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コンピュータ利用メモ

Posted on 3月 31st, 2008 in 倉庫 by apj

 職場でずっと使ってきたPowerMac G5の動作がここ1年近く不穏で、ひどい時だと一日に何回も止まってしまうということが起きるようになった。修理するにせよ、代替マシンがないと仕事にならなくなるので、昨年の予算でIntelMacを購入したのだが、ソフトウェアの対応具合がわかってからでないと移行出来ず、様子見していた。そのうち年度末で忙しくなってそれどころではなくなった。やっと一息つけそうなので、思い切って移行することにした。まあ、Leopardで動かしたいとか、Windowsも動かしてみたいというのはあるが、とりあえずTigerで、普段使っているソフトがきちんと動くことを確認して移行した。
 Intelになっても、CodeWarrriorが動くので驚いた。Igor ProのXFUNCやXOPのソースがまだCodeWarrior用なので、XCodeで作るように直すまでは動いてほしいと思っているのだけど。さっさと移行したい……というか以前にも同じことをどこかで書いた気がするが、なかなかまとまった時間が取れず、作業が進まない。
 さすがに、OS9のソフトは軒並み禁止マークが出て、動かなくなった。これまで使っていたPowerMacはOS9が動くので、処分せず保存しておこうと考えている。

 しつこく使っているPalmのHotSyncがちゃんと動くかとか、TeX関連ツールが問題無く動くかとか、あんまりメジャーでないものを使っているから、一通りチェックしてからでないと移行できないのよ……^^;)。スキャナやら、ブラザーのテープ用プリンタなんてのまでぶら下がってるし。おかげで作業が終わったら今日の日も終わって、午前1時を回っていた。

 家のPowerBookG4も何とかしたいんだけど、モバイル環境のドライバが10.5に対応してないということで、単にLeopardに上げるにしても、別のテスト用の環境で動作確認してからでないと恐くて移行できない。本当は、MacBookProを思い切って買って、Windowsとのデュアルブートをやりたいんだけど、先立つものもないしなぁ。

【追記】
 やっぱりというか案の定というか、Palm Desktop日本語版との間のHotSyncが動かなくてはまった。Palm Desktop付属のコンジットを後から追加して、Missing SyncでHotSyncすると、日本語が文字化けしまくる。
 メモソフトは添付のMark/Space Notebookを使うことにして、MacのiCalとアドレスブックを相手にすれば、普通にHotSyncできる。Microsoft Entourageの利用も考えたのだが、Office2004の時にEudoraとの間でコピー&ペーストすると文字化けすることが分かって止めたので、もう一度試すのはさぼった。

【さらに追記】
 Kacisマイノート2が動かない。TigerでもIntel Macではダメなのかも。文書の多くはTeXなので単なるテキストファイルだが、いくつかアウトライン機能が必要だったものがある。旧環境でデータをRTFに落としておかないとダメっぽい。←Leopardにしたら何故か動いて、ファイルの中も見えている。

ハイビスカス

Posted on 3月 30th, 2008 in 倉庫 by apj

 先日、学会のついでに東京に立ち寄ったので、都内の茶葉専門店で、ハイビスカスティーを買ってきた。スーパー等で手に入りやすいのは、ローズヒップとブレンド済みのティーバッグなので、ブレンドしていないものを探していたのだが、池袋の地下の三國屋善五郎という店で見つけた。花弁をそのまま乾燥させてあり、砕いてないので、茶濾し付きのガラスのマグカップも一緒に買ってきた。
 今から三十数年前に、ハイビスカスティーを飲んだことがある。私はまだ小学校に行く前だったと思う。確か、カネボウ食品が新製品で開発したのを、グループ会社の製品ということで親が入手したのだった。見慣れた紅茶のティーバッグと同じ形で、細かく砕いて袋に小分けされていた。子供だったので、ハイビスカスと言われても何が何だかわからず、親がまず飲んでみたら酸っぱかったので、砂糖を入れて甘くしたものをもらった。もともとの酸味が強いので、はっきりした甘酸っぱい味になり、大変に美味しかったのを覚えている。赤い色が印象的だった。
 しかし、手に入れたのはその時だけで、なにぶん田舎の事なので、近場のスーパーに出回ることもなく、そのうち製造販売を止めてしまったのか、その後見ることはなかった。
 最近になって、近くのスーパーで、ローズヒップ&ハイビスカスのティーバッグを見つけたので飲んでいたのだが、ちょっと物足りない。今回、ブレンド前のものを入手してみて、やっと納得できた。多分、子供の時に飲んだのはブレンドしていないものだったのではないかと思う。
 色鮮やかなので、ガラスのカップを使った方が見て楽しめる。夏場なら、濃いめに出して、砂糖も多めに入れて氷を加えて飲むと良さそうである。

引っ越さないってば……

Posted on 3月 28th, 2008 in 倉庫 by apj

 東北電力から電話があった。一体何事かと思ったら「お引っ越しの予定でしょうか?」と訊かれた。身に覚えが全く無いので、何があったのかと尋ねたら、「今度入居するので電力を使いたい」という連絡を東北電力に入れた人の入居予定の部屋が私が今居る部屋に一致したのだそうで。「引っ越しの予定はないので、東北電力さんに伝えられた番号が間違っているのではないでしょうか」とお返事したが、ちょっと驚いた。

【ネタ】犯罪防止のために禁止にすべきものリスト

Posted on 3月 27th, 2008 in 倉庫 by apj

 別エントリーとして立てる。

 インチキ「ゲーム脳」理論レベルの考察で話を進めると、結論がどれほどひどいことになるかを考えてみる。

【ルール】
・現実の殺人事件等の容疑者が、時間と手間をかけてやっていたことをリストアップし、禁止リストを作る。
・因果関係の立証は必要としない(ゲーム脳の立証レベル及びゲーム脳を信じる人達のリテラシーレベルに準拠することが重要、そういう設定の話なので)
・「○○脳」を自由に定義して構わない。
・関係性の立証らしき理屈付けは「ニセ科学」に基づいて行うものとする。

【例】
■テレビゲームを禁止(元祖)、ゲーム脳
■ビデオの収集を禁止(さらに元祖、参考:宮崎勤事件)、ビデオ脳
■無職ひきこもりは禁止
■弓道を禁止(金川容疑者のもう一つの特技)、弓道部脳
■ラグビーを禁止すべき(大麻と集団レイプ)、ラグビー脳
■他人を応援する行為の禁止(集団リンチは応援団の仕業だったな……)、応援団脳
■社交的なサークル活動の禁止(スーフリ事件)、サークル脳
■学校内放送の禁止(岡山突き落とし事件)、放送部脳
■アメフト、サッカー禁止(レイプ事件)、アメフト脳とかサッカー脳とか
■高校生の野球の禁止(飲酒喫煙が記事になるとたいてい野球部)、野球部脳

 項目追加と、ゲーム脳あるいはマスコミのバッシングレベルのお粗末な説明を追加するのも有りかと。
皆様の秀逸なアイデアを募集します。

薬学会シンポジウムとか

Posted on 3月 26th, 2008 in 倉庫 by apj

 薬学会のシンポジウムで、水関連のニセ科学について話をしてきた。
発表直前に、「ニセ科学とは何か」の説明を頼まれたので、急遽スライドを並べ替えた。普通の会場だと、自分のパソコンを持っていって繋いで手元でスライドを変えながら話すのだけど、今回の会場は、パソコンを別の機器につないで、USB経由でマウスやキーボードを動かす方式だった。パソコンを受け付けてもらって繋ぐと、担当の人がマウスを振ると操作していてもポインタが動いてしまう。その状態でスライド追加をやって、余分なものを消したりしたから、1枚目のはずのスライドをうっかり消してしまっていた(オペレータ側でマウスを動かしたりしているチェック処理と私の操作が干渉したっぽい)。その上、Macだからか、演台の別のパソコンにスライドは出ているのに、そのパソコンから切り替えができない。合図して切り替えてもらうことになったが、元々かなり早くしゃべらないと終わらない量だったので、とても最後までたどり着けそうになく、磁気水の話をカットした。そのかわり、対策としてどうするかということを少しだけ入れた。
 なぜ研究者が正しい情報を出さないのか、具体的に何をしているのか、とか、一部の研究者が怪しいモノに手を貸すことをどうにかできないのかといった質問が出た。また、情報を出して大丈夫なのかという質問もあった。
 大学発で懐疑的な情報を出すことのやりにくさというのは、所属組織が訴えられる可能性があるという部分なので、研究者の情報発信について組織を免責する仕組みが必要である、と簡単に答えた。また、学問の自由との関連で、組織が法的責任を負うのは、むしろしてはいけないことだろうとも付け加えた。具体的な対策としては、教育面では、健康情報を評価するフローチャートなどを教えて実際に出回っている健康情報を当てはめて判断する練習をしてもらうといったことを一般向けにやっていると説明した。
 全体が終わってから、共同通信社の人に、訴訟について訊かれたので、大学が訴えられたけど私は弘中絵里弁護士を代理人にして訴訟参加、冨永教授も壇弁護士を代理人にして訴訟参加、で、悪徳商法じゃないかと求釈明が連発され、訴えた原告は3人からあれこれ言われる事態になってます、と答えた。山形の方は削除要求に対する債務不存在確認訴訟で本人がやってる上、勤務先にも不作為を要求し、東京のは2年分の名誉毀損の責任追及だと……。「まあ、手間はかかるが代理人が仕事してくてるのでかなり楽、費用と時間はそれなりにかかりますが……訴訟はまあ普通にやるもんでしょう」と言ったのだけど、どうも向こうは「訴訟でとんでもなく大変なことになっている」というコメントが欲しかったんじゃないかと^^;)。でもなぁ、私の方は、弁護士&裁判所御用達の訴訟資料専用ファイルってすごく便利、と思ってたりするわけで、気にするところがずれているような。

 再来年の集中講義の予定が入ってみたり。今度は水の物理化学で測定法込みで、という話で、やっと専門に近いことを話させてもらえることになった。

むしろ躾(?)の問題というか……

Posted on 3月 25th, 2008 in 倉庫 by apj

 幻影随想さんのところの「疑似科学と「空気」の研究」より。

疑似科学のビリーバーが彼らだけの虚構の世界に暮らしているというのは、疑似科学をウォッチしていると誰しもすぐに気づくことだろう。なぜなら疑似科学ウォッチャーは彼らの虚構を共有していないし、彼らの虚構は大抵現実とはうまく折り合いをつけることができないからだ。しかしビリーバー達は、通常その世界が虚構であることに気が付いていないし、気が付きたくもないと思っている。なぜなら往々にしてその虚構は彼らの心の拠りどころであるからだ。ゆえに彼らは、その虚構を壊そうとするものに対しては、激しい拒絶を示すし、どれだけ事実を突き付けられたところで、決して態度を変えることはない。それを認めてしまえばそれまで自分が安住してきた虚構の世界が崩壊してしまうからだ。そして、それを認めず目を背けさえすれば、とりあえず彼らの虚構は保たれるのである。彼らの虚構はもともと彼らの心の中にしかない、現実に根ざさないものだから。

 このことについて、去年の夏頃から、ニセ科学関連の講演の最後にこんなスライドを見せることにしている:
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科学の役割

技術は人に利益をもたらすが、科学の役割の1つは人に真実を認識させることである。たとえ、都合が悪くても……
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 これを見せて、科学技術と一言で呼ぶことが多いが科学と技術は本来別物あることを指摘し、「科学の知識を学んだり、科学の方法論やロジックを学んだりしても、都合の悪いことを受け入れたくないという心でいる限り、科学は身に付かないよ。楽しくないこと、不都合なことでも受け入れる心の強さが、知識の習得以前にまず最初に必要なんだよ」と話をしている。こうなると、心構えの問題というかむしろ躾の問題になってしまうのだけど。こういうことを教えるとしたら、割と早い内に教育の一部として訓練しないといけないだろうということで、主に学校から講演を頼まれたときには、意識してこの内容を出すようにしている。
 人に都合の良いことを意識的に目指すのが技術、人の都合はどうでもよくて身も蓋もない真実をはっきりさせるのが科学ということになる。

【余談:別の種類の妄想、以下ヨタ話につき注意】
 ところで、幻影随想さんのところのエントリーで取り上げられた、山本七平氏の『「空気」の研究』だが、もしかしたら、この「空気」を打ち破る一つの方向とは、「ヲタク」に徹し「萌え」を追求することではないかと思ってしまった。エントリーを読んでいて、アニミズムのところでふと連想してしまったのが「擬人化たん白書」。blog主の黒影さんがまとめておられるところにいくつか当てはめていくと、「ヲタク」のやり方で進んだ場合は次のようになりそうである。

・「空気」や疑似科学の根とは、「モノに何かを見出す心の働き(アニミズム)」である。

 は、モノを萌えキャラ化した上で萌えキャラの方に何かを見出す心の働きになるから、ナマのアニミズムを切り離してしまっている。

・「空気」とは人々の間の「お約束」によって成り立つ社会的な虚構である。

 萌えを共有できるという部分は虚構だが、そもそも萌えキャラ化の段階で虚構であることを明確に意識することになる。

・「空気」に引きずられることなく理性を保つためには、空気とは何かを理解し、その特性と影響を把握して、自身と社会を相対化できる必要がある。

 自分自身と萌えキャラの区別がつかなくなるヲタクは、普通は居ないんじゃないか。基本的にヲタクは唯物論者である(by山口貴士弁護士)。
 私の想像(というか妄想)がもし合っていれば、ヲタクのこのような性質は山本氏が指摘した「空気」と真っ向から対立するものになりそうで、するとなぜヲタクバッシングが時折起きるかの説明がつくかもしれないなぁ、と思ったり。非ヲタが真実として消費したがっている(が客観的真実ではない)ものが、ヲタクにかかると虚構として消費されてしまう、とも言えそうだし……。
 いや、何でこんなことを連想したのかは自分でもよくわからないのだけど。

訂正行脚

Posted on 3月 23rd, 2008 in 倉庫 by apj

 物理学会で発表してきた。実は、ラマン散乱の解析に数年使ってきたモデルが違っていたことが判明したため、間違いでしたという報告になった。笑われてしまった……orz。元の理論屋さんの論文にミスがあったのをそのまま使ったというのが原因。不自然に見えるような式ではなく、使ってきた結果も他の実験と矛盾しないものであったために、気付かなかった。それを使った論文、統計物理の理論系のレフェリーも通していた。それでも、散々同じセッションで発表してきたので、間違いに気付いた以上は正直に報告するしかない。
 悩ましいことに、訂正版で解析をやり直してみたら、どうも、間違いだったバージョンの方が結果が良かったり……。特定のモデルの定式化としては間違いであっても、もし意味のある別モデルから同じ形の式が導出できるようなら、モデルとしての性質は実は悪くないんじゃないかという、何だか歯切れの悪いことになってしまった。間違いではあったが、偶然性質のいい関数を引き当てていた可能性もあり……。もう少しいろいろいじってみて、理論屋さんにも元論文の訂正論文を出してもらうように頼んだりしなければならない。大きな方針に変更は無いし、水の場合は高温では訂正後のモデルの方がいい結果を出していたりする。落ち着くまでしばらくかかりそうである。

 今回は、自分の発表が済んだら引き上げることに。他のもいろいろ聞きたかったのだけど、26日の薬学会で話すための準備をしなければならない。最終日の26日には、ポスドク問題についていくつか発表があり、以前世話になった阪大VBLの先生も話をするので、聞きたかったのだけどちょっと無理。

買い物メモ

Posted on 3月 21st, 2008 in 倉庫 by apj

お店:大内商店
場所:弁護士会館地下1階
電話:03-3503-1688
fax:03-3503-1856

【品物リスト】
《ビニールファイル ソフト(透明タイプ)》
Sサイズ(2.5cm)  210円
Mサイズ(4cm位?) 315円
Lサイズ(6cm)  420円
《ビニールファイル 表紙付きのもの》
ハード 472円
ソフト 493円
※サイズはMのものと同じ。

【追記】
 現物を確認。
 S,M,Lサイズあるものは、2穴に通す部分が丸い形でだいぶ長め。500枚くらいは余裕で綴じられそう。
 ハードカバー表紙付きとソフトカバー表紙付きは、2穴に通す部分が平たい形(つまり、普通に売ってるコクヨのフラットファイルで使われているのと同じ)でやや長め。ハードカバー表紙付きは、ファイル本体はMサイズのものとほぼ同じ。
 なお、「表紙」は、この場合「訴訟資料専用表紙」なので、事件番号とか法廷とか双方代理人や当事者連絡先といったものを書くためのフォーマットが印刷されている。従って、訴訟資料入れ以外では役立たない。一般用途には、3サイズある表紙無しのものを買うか、表紙無しで売ってもらうかすると良い(表紙はボール紙を差し込んであるだけなので簡単に外せる)。ソフトファイルは見た目が軟質塩ビ素材、3サイズ物とハード表紙付きは、市販のクリアーファイル類似の素材。塩ビは経年劣化するが、本当はどの材料かまではわからず、耐久性能は不明。
 紙のフラットファイルで厚みがコクヨ標準品の倍程度のものもあるが、これも法律事務所向けの表紙や背表紙が印刷済みなので、一般用途には向かない。無地のものは作っていないとのこと。

第5回口頭弁論だった

Posted on 3月 19th, 2008 in 倉庫 by apj

 神戸の訴訟の第5回口頭弁論なので行ってきた。今日は壇さんも来ていた。
帰りの新幹線で絵里タンといろいろ話をした中からいくつかネタを書いておく。

 ロス疑惑の三浦さんがサイパンで捕まったため、お父上の弘中惇一郎弁護士のマスコミ露出度が上がっている。ニュースで放映されたインタビューは、自宅の近くで行われたとのこと。マスコミに弘中番が居て、張り込まれていて、囲みを突破しないと事務所に行けないのだそうで。事務所の近くで張るのかと思ったら違っていた。

 その三浦さんの著書の「弁護士いらず」について。昨年改訂新版が出ている。ネタになった裁判自体はもう終わっているのだが、東京拘置所のしくみが変わったらしく、その部分で改訂したのだそうで。旧版と読み比べると、拘置所の何がどう変わったかがわかるという、ちょっとマニアックな情報が得られる。私は、旧版はamazonマーケットプレイスで購入し、改訂新版も買ったので、時間ができたら読み比べてみるつもり。

 弁護士急増による弁護士の就職難について。やっぱり初任給は下がり続けているらしい。弁護士過疎のところで仕事をすれば、まだ売り上げを増やせる余地はあるが、そういうところでは紛争が多いわけではないから、訴訟の経験が手薄になる。弁護士といえども、情報交換しつつ訓練しないと訴訟の腕が上がらず、いい準備書面が書けないらしい。渉外専門の事務所だと、弁護士になって10年位経っても裁判したことがない弁護士も居るとのこと。訴訟代理人を選ぶ時は、どういう事務所を経てきた弁護士かというのは、結構重要な情報になる。
 ただ、訓練を受けられない弁護士が増えて、薄利多売で紛争を引き受けるようになると、訴訟代理人が居るのに双方の準備書面が意味不明、という事態も起こりかねず……。価格の安い手抜き準備書面というのがあり得る。本人訴訟であれば、訴訟を進めるのが難しそうなら裁判官が弁護士をつけるように言うことがあるそうだが、既に弁護士がついていて弁論が意味不明な事態になったら、裁判官は一体何と言うのだろう?
 実際、弁護士の名前で内容証明が来て、弁護士を問い詰めたら「私は記載の内容までは知らん」と言われ(だったらそんなもん出すなよ)、訴えてみたらその弁護士はおろか誰も出てこない、という事件があったということ。変な弁護士に当たるケースもこれからは増えるのかもしれない。

 
 訴訟資料持ち歩き用のファイルは特別製らしい。確かに、一般の文具売り場では見かけない。なかなか便利そうだし、他でも使えそうなので、購入方法を今度教えてもらうことにする。

amazonを使った新手の嫌がらせ

Posted on 3月 18th, 2008 in 倉庫 by apj

 amazon.co.jpの「ほしい物リスト」が、リスト作成者のプロフィールと共に公開されてしまうという件で、先週あたり、ネットが騒然としていた。2ちゃんねるでもスレが立っていた。
 今日になって、「ほしい物リスト」を使った嫌がらせが行われていることがわかった。他人の実名や住所を使って、「ほしい物リスト」に特定の性癖を連想させるものを大量に登録するという嫌がらせである。
 お堅い職業の人の本名を騙って、その人が男性であれば、例えば「生ハメ○○」「痴漢○○」といったタイトルのビデオや本、女性向けランジェリー製品といったものを大量に登録すると、架空の性的嗜好を演出することができるし、商品の選び方次第で「変態」のレッテルを貼ることが可能になる。
 amazon.co.jpを使っている人は、一度自分の名前でチェックして、おかしなことになってないか確認した方が安全だろう。知らないうちにとんでもない趣味の持ち主にされているかもしれないから。

【追記】
 対amazon.co.jpには、名前を使われた人には「自己情報開示請求権」があるので、作成者のメールアドレスや書き込んだ時のIPアドレスの開示を求めるのが最初にすべきことである。拒否されたら、発信者情報開示請求の手続きに入り、IPとプロバイダを特定した後で、今度はプロバイダに対して発信者情報の開示を求めるという手順で、いたずらした人を特定することになる。