レポートの書き方ガイダンスに時間をとってみた
共通教育の科学リテラシーの話。今期の課題は、
・指定したテキストを読んで、箇条書きした項目がどのように書かれているか要約する。
・ニセ科学の例を自分で一つ見つけ出して、何がどうおかしいか議論する。議論の際に、テキストを要約したリストを、判断の基準として具体的にあてはめを行って書く。
という形にしてみた。普段は例を見つけて議論するだけだが、何に沿ってやるか定まらないらしいので、前半の課題で判断基準をリストアップしてまとめるという作業をしてもらうことにした。
例を見つけて議論の方は、毎回似たような感じでやっているが、課題を出しただけでは何を要求しているかが見えにくいらしく、力を入れるポイントがずれたレポートが出てくることがあるので、今回は、1コマ使って教科書を読んでまとめる作業の説明や、ガイドラインについて詳しい解説をしてみた。レポート見本が欲しいという要望もあったので、実際に、ネットから拾ってきた某宣伝内容を添付し、簡単な議論と本の内容のあてはめをやった例も作って配ってみた。
さらに、採点基準(これは前期のものと大体同じ)も印刷して配った。これは、単に私と趣味が合わないために点が下がった、などということが起きないようにするための(私に対する)縛りである。正解か誤りかがはっきり分かれるわけではないので、あらかじめ基準を作って示しておかないと、採点時に判断がブレてしまって良くない。
まあこれで、何をどうすれば得点に結びつくか、ということが、そこそこ提示できたのではないかと思う。
ここからは旧ブログのコメントです。
by まいまい at 2008-01-16 01:13:16
Re:レポートの書き方ガイダンスに時間をとってみた
レポートの書き方を教えてもらえたとは、学生さんたち儲かりましたね。
娘の受験対策で小論文の受験テキストブックを見て、悲しいくらいライティングを知らない著者が多いことにがっかりしていましたから。
大学時代の一般教養「国語」がどうも「ライティング」の授業を勘違いして真似ているらしいとは知っていましたが、今はその一般教養の講義は学部の先生がするのですものねえ。
ご苦労 本当に頭が下がります。
私がライティングの参考にした本はこんな感じです。
コミュニケーション技術―実用的文章の書き方 (中公新書) 693円篠田 義明 (新書 – 1986/6)-大学生でも気軽に買える安さ、薄さ(笑)。20年を経た今でも不変の基本が学べる。
書く技術・伝える技術―一読理解、誤解なし!仕事の効率がぐんぐん上がる!!1発でできるSUPERラーニング (1発でできるSUPERラーニング) (単行本(ソフトカバー))1575円
倉島 保美 (著) -少しビジュアルと例文が欲しい人向け。この本そのものが例文の体裁となっている。
考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則 (単行本)2940円
バーバラ ミント (著), Barbara Minto (原著), 山崎 康司 (翻訳), グロービスマネジメントインスティテュート -高価ではあるが、ロジカル(クリティカル)・シンキングとライティングの橋渡し情報がある。ピラミッド思考法には新しさはないので注意。
by apj at 2008-01-54 10:21:54
Re:レポートの書き方ガイダンスに時間をとってみた
まいまいさん、
一般的なレポートの書き方まで教えるのはとても無理です。
私が学生に伝えたのは、今回の課題に限っての話です。
年末に、作文技術の本を2冊ほど仕入れたので、またここで紹介しようかと思っていますけど。
それはそうと、いろいろ参考書の紹介ありがとうございます。私も、ライティングについてはきちんと習ったことがないので、自己流です。誰かに教えるには、いろいろ読み込んで勉強しないといけません。
#というか、最近は、法律の教科書や、弁護士の絵里タン謹製の書面などから作文技術を勝手に学んでいる気がして、それはそれで別目的に最適化されてるんとちゃうかという自分ツッコミを入れるしかなかったり。
まあ、論文等の言葉遣いや図表の作り方といったお作法であれば、教えられますけども。
by まいまい at 2008-01-21 08:01:21
Re:レポートの書き方ガイダンスに時間をとってみた
本年もよろしくお願いします。
おっしゃるようにレポートの書き方は、それで一コマ単位が必要なくらい、実地訓練で身に付けて欲しいものです。
職場では、修士か博士中退の人材を採用する傾向が最近あるようなのですが、作文作法も経験がない方もいられるので困っています。