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江原啓之が大学で講義する件

Posted on 2月 27th, 2008 in 倉庫 by apj

 J-CASTニュースより。

江原啓之「大学教授」就任 スピリチュアルではなく「生命倫理」教える
2008/2/26
スピリチュアル・カウンセラーの江原啓之さん(43)が2008年4月から大学の「客員教授」として学生の前で講義する。お得意のスピリチュアル・カウンセリングの講義ではなく、科目名は「生命倫理」もしくは「コミュニティ福祉」あたりらしい。

客員教授として、90分の講義を年間2~3回する

江原さんが講義するのは、08年4月に新設される、旭川大学(北海道・旭川市)の保健福祉学部。同大によれば、江原さんは客員教授として、90分の講義を年間2~3回する予定。科目名は「生命倫理」もしくは「コミュニティ福祉への招待」になる予定で、具体的な講義内容などについてはまだ決まってないという。

しかし、なぜスピリチュアル・カウンセリングの江原さんが大学で講義するのか。
同大入試広報課の担当者は次のように説明する。

「大学側からお願いしたのではなく、江原さんサイドからお話があったようです。江原さんは旭川に縁があるようで、山内(同大山内亮史学長)が共通の知人を通じて、07年7月にお会いしました。江原さんは、看護士からの相談が多く、終末期の患者さんとの接し方などについて相談も多くあるようです。そこで、保健福祉学部が新設されることもあり、『機会があればどうでしょうか』という話になりました」
講義では「スピリチュアル・カウンセリング」について直接扱うのではなく、あくまで「看護婦や看護士の実態や対処の仕方」が主なテーマになるようで、大学側も「スピリチュアル」を扱った講義として広報することはないという。

市民からの反応は賛否両論

江原さんといえば、最近は何かと物議を醸している。

2007年7月28、29日に放送された「FNS27時間テレビ」では、江原さんが、秋田県の美容院経営の女性に対し、亡き父親からのメッセージを伝えてカウンセリングしたところ、内容に不満を持った女性から抗議され、放送倫理・番組向上機構(BPO)が08年1月21日に「人間の尊厳を傷つけかねない」と同番組を批判する事態にまで発展。さらに江原さんも自身の公式サイトで、「フジテレビの番組制作のありかたを遺憾に思います」「私自身はテレビにもしがみついているわけでもありません」と発言していた。

また、週刊文春08年1月24日号では、テレビ朝日系番組「オーラの泉」で、女優の壇れいさんを前に壇さんの父親を霊視したが、壇さんの地元では「父親は生きている」と疑問の声が上がっているとも報じられてもいる。

テレビ番組で人気がある一方、江原さんについては問題情報も取りざたされる中で、地元でも受け止め方は様々なようだ。

「市民の方から興味があるというお問い合わせもありますが、賛否両論といったところです」
と入試広報課は話している。

 例えば、芸術系大学の芸能学科のようなところなら、実際に売れているタレントの江原氏を招くのも有りだと思うが、保健福祉学部はどう見ても違うだろう。単に看護士からの相談が多いからという理由でもって、インチキスピリチュアルを売り物にしていた人物に講義をさせるというのは、受けた人生相談が多いからという理由で占い師を連れてきて倫理学の講義をさせるというのと大差ないし、スピリチュアルの蔓延と間違った権威付けに大学が荷担することにもなる。江原氏については、その芸能活動の欺瞞性が既に批判の対象となりつつあるわけで、この状況で「大学で講義しました」などという実績を与えることは、霊感商法の被害者を間接的に増やす効果しかない。
 江原氏の講義を単位の一部に勘定するというのは、ディプロマミルよりも悪質ではないか。
 また、江原氏が看護士からの相談をきちんと体系的に集めて整理し分析しているという話は全く無いわけで、江原氏が講義したところで、体験談の羅列以上のものにはならないだろう。一方、看護士のような医療系の現場で働く人には、体験談の羅列を受け入れるような考えを持ってもらっては大変に困る。インチキ健康食品や何とか療法を水際で食い止めてもらわないとまずいわけで、その意味からいっても、江原氏に講義をさせるというのは間違っている。