藤田教授が血液型にまで手出しした件
ZAKZAKの記事より。
食べ物にもあった!?血液型相性…合わないと体に負担
書店では血液型本が相変わらず人気だが、恋愛だけでなく、食べ物も血液型別に“相性”があるというから驚きだ。れっきとした免疫血清学に基づくものだという。血液型と食べ物の不思議な関係、あなたは信じる!?
【人類の最初はO型】
そもそも血液型はA、B、O、ABの4タイプに分類されるが、基本はO型。歳月を経て他の血液型が誕生したのだという。
「人類の最初はO型で狩猟民族だった。だが、その後、農耕民族の一部からA型が生まれ、遊牧民族の一部からB型が生まれ、彼らが混じり合った結果、AB型が生まれたと考えられる。分類的にはA型はB型に対する抗体を持ち、B型はその逆。O型はそのどちらの抗体も持ち、反対にAB型は抗体は形成しない。この抗体の有無が、食べ物の“相性”も決める」と話すのは、東京医科歯科大学名誉教授で人間総合科学大学の藤田紘一郎教授。
とはいえ狩猟民族のO型は肉食、農耕民族のA型は穀類、遊牧民族のB型は乳製品と相性がいいわけでもないようなのだ。
藤田教授は、人体や食品に含まれる血液型物質(血液型に関係する糖の型など)を調べる免疫血清学の見地から、血液型別にどの食べ物が体に負担をかけずに消化できるのかを研究している。ちなみに、ここで言う体に「合う」「合わない」は、食べ物に対して抗体を「作らない」か「作る」かを意味する。
【B型はラム肉】
「例えばO型の人はA、B型に関係する血液型物質を多く含む肉類を食べると、体が抗体を作ろうとエネルギーを消費してしまう。逆に、AB型の人は、身体に合わない食べ物はほとんどないと考えていい」(藤田教授)。“相性”を見るには、その食品にどんな血液型物質が含まれるかを見なければならない(別項参照)。
続いて、A型とB型。
藤田教授によると、われわれが普段口にする食べ物の多くには、A型やB型に関する血液型物質が含有されているという。そして、両者は常に相反する存在だ。
【A型はウナギ】
「A型の人はB型物質に対する抗体を持っているので、B型物質を持っている食べ物は合わない。B型の人はその逆」
ところでA、B型は、食べ物との“相性”を利用してダイエットも可能という。
「A型の人が、B型物質を含む食品ばかり食べていると、体内の抗B抗体が消費されていく。つまり、無用なエネルギーが使われることになる。それを逆手に取れば、ダイエットに結びつく可能性がある」と藤田教授。
例えば夏バテ防止のウナギや豚肉は、A型の血液型物質を多く含み、A型人にとっては疲労回復になる。
ところが、B型の人が、これらを食べると、A型物質に対する抗体が増産され、疲労回復どころか、免疫血清学的には抗体を作ることで無用なエネルギーの消費につながってしまうのだ。この消費が重なれば、痩せられるのではないか、というのが藤田教授の考えだ。
いずれにせよ、これら「血が騒ぐ食品」をうまく活用して、健康に生かしてみては。
【からだに合う代表的食べ物】
A型 …豚肉、ウナギ
B型 …羊肉、クジラ、ハマグリ
O型 …貝類、ゴボウ
AB型…牛肉、馬肉、コンブ、ソバ、ブドウ
藤田紘一郎教授については、「水の健康学」で、間違いを間違いと見抜けずにやってくれちゃってからは、信用度が下がる一方なわけだが……。今度は血液型に手出しした模様。一体どこから元ネタを仕入れたのだろうか。本人が研究しているという話だが、もともと専門は寄生虫学だったのでは。研究テーマを変えるのはかまわないが、どの程度エビデンスがはっきりしているのか、記者にはもっと突っ込んだ取材をしてもらいたい。この記事を見て、食べ物に対してではなく、トンデモの臭いがぷんぷんしてくるという意味で私は血が騒いだ。
まあ、いろんな食べ物を食べることには賛成だが、血液型とかそういう理由じゃないだろう。血液型の話を信じて食事が偏る弊害の方が大きいんじゃないかと。
ところで、B型の「クジラ」って、グリーンピースに喧嘩売ってるようにしか見えない^^;)。
ここからは旧ブログのコメントです。
by TAKESAN at 2008-07-22 10:41:22
藤田氏といえば
今晩は。
藤田氏といえば、NATROMさんの所で以前採り上げられましたね⇒http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20060602
どうも、生物学的なメカニズムを敷衍して、すぐに行動の次元にまで適用となさる方のようです。
食べ物との「相性」というのは、臨床的・疫学的に研究すべきレベルの話だと思うのですけれど…。
それにしても、ZAKZAKクオリティですね(秋葉原事件の一連の記事で、ZAKZAKの信用は地を突き破りました)。
by apj at 2008-07-38 10:48:38
昔のデキゴトロジーあたりが初出でしょうか
その昔、週刊朝日にデキゴトロジーというコーナーがありまして。笑えるネタが多かったので、高校の頃に単行本を買ったり、文庫化されたものを読んだりしていたのですが、寄生虫の卵を飲んで空港のチェックを通過した大学教授という話題があったのを覚えています。それが藤田教授だったかと。
#デキゴトネタで他に記憶に残っているのは、常夏の島に茄子を植えたら秋に枯れるというイベントが無かったので大木に育ったとか、千葉大医学部周辺の呪われた七天王塚の話とか。
その後、藤田教授の寄生虫本を見かけて読んでみて、それなりにおもしろおかしかったのですが、「水の健康学」あたりから本格的に変な方に行き始めたように思います。
今回の記事についていえば、ZAKZAKの信用も無いけど藤田教授の信用も無いという、2連コンボではないかと。
by Noe at 2008-07-23 18:14:23
Re:藤田教授が血液型にまで手出しした件
花粉症と寄生虫に関しては、なるほどと頷ける点があり、我が家では極度の潔癖症はアレルギーの増加を促すというのが定説となっていますが、それ以降はやりすぎの感がありますね。
こうなってくると、上記の話も単なるまぐれ当たりだったのかと考えさせられます。
by オキナタケ at 2008-07-09 06:17:09
そういえば
私も寄生虫の本は2冊ほど読みました。とても面白かったのを覚えていますが、その中で竹内久美子を好意的に取り上げておられたのを覚えています。あの頃から血液型の話はお好きだったようで、よくない傾向であるという印象を持っていましたが、次第に磨きがかかってきたようです。今後どこまで行かれるおつもりでしょうか。
by kh0705 at 2008-07-30 17:00:30
関連して
現在中央線などの車内モニタで視聴できる番組で、血液型占いというのをやっているのですが、この前何気なく見ていたら、「野菜に血液型があることを知っていますか」ってな感じで食べ物の血液型について説明していてびっくりしました。いつからそんなわけわからん話が出てきたのかと思ったのですが、藤田先生関連ででてきたのかなあ。いずれにしてもJRの車内モニタの視聴率は相当なものではないかと思うので、真に受ける人が続出するとか、当たり前の事実のように流布してしまうとまずい気がします。