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クリティカルシンキングを教える方法は?

Posted on 12月 18th, 2007 in 未分類 by apj

 TOSSヲチ板の方に久しぶりに投稿があったりしたわけだが([947])。どうもこういうのを見ていると、学校の先生に知っておいてもらわないと困るのは、怪しい話にいきなり飛びつかないようにすこと、つまりクリティカルシンキングの方法ではないかと思った。
 私は、TOSSそのものに反対の立場ではないのだが、TOSSが実践例から怪しいネタを排除するしくみを持っていないことは確かなようで……。
 とても忙しい(必ずしも科学に詳しいわけではない、むしろ文系だったりする)先生方に、わかりやすさ重視で、変な話に対して「一寸待て」と言えるような考え方を身に付けてもらうにはどうすればいいのか、と思ったり。
 先生と言ったが、実はお役所の人についても同様だったりする。産業振興の企画に怪しいものが持ち込まれることも頻繁に起きているようで。
 多分、考え方を身に付けるには、各論だけではなくてもうちょっとシステマティックにやらないといけないので、「ニセ科学批判」だけでは、題材の一部にはなってもまだ足りない気がする。
 何かいいクリティカルシンキングの講義・実践例ってないかなぁ……。本は2冊ばかり買って目を通したのだけど、ちょっとどう実践したものか困っている。この辺がクリアできると、役立つ講義の持ちネタが確実に1つ増えるんだが。TOSSの方にはネタがたくさんありそうだから、問題有りそうな実践例を選んで批判的に見るとか副作用を考えるといったのが、とっかかりになるのだろうか。そのものズバリを使うと問題があるようなら、実践例で使われている資料そのものを題材にするとか……。
 まあ、「一見いい話」を否定したり、情緒的であるべき場合とそうでない場合を峻別したりといったことになるので、知っておいて欲しいと思う人にはなかなか声が届かなさそうなんだけど。

【追記】
 まだ確定していないが、来年度、集中講義で教育学部の学生を教える可能性が出てきた。それで、環境教育に怪しい燃費向上グッズを持ち込むとか、癒しなんちゃらを取り入れるような情緒と合理的判断をごちゃ混ぜにするようなことについて、もう少し敏感になって「ちょっと待てよ」と考えられるような基礎を教えるにはどうしたらいいか、ということを、今、かなり真面目に考えている。教師がみんな「素直な人」(by船井幸雄)では困るということだ。
 多分、理科が得意だという人の割合は少ないだろうと思う。これまでと違ったやり方を考えないと、言葉が届かないんじゃないかと思案している。