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「事象の地平線」過去ログ倉庫

Posted on 6月 13th, 2008 in 未分類 by apj

 旧ブログの、「事象の地平線」の過去ログ倉庫を作った。ここのシステムと同じ、pplogp beta 2で管理している。

 過去ログ製作手順は次の通り。
(1)pplog2で作っていたblog全体を新サーバにアップ。
(2)pplog2ini.php内の、旧URLや旧パスを全て新サーバのものに置換。
(3)ファイルとディレクトリのパーミッションを、インストールガイドに合わせて変更。
(4)新サーバのindex.phpにアクセス。不完全な形で表示される。
(5)左側adminメニューをクリック。パスワードを入力。
(6)過去ログのエクスポートを選ぶ。pplog2/log/backup_pplog2.xmlができる。
(7)バックアップ置き場のディレクトリ(今回はehold)を別に作る。
(8)pplogpで、blog作成を実行。置き場所としてeholdを指定。
(9)ehold内に新規のindex.phpができる。
  (10)今回は、たまたまconfigファイルに変な改行コードを入れてしまっていたので、index.php内のURLも改行されてしまってそのままでは動かなくなった。一旦ダウンロードしてエディタで改行を消して、再度アップする。
  (11)pplogp/master/masterblog/blog.php内の、新規製作blogの情報のうち、2番目にURLが書かれる筈の場所がhttp://までで切れてしまうので、新blogのURLを全部記載(1番目に書かれたものと同じにする)。internal server errorが出たが、この修正で回避できた。
(12)backup_pplog2.xmlを、pplogp/backupにコピー
(13)管理画面のウェブログ再選択から、過去ログ用blogを選ぶ。
(14)管理画面から、データ:インポートを実行。自動でpplog2のログだと判断してくれるので、旧blogの内容へのフルパスとフルURLを入力し、実行
(15)インポートされると、pplogp/backup/ackup_pplog2.xmlの名前が、backup_pplog2_end1213363259.xmlのように変わる。さらに、pplogp/mainlog/logの下に、*-****.phpのような名前(*は数字)のファイルができる(最初の数字は、何番目のblogかを意味している)。
(16)サブタイトルやプロフィールを適当に書き直したら、ファイル再作成(再構築)を選ぶ。新blogのディレクトリに、数字.htmlというファイルがたくさんできる。
(17)管理メニューから、設定を選び、コメントとトラックバックを不許可にする。このとき、表示を動的に行うと、既についているコメントまで表示されなくなるので、表示は静的に行うようにする。
 そのかわり、いかにも入力できそうなフィールドが残ってしまった。消す方法がわかったら対処するかも。書き込んでからPOSTが機能しないことを知っても、八つ当たりはしないように。コメントを受け付けない旨トップににも表示してある。

 過去ログ倉庫製作にあたって、ファイルサイズが問題になった。Rocomotionさんの提供するblogは、データベースを使わないため、本文とコメントが長くなっても、何の問題もない。ところが、当初、編集してコンテンツ移動を考えていたGeekLogは、バックエンドにMySQLを使っており、テキストフィールドにつっこめる文字列サイズが65535バイトと決まっている。このため、長いエントリーは分割しないと入力ができないので、不便である。もっと長い文字列を格納できるようにデータベースのスキーマを変更しても大丈夫かという質問がGeekLogのフォーラムにもあったが、回答はなく、ちょっと自分で人柱になる余裕もなかったので、pplogpを使うことにした。
 旧blogの議論のうち、資料的に意味のあるものについては、じっくり選んで記事としてGeekLogの方に移してみようと考えている。

某社の方が営業に来られました

Posted on 6月 13th, 2008 in 未分類 by apj

 某有名測定器メーカーの方が大学に営業に来られて、研究室で名刺交換した。
 このシチュエーションだと、今年度新しくなったカタログの頒布だとか、営業担当者の交代の挨拶だとか、新開発した製品の案内といった流れになるのが普通である。ところが、今日のはちょっと違っていた。
 営業の方が出したのは、NEDOの研究公募の案内。パンフレットを渡されて、「今年はこんなテーマがあって、研究費の方も科研費よりは一桁金額も高く……」と説明が始まった。
 「要するに、他の予算がカットされて装置が売れなくなったので、大学の先生にNEDOの研究費を取るように薦めないと会社としても困るって話ですね」と思わず本当のことを口走ってしまって、営業の方々と大笑いすることになった。
 大学の予算カットの現状を一番良く知っているのは、大学に実験器具等を納めている業者さんだったりするわけで。

 産官学連携はどこの大学でもやっているが、官の予算を学がとって産に流すために産が学に「プロジェクトに応募してほしい」と営業するというパターンはちょっと斬新だと思ったし、ここまできたか、とも思った。官の予算を産が取るために学が協力、とか、官の予算を産のどこに配分するか決めるために学が官に協力、というパターンはよく見かけるのだけど。

水からエネルギーを……

Posted on 6月 13th, 2008 in 未分類 by apj

 コメントをいただいたので、エントリーを作っておく。
 ネタは、GIGAZINEのこれ→水から電流を取り出すことを可能にした新しい発電システム「ウォーターエネルギーシステム」を見に行ってきました
 ニセ化学だろうという指摘もある。
 最大限善意に解釈しても、水を利用した蓄電池以上のものではない。
 化学反応でエネルギーを取り出して何かに利用する場合は、不安定な物質の組みあわせ(例:酸素ガスと水素ガス)が反応して、よりエネルギーの低い状態になる(例:水)ときのエネルギー差の一部を利用するしかない。
 エネルギーの低い、より安定な状態からエネルギーを取り出すには、(1)もっとエネルギーの低い別のものに変化させるか、(2)別の方法で予めエネルギーを与えて不安定な状態にし、うまくその状態をコントロールしながら、より低いエネルギーの状態に戻る時のエネルギー差を利用する、という方法しかない。出発点が水の場合、特に水しか使わないと主張している状況では、(1)は考えにくい。であるならば、いかに宣伝文句で飾り立てたとしても実態は(2)だろうということになる。
 ところで、化学反応の過程でも物理的な過程でも、余計な過程を挟めば、エネルギーの変換効率が100%では無い以上、必ずロスが生じる。つまり、元のエネルギーをなるたけそのまま利用するのが最も効率が良く、途中で変換すると、どうやったってエネルギー的には損をする。
 元のエネルギーのあり方を変えるのであれば、損をした分を上回るメリット(貯蔵のしやすさや取り扱いの容易さといったもの)が無い限り、意味がない。
 触媒の役割は、反応のエネルギー障壁を下げる意味しかない。放っておいても、エネルギー状態が高→低になるように反応が進むはずのところ、途中の障壁のために反応が進まない時に、触媒を使えば、壁の高さが減って、うまく反応が進むようになる。あるいは、外からエネルギーを与えて、エネルギー状態が低→高、の反応をさせるときに、障壁が高いと、最初と最後のエネルギー差よりも大きなエネルギーが必要になる。触媒があれば、障壁の高さが減るので、反応のために外から投入するエネルギーが、最初と最後のエネルギー差に近付く。触媒が勝手にエネルギーを発生するわけではない(当たり前だけど、触媒は永久機関ではない)。

 この手の話は、元々のエネルギーがどこにあるかが要注意である。材料として使った物質の形で蓄えられているかもしれないし、触媒といいつつ外から光や電気のエネルギーを与えたりしていないかもチェックが必要である。