が出来ることが必須です。
なお,上記の計算は,博士課程定員の3割程度のアカポス求人があると仮定し計算しました。現状は、博士課程の定員の2割以下です。一方、博士取得時に初めから企業を目指す人もおり、若干修正の余地はあります.それでも,かなり実感に近い筈です.
現実には、40歳近いポスドクも居るから、この試算の数字よりもさらに状況は悪いかもしれない。いずれにしても、博士号を取得した人100人のうち4人程度しか大学や研究所には就職できない状態を続けるわけで、その時残りの96人は、修士号をとって企業に就職したのと比べるとかなり不利なままになる。収入を得始めるのが何年か遅れるだけでも、生涯賃金としてその分を取り返すのは大変である。それでも、早めに就職活動してうまく企業に入った人はそこそこ食べていけるが、タイミングを誤ると日本の企業の採用慣行が邪魔をして、ワーキングプアへまっしぐらとなる。
身につけた専門を活かして食べていける人の割合が4%というと、近いのが法科大学院以前の司法試験の合格率である。平成16年度で3.4%だという数字が出ていた。弁護士の方も司法試験合格者数が急に増えたので、来年あたりから問題が表面化しそうだが、少なくとも法科大学院になる前の司法試験合格者であれば、ほぼ間違いなく法曹になれ(多くは弁護士)、弁護士の収入は一般的に見て日本の上位層であった。また、記念受験する人が混じっているという話もあったから、実質の競争倍率はこれよりも低かったかもしれない。
現状の博士後期課程というのは、
・専門を活かして食べていける可能性は昔の司法試験合格者並み
・運良く「合格」しても、収入は昔の弁護士とは比較にならないほど低い(半分以下)
ということになる。若者が頑張る対象としては、大学院重点化後に博士を取得して研究者を目指すよりは、司法試験合格を目指して努力するほうがよっぽどマシだったということになる。まあ、弁護士の方も、合格者数急増で近々問題が発生しそうではあるので、これから選ぶ道としてはよく考えた方がいいかもしれないが。
いずれにしても、これから博士後期課程に進学しても「研究でやっていける可能性は(毎年)4%、就職は博士前期に比べてよくて同程度か、大抵は圧倒的に不利」という未来が待っている。上記の通りすがりさんの試算のようなこと、つまり「毎年の博士取得者の2割程度はポストがある」といったことを指導教員が言ったとしたら、それは何も分かっていないか、意図的に学生を破滅に導くために騙しているかのどちらかだと思うべきである。
【追記】
大「脳」洋航海記さんのところで、「ドクター・ポスドク問題その後(6):そもそもポスドクの口すら足りない」というエントリが出た。上記のモデルで考えた場合、PDの人数は年々増え続けるが、PDを雇う予算の方には限りがあるから、今度はPD内で「有給」「無給」に分かれることになり、同様の計算によって「PDの有給率」も年々下がる、ということになる。実際すでにそうなりつつあるというのが大「脳」洋航海記さんの指摘である。
PDのポスト不足について、5号館のつぶやきさんのところでも「ポスドク問題が新しいフェーズに」という新エントリが上がった。
【さらに追記】
合格率4%だと、旧司法試験よりもむしろ弁理士試験の合格率に近い。司法試験は制度改革でロースクールに行かないと難しくなってしまったが、弁理士試験には制限は無かったはずである。
ここからは旧ブログのコメントです。
by mimon at 2007-10-45 07:30:45
Re:余剰博士問題:分かりやすい説明
私は、一応、大企業に所属していますので、新入社員のときには、東大博士なんていうのが同期にいました。当然、研究所に配属されたのですが、数年後には、営業に回されていました。多分、抜擢されたのではないと思います。企業の研究所に職を得ても、その先は、安泰とは限りません。
by かとう at 2007-10-13 08:07:13
Re:余剰博士問題:分かりやすい説明
わたしゃ理論物理なので、OD問題を知ってて博士課程
に行こうとしてましたが、(親をだまして前期課程には進み
ましたが、途中でスポンサーを打ち切ると言われ、前期で
あきらめて就職しました。)最近はそうでは無く、モラトリアム
の延長で博士課程に行く人がいるんですね。
モラトリアムで行くのは、修士(前期過程)までにしとく
もんです。
研究ではおなかは膨れません。
大体、ノーベル賞の賞金でさえ1.3億程度であり、今年の
年末ジャンボ宝くじと比べてみれば、一目瞭然。
ノーベル賞は、各分野で5人であり(一分野の共同受賞で
最大3人ですが、その時は賞金は1.3億を分けている。)
毎年6.5億円ずつ。
しかし、生化学や物理化学等の境界分野をしているのなら
どちらかでの受賞という可能性もありうるが、物理、化学の
ど真ん中をしている人は、一つの椅子しかない。
それに比べ宝くじの方は、一等前後賞合わせて3億円
が74組、二等1億円が222本。
なんか、書いててディスプレイが涙で見えなくなってきた;;
by nq at 2007-10-31 08:20:31
Re:余剰博士問題:分かりやすい説明
元コメントで言っているように、9年間ポスドクをつづければ、ポストにつける積分期待値は1/3なのだから、「毎年の博士取得者の2割程度はポストがある」といっても間違いではありません。「破滅に導くために騙す」と表現するのは、行きすぎじゃありませんか?学生だって、すぐにポストにつけないことぐらいは、わかっているわけだし。
まあ、5年ポスドクやって熱心に応募してもポストにつけない人だと、そのあとの5年間に職につける可能性はぐっと低いでしょうから、ポスドク2期目になったら転進を真剣に考えよ、と認識してもらえばよいのではないでしょうか。「物理学者ウォール街を往く」が参考になります。
by apj at 2007-10-03 09:38:03
Re:余剰博士問題:分かりやすい説明
nqさん、
でも、かなり詐欺に近いか悪意は認定してもよさそうに思います。
「毎年の博士取得者の2割程度はポストがあります(でも、それは食いっぱぐれそうな生活を何年も続けた後の話だし、その2割に入れなかったマジで破滅です。あと、2割になるには、みんなが平均何年ポスドクするかで変わってくるので、何年も、がさらに長引くかもしれません。あと、博士取得に投じた金は普通に就職したってほぼ間違いなく回収できません。)」
てことですから。
似たような話は世間にもいっぱいありますよね。
「月収○○円!(でも、それは歩合制で稼ぎまくれるごく一部の人だけです。歩合制にしなければそこまでいきませんが、歩合制にすると大抵の人はろくな収入にならず、さっさと辞めて行きますね。もちろん、入社した後はいろいろ肩をたたいて半強制的に歩合制にさせてます)」
「在宅ワークで楽々収入(でもその前に入会金とか教育費とか先払いしてね、クレジットでローン組んで。モデルケースの収入を実現するには非現実的な量の仕事をしないとダメですよ)」
「あなたもこの通信教育で行政書士に!(まず所定の教材は買っていただきます。あ、そうそう、元々合格率そんなに高くないし、何と云っても本人の努力がモノを言うし、合格例はウチの講座受けなくても受かるような人達かも)」
「この商品を販売して副収入!(まず商品を仕入れて、商品を売ってくれる会員を増やせば、バックマージンが入ってきて楽に儲けられますが、マルチなのでそのうち破綻するんですよね、後から来た人は大抵在庫をさばけず赤字ななんですね)」
等々。
博士進学希望者に本当に必要なのは、「学力」「研究遂行能力」「プレゼンテーション能力」などではなくて、「対悪徳商法の知識」ではないかと。
by p56 at 2007-10-45 00:19:45
Re:余剰博士問題:分かりやすい説明
就職確率2割と言われて進学するほど自信過剰かボンボンか将来のことは何も考えて無い学生が、その確率が実際は0.5割だと聞いて進路を変えるかどうかははなはだ疑問ですが。7割は望む職に就けるとか言われたならそれは詐欺でしょうが・・・
by しもふり at 2007-10-25 05:52:25
Re:余剰博士問題:分かりやすい説明
「再チャレンジ」というエントリの次にこういう話題というのもなんとも世相を映しているといいますか、複雑なものです。博士取得者たちにとってみれば「再チャレンジ」以前の問題なのに・・・
博士号が「研究力」の指標ではあっても「科学力」や「学問力(学力ではなくて)」の指標とは思われていないところが日本の悲しいところかもしれないですね。
by nomad at 2007-10-15 07:30:15
Re:余剰博士問題:分かりやすい説明
「10人に一人は死ぬか行方不明です」
という職(?)に就きたいって人はいるんですかねえ。
兵隊さんだってそんなんじゃイヤだって言いそうです。
by すっぱいぶどう at 2007-10-15 07:47:15
Re:余剰博士問題:分かりやすい説明
私は指導教官には何も言われませんでしたが、博士号を取得する時点で助手の先生に「研究者としての商品価値は年をおうごとに半減すると思え。来年のお前は今年のお前と比べて半分、次の年には4分の1だ。そのときにはお前よりも若くて優秀なヤツが卒業するんだぞ」と言われました。ほぼそんな感じですね。実にリアルな数字を見せていただきました。
それに、アカポスの求人『3割』が博士号取得だけを条件としているのだとしても、その役職で想定されているだいたいの年齢層があって、全員が応募できるわけではないような…。
by apj at 2007-10-23 11:17:23
Re:余剰博士問題:分かりやすい説明
nomadさん、
>「10人に一人は死ぬか行方不明です」
太平洋戦争の戦争被害と比べると
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/5215/war-damage-ww2.htm
「日本陸海軍の参加将兵986万人、犠牲者187万人、損耗率19%」ですから、こちらは10人に2人ですね。博士進学者の損耗率は太平洋戦争の日本軍の約半分てとこでしょうか。
ソマリアで、国連軍の救助が来るまで戦い抜いた米軍スペシャルフォースの損耗率も2割弱です。
軍事的には、全滅:損耗3割、壊滅:損耗5割、殲滅:損耗10割=玉砕、だそうで。まあ、損耗2割を越えたら撤退の準備をするのが戦争やってる軍隊の常識でしょう。
>兵隊さんだってそんなんじゃイヤだって言いそうです。
よほど泥沼化した戦争に派遣されない限り、多分軍隊の方がましですね。損耗率的には。
歴史上のいろんな戦争の損耗率一覧をネットで探したんですが、探し方が悪いのかうまく見つかりませんでした。
博士課程進学者の損耗1割ったって、そもそもこれ、有事の話でもないし兵士でもないんだけどなぁ。
by 酔うぞ at 2007-10-38 20:37:38
Re:余剰博士問題:分かりやすい説明
また、無茶苦茶な比較を・・・・・
この手の比較では「質」を仮定しないとまずいのでは?
ベトナム戦争では、重傷者を日本・ハワイ・アメリカ本土などまで運んで入院させていますが、これが肢体不自由な負傷兵でした。
これが、イラク戦争では、脳障害の負傷兵になっている。
逆に見ると、脳障害を負うような負傷者はベトナム戦争当時には救命出来なかった。
大昔に読んだ「それはヒポクラテスで始まった」にローマ軍の軍医の話が出てきて、負傷者を救えるのかどうかをその場で判断して、救えないと判断したら、頸動脈をナイフで切るのが仕事だった。
という紹介されています。
今で言う「トリアージ」ですね。
質というか環境をパラメータにして考えないと、負傷兵の定義すら時代によって変わるということです。
ところで、軍隊が近代化した第一次大戦以後ぐらいで見ると、常備軍無い時代や国が珍しいことを考えると、ほとんどの軍隊で兵士の含む期間中に戦争になるのはマレなんですね。
最近では、年中やっているのはアメリカだけですよ。
戦争がないのに軍隊があるわけですから、戦争時の損耗率は全体から見れば異常事態であって、損耗率が続くことは無いわけです。
そう見ると、
>「10人に一人は死ぬか行方不明です」
は人生のバクチとしてはものすごいハイリスクですよね。
ちょっと他にあまり例がないかもしれない。
もっと調べてみると良いとは思うけど、上記の理由で戦争の損耗率は違うと思うよ。
by apj at 2007-10-11 23:25:11
Re:余剰博士問題:分かりやすい説明
酔うぞさん、
損耗率について調べた時に、時代と共に負傷の内容が変わってきているということは見ました。しかし今回は、「軍隊の損耗率」と「ポスドクの死亡・行方不明率」という、軍隊同士を時代を考慮して比較するよりも、さらにもっと質の違うもの同士を比較しようという無茶を敢えてしているわけです。ですからここで軍隊同士の損耗率の質の違いを詳細に議論してもあんまり意味がないかと思い、意図的に無視しました。
>そう見ると、
>>「10人に一人は死ぬか行方不明です」
>は人生のバクチとしてはものすごいハイリスクですよね。
ということには全く同意です。
で、よく考えると、PDを雇う予算にも限りがあるわけだから、博士号はとったけどPDとして給料がもらえないまま無職を続ける率というのも上がりつつあるわけで、今後はもっと状況が悪くなるでしょう。冗談抜きで損耗率2割に達するかも知れません。
5号館のつぶやきさんのところや、大「脳」洋航海記さんのところにも、新エントリが上がったようなので、こちらのエントリにも追記しました。
by nomad at 2007-10-28 08:15:28
Re:余剰博士問題:分かりやすい説明
Wikipediaによるとベトナム戦争での米軍の戦死者は10%程度でした。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0%E6%88%A6%E4%BA%89#.E3.82.A2.E3.83.A1.E3.83.AA.E3.82.AB
で、この損耗率でアメリカでは負け戦。
近代国家なら、この損害から目をそむけるべきではありません!
日本も今すぐ降伏し、この分野から撤退すべきです!
by かとう at 2007-10-35 08:48:35
Re:余剰博士問題:分かりやすい説明
いえいえ。撤退なんてしちゃだめですよ。
そもそも、博士課程への進学率≒ポストだと、博士課程で
レベルの低い、しょーもない人が大学の先生になっちゃったり
するんですよ。
今の「せんせ」の中に疑似科学レベルの人がいるのは、そんな
昔に博士課程に行った人達だから、とも言えます。
博士課程>ポストであれば、そこに競争が存在し、レベルの
低い人は淘汰されると云う側面もあります。
まあ、今ほどひどい状況はどうかと思いますが。
by apj at 2007-10-55 10:02:55
Re:余剰博士問題:分かりやすい説明
かとうさん、
>博士課程>ポストであれば、そこに競争が存在し、レベルの
>低い人は淘汰されると云う側面もあります。
これまでは、少数のまともな学位持ちトンデモさんと、ディプロマミル利用のニセ学位トンデモさんがいたわけです。ところが、まとも学位持ち無職が大量生産されると、その人達が食べるに困って擬似科学レベルの宣伝に名前を貸して「ナントカ博士」として登場する可能性はむしろ増えるのでは。早く撤退した方が良さそうですが。
by hrgy at 2007-11-13 23:02:13
Re:余剰博士問題:分かりやすい説明
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jps/carriersympoA/carriersympo.html
日本物理学会では,お茶大でキャリアパス関連のシンポを開きます.
by mimon at 2007-11-02 23:36:02
Re:余剰博士問題:分かりやすい説明
本屋さんに寄ったら、「高学歴ワーキングプア」という本が売っていました。
http://www.amazon.co.jp/dp/4334034233/
タイトルと、目次だけでおおよその内容が推定できますので、買いませんでした。
国策に乗って、本当に博士を取っちゃった人の行く末を案じます。
by 杉山真大 at 2007-11-58 08:09:58
Re:余剰博士問題:分かりやすい説明
永田町の中の人には、博士号の就職難は目にいかず海外から人を採れって言っているのがいるんですね。
http://www.fujisue.net/archives/2007/10/post_2144.html
まぁ、能力の巧拙で人の採用が決まるならまだ納得しようものなんですが、むしろ昨今の企業動向なんか見ていると、現場の人間を安く使って一握りのスーパーエリートの野放図な突出を認めてしまうって意図が見栄見栄って気がするんですが・・・・・本末転倒(ボソッ
by apj at 2007-11-14 12:44:14
Re:余剰博士問題:分かりやすい説明
mimonさん、
その本、既にエントリ
http://www.cm.kj.yamagata-u.ac.jp/blog/index.php?logid=6690
で取り上げました。まあ、内容の予想はついたのですが、院進学希望者と直接話をする立場にいるので、読んでおかないとまずいかなあ、と。
杉山真大さん、
>海外から人を採れ
何て言うか、明治維新あたりで頑張ったのは一体何だったんだろうと思うわけで。あの頃は、海外から人を採って、つまり外国人学者を招聘し、日本人を教育した後は、徐々に日本人が日本人を教育できるシステムに切り替えていきましたよね。今は逆だという……。
それはともかく、高学歴な人に対する待遇は海外の方が圧倒的にいいから、よっぽど高給を出さないと人なんか来ません。
昔、東大で海外の有名どころを客員教授に招こうとしたところ、給料でことごとく折り合いが付かなかったというのがあります。国立大学の教授の給与体系でしか払えなかったので、金額を提示すると、そんな安い給料で大学教授なんか有り得ない、と断られまくった。よほどボランティア精神に溢れた人しか来てくれなかったというのが現実ですよ。
by mimon at 2007-11-21 03:50:21
Re:余剰博士問題:分かりやすい説明
> その本、既にエントリ(中略)で取り上げました。
失礼しました。10月16日は、風邪をひいて、ボーとしていましたので・・・。
> そんな安い給料で大学教授なんか有り得ない、と断られまくった。
まさか、外国人教師優遇なんていう、明治時代の制度は、復活しませんよね。
私が今住んでいる所の近くに、P&Gの極東法人本社があるのですが、
8年前、フィリピンのR&D部門が閉鎖になったときは、フィリピン人が大勢来ましたが、
数年でいなくなり、今は、韓国人が多いです。
国際的な、頭脳労働者の流通は、充分あると実感しています。
その中で、インド人は、家族も呼び寄せて長く暮らしている人が多く、
国民性なのか、会社の方針なのかは、わかりません。
by 杉山真大 at 2007-11-18 00:15:18
Re:余剰博士問題:分かりやすい説明
>それはともかく、高学歴な人に対する待遇は海外の方が圧倒的にいいから、よっぽど高給を出さないと人なんか来ません。
>国立大学の教授の給与体系でしか払えなかったので、金額を提示すると、そんな安い給料で大学教授なんか有り得ない、と断られまくった。よほどボランティア精神に溢れた人しか来てくれなかったというのが現実ですよ。
mimon氏のコメントとも関係するかも知れませんけど、この辺り、いわゆる欧米先進国の研究者を念頭に置いての話なんですかね?発展途上国でも優秀な人は欧米に取られまくってて、日本なぞは out of 眼中ってとこなんでしょうか??
ただ、そうやって一部の研究者を高級で優遇すると今度は日本人研究者との”格差”はどうなんだ?って問題だってありそな気がするんですよね。中村修二の一件で当人が「日本は文系優位」と言ったのとは裏腹に、当の理系研究者の間では中村氏の行動に批判的だったのが少なからずいたのが今でも印象に残ってます。