本日の学生実験
学生「先生、緩和時間の値が負になりました」
私「哲学的ではあるが、科学的ではないねぇ……」
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議論というよりまだ雑感の状態なのだけど。
主義主張思想の内容を問わず、他人に自らの信じるところを伝えようと思ったら、言葉を尽くす以外に方法はない。
「水からの伝言」は、ニセ科学(というかむしろオカルト、迷信の類)であると同時に、言葉を蔑ろにする話である。文脈から単語を切り離してその善し悪しを水に判定させるという代物だからである。
世の中でしばしば行われている「レッテル貼り」では、言葉を使って人にレッテルを貼る。「科学原理主義者」「右翼」「左翼」など、いろんなレッテルが存在するが、全て言葉によるものである。ところが、「水からの伝言」は、水結晶という自然現象を使って言葉に「良い」「悪い」のレッテルを貼るという話である。このような話は、言葉と思考が分かちがたいという認識を持っている人には、受け入れられるものではないはずである。言葉を伴わない思考は無いし、言葉は思考の道具であり武器でもある。
言葉で相手を記述するつもりならば、レッテルを貼るという方には行かないし、言葉そのものにレッテルを貼ることの無意味さにも同時に気付くのではないだろうか。
「水からの伝言」を「いい話」だと思う人と、他人に平気でレッテルを貼る人が、かぶってるんじゃないかと思ったりしたもので、メモ代わりに置いておく。
学生「先生、緩和時間の値が負になりました」
私「哲学的ではあるが、科学的ではないねぇ……」