教育関係の報道2件
大学進学に資格テスト、教育再生会議が検討
政府の教育再生会議(野依良治座長)は20日の合同分科会で、大学進学希望者に「高卒学力テスト」(仮称)を実施し、合格者に大学受験の資格を与える制度の検討に着手する。
受験生の負担増につながるとして、一部委員からは慎重意見も根強く、年末の第3次報告に向けて大きな議論を呼びそうだ。
「高卒学力テスト」は、高校生の学力低下の問題や昨年に全国各地で相次いだ高校の必修科目の未履修問題などを受け、生徒の学力水準や履修状況をチェックするのが狙いだ。
制度設計の素案によれば〈1〉国公私立や選抜方法を問わず、大学進学を希望する人は必ず受験〈2〉受験科目は、必修科目から保健体育、芸術などを除いた国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語〈3〉全科目の合格者に大学進学資格を付与――などが主な柱。難易度は「高等学校卒業程度認定試験」(旧・大学入学資格検定)を想定しているという。
だが、大学入試センター試験も引き続き実施するため、受験生の負担増を懸念する声が根強い。そのため、センター試験で一定の点数を取れば、その科目を免除する案も検討する。また、「高等学校卒業程度認定試験」を廃止して、「高卒学力テスト」に合格した人に高校卒業の資格を与える一本化についても今後、議論となりそうだ。
(2007年11月19日15時57分 読売新聞)
高校の履修状況がそもそも信用できないことが未履修問題ではっきりしたのだから、高校の出す成績評価を信用しろという方が無理なわけで、それならば、高卒時の学力を試験で一律にチェックするしかないという当たり前の話。高校に進学しても最終試験に受からないと学歴が得られないということになれば、そもそもやる気の無い人は時間と金のムダだから最初から進学しなくなるだろうし、高校卒の資格が欲しい人は本気で勉強するだろう。教育再生会議にしては珍しくまともな案ではないか。高校教育の実質化(できれば小中学校の教育の実質化も)をさっさとやってもらいたい。もちろん、ここでの実質化の意味は、お情けで卒業させたりせず、学ぶべきことをきちんと身につけた人だけ卒業させる、という意味での実質化ね。
次はNIKKEI NETの記事。
全部授業で教えて・大学生4人に3人回答
大学生の4人に3人は「自分で勉強するより、必要なことはすべて授業で扱ってほしい」と考え、授業内容では「最先端の研究」よりも「学問の基礎」を重視している学生の方が多いことが18日、東大研究グループによる調査で分かった。
授業と直接関係のないことを、独自に学ぶのは少数派であることも判明。高度な専門知識を自ら習得するという学生のイメージからは程遠く、受け身の傾向の強い現在の学生像が浮かび上がった。
調査は今年、全国の国公私立127大学の協力を得て実施。約4万5000人の学生が回答した。
調査結果によると、意味があったと思う授業は「教養・共通教育」が44%、「専門教育」は59%。その内容については複数回答で「学問の基礎を教えてくれた」がトップの55%、「実践的な知識や技能」が50%で「最先端の研究成果」は14%だけだった。〔共同〕(15:41)
まあ、学部では基礎を身につけるしかないわなぁ。研究のことが多少でも分かり始めるのは卒研になってからだし、分野によっては修士まで行っても研究なんか無理、ってのもあるし。ただ、自習する気がないのは困る。例えば、教科書を選んで説明したとして、家に帰って教科書のその章の演習問題を自分でせっせとやる、といった自助努力は必要なわけで。
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