トンデモ本大賞
と学会恒例イベントのトンデモ本大賞が池袋であったので行ってきた。
受付で配られたのが「と学会経由水」のペットボトル。製造元のホームページを見ると、「キルリアン写真」が出ていたりするとかで、ネタとして特注ラベルをつけてもらうように発注したとのこと。ラベルに曰く、
この水はと学会を経由してお手元に届きます。この水は「ありがとう」という紙を張っても味は変わらないでしょう。この水は凍らせても多分綺麗な結晶にはならないでしょう。また、このペットボトルは魔除け・魔寄せに使用できるかも知れませんので、興味のある方は自宅に持ち帰って部屋に飾りましょう。興味の無い方は、空容器をキチンとゴミ箱に捨てましょう。ポイ捨ては厳禁です。(なお効果があった場合、因果関係を証明する有意なデータと共にと学会にご連絡ください。但し、効果確認の際に生じた結果に対しての責任は負いかねますので、あくまで自己責任での効果確認をお願いします)
商品は「阿蘇のメイスイ」。製造者は熊本県の丸富産業株式会社。
前半は、「と学会結成秘話・山本ひろし物語」上映と、お祓いと、例会のエクストラ版。候補作の紹介の後休憩。その後、杉ちゃん&鉄平の演奏会と、活弁士坂本頼光(さかもとらいこう)氏によるアニメ活弁とMAD映像を使った活弁。
芸人さんが来ると、本当に会場が華やかになる。
杉ちゃん&鉄平の演奏で、バイオリン一つでfax受信音や、救急車やパトカーの音、電車の踏切の音を出したのには驚いた。バイオリンってこんなに表現力の高い楽器だとは思ってもみなかった。
坂本氏の活弁も見事だった。今では映像と音声が一緒なのが当たり前なので、音声無し映像を活弁で楽しむというのは珍しい経験だった。さらに、オリジナルアニメの内容が……^^;)。「サザザさん」という、サザエさんのパロディー(絵柄は長谷川町子+水木しげる)で、絵の方も坂本氏が作った。版権の問題もさることながら、内容が不謹慎すぎて、絶対テレビには出ることができないから、ライブでしか楽しめないという……。活弁士は全国に10人程度居て、老人ホームの慰問などをこなしている。その年代の人達が映画を見ていた頃は、活弁士の声で楽しんでいたから、昔の通りの上映は人気が高いのだそうで。
大賞は、『富を「引き寄せる」科学的法則』ウォレス・ワトルズ著(角川文庫)。
今回のノミネート本は例年より小粒だったので、なかなか大爆笑の連続にはならなかった。
遠隔地に居る関係で、準備には全く貢献できなかったし、当日も会場にたどり着くのがやっとだったので、物品販売等をすることもできなかった。仕方がないので、終わった後、客席のゴミ拾いをする役に加わった(清掃業者も入っているようだが、あまりにもゴミが多いと次年度から会場使用に難色を示されることがある)。荷物の搬出の準備が整ったあたりで、運営スタッフの記念撮影の後、会員全員の記念撮影をして会場では解散。
2次会、3次会を秋葉原で行った。
と学会の方はシャレで水を発注したが、会員の一人は親戚から水を勧められて困っているとのことだった。
まず、「この水がいいのよ」と九州あたりから送ってくる。長期保存できないので、頻繁に送ってくる。いい返事をしなかったら、今度は三十数万円の浄水器を送ってきたので、取り付けることになった。さらに、「最近からだの調子どう?」「良くなったでしょ」などと、頻繁に訊かれてチェックされる。ここで、「全く変わりませんね」などと言ったら最後、人間関係が悪くなる上に、勧誘がさらにエスカレートするので、嘘でも「そういえば調子いいですね」などと話を合わさなければならない。また、怪しい水を信じている人は当然「波動」も信じていて、「波動」が正しいという前提で全ての話をする。その話にツッコミを入れていると、「波動を信じていない」ことがバレ、波動を信じない人はもうどうしようもない人、の烙印を押される。そして、この人には何を言っても(波動を理解できないのだから)無駄という判断となった場合、あきらめてはもらえず、「まずは飲んでみて、体験してわかって」という方向に勧誘が切り替わる。つまり、本人に体験させて信じさせようという作戦である。
ビリーバーとはどうやっても言葉が通じることは無いらしい。
来年は、みらい座いけぶくろで6月6日に開催される。
補足:本日会場で購入した同人誌等
・本家立川流 第8号
・本家立川流 四五六合本号
・面白漫画俱楽部同人誌 vol.1
・ぶっとびマンガ大作戦 vol. 11
・オタク的翻訳論 巻一
・オタク的翻訳論 巻二
・日本トンデモ本大賞公式記録2003~2007(会員には無料配布)
・美少女ゼミ教授立川談之助 手拭 (立川流の本を買うと無料配布)
・刑事クラ(杉ちゃん&鉄平、音楽CD)
ここからは旧ブログのコメントです。
by 石田剛 at 2008-06-00 11:10:00
やはり「ビリーバーは説得できない」のか?
石田も最近、ビリーバーの人と会話する機会があったのですが、とりあえず日本語は通じていない様子です。もしかしたら、汎銀河公用語なら通じるのかもしれませんが、石田は習得していません。
やはりこの問題は「ビリーバーは説得できない」で完了なんですかねぇ。この石田が会話したビリーバーの方は、説得したい事情がちょっとだけあり、なんとかできないか石田の方でかんがえ中なんです。
もっとも、その試みはむしろ「説得」ではなく「マインドコントロールを解く作業」になりそうな気が、今のところしています。
by apj at 2008-06-37 20:02:37
Re:トンデモ本大賞
石田剛さん、
>むしろ「説得」ではなく「マインドコントロールを解く作業」
全くその通りだと思います。
脱洗脳作業になるのは、信じているものがニセ科学やオカルトに限りません。たとえば、マルチ商法の勧誘を受けて「絶対儲かる」と信じ込んで周囲のアドバイスに耳を貸さず、友人知人を勧誘対象にするようになった場合も、やっぱりマインドコントロールを解く作業になります。マルチの場合は周囲で注意して商品を買わなければ割と早く借金を背負うという現実が突きつけられるため、本人が気付くきっかけになりますが、擬似科学やオカルトの場合は、信じたことによる被害を本人が認識しづらいので、脱洗脳は難しいかもしれません。
by wakashimu at 2008-06-14 03:54:14
wakasimuです
と大賞きていらしたんですか!?
R社のブースでスーツ姿で販売やってた不健康そうな男がワタシでした。すれちがったりしたんでしょうか。気になります。
by apj at 2008-06-47 05:35:47
Re:トンデモ本大賞
wakashimuさん、
来ていました。
ただし、いろいろあって、事前に何か運営に協力するのも難しかったので、師匠の冨永教授夫妻と一緒に楽しむつもりで、3人分まとめてS席チケットを押さえました。みらい座の入り口入って左側奥の小部屋でも販売がありましたが、私はそちらには行っていません。受付後、立川流の同人誌などの並びをざっと見て本を購入し、そのまま会場に居て、終わった後は杉ちゃん&鉄平のCDを買ってサインをもらいました。
多分、来年も、余程のことが無ければチケットを買って参加すると思います。
by apj at 2008-06-28 10:17:28
それはともかくバッジが^^;)
トンデモ本大賞に参加するたびに毎年思うのだけど、登録証の「と」バッジが、少年探偵団(by江戸川乱歩)のBDバッジに見えて仕方がないんですよね。
と学会員は全員20個常備していて、トンデモを追跡していて拉致されると、怪しい洋館が建ち並ぶ裏通りの移動経路に沿って「と」バッジが落ちているとか。「ぼくらはトンデモ探偵団~」といった替え歌フレーズが頭に浮かんでみたり。
by 浮遊子 at 2008-06-43 20:45:43
Re:トンデモ本大賞
おはようございます。
しばらくご無沙汰している間に、大変なことになっていますね。
まあ、なにごにともネバーギブアップの貴方のことですから、へこたれないとは思いますが、小生も陰ながら応援してます。
何しろ、このような悪質な輩は徹底的に撲滅したいものです、まさに
神がかりの問題だから難しいですが・・・。
by 元洗剤屋 at 2008-06-47 01:26:47
Re:トンデモ本大賞
「阿蘇のメイスイ」とは縁があるらしく、先日この会社の社長とメールや電話で商談させていただきました。
お客様の情報を収集している時に、このキルリアン写真のような情報に当たると[:キャラしょんぼり:]としますが、こちらの話にはなるべく触れないように商談しています。
この水といい日田天領水といい、九州の水にはわけのわからない効力を付けたがる成分が入っているのかもしれません。
自分も九州の水を飲んでいたのですけど・・・