生物物理若手の会 夏の学校
表題の所に講師として呼ばれたので話をしに行ってきた。
生物物理に興味を持っていた時もあったが、じきに離れて物理に戻ってしまったので、院生の頃に若手の会に行ったことはなかった。今回呼ばれて行ってみたら、夏の学校の全体のテーマが「脳」(大汗)。私にとって、脳の研究は、潰れた経験しか無いわけだが……。
まあ、オーガナイザーの趣味(?)で、水の分光の話やら研究の紆余曲折の話やらをやることになっていたので、客層が違ったらどうしようかと思いつつ話をしてきた。聞いてくれた学生・院生の皆さん&大学スタッフの方々、ありがとうございました。
先ほど、無事に山形に戻った。
blog見てますよ、と言ってくれた方も何人かいらっしゃったので、紆余曲折の方の追加情報をちょっとだけ。
脳の研究をやめる後押しになったのは、故松本元先生の講演を仕事でききに行かされたことによる。集中豪雨の日で、足首まで水に浸かるハメになった。そのときの講演のテーマは「愛は脳を活性化する」。教授に振られた仕事でやむなく悪天候をついて出かけたわけだが、講演内容には大変に感激し、「脳の研究は私の脳にダメージを与えている」という結論に至ったので、研究テーマを変える決心がついた。
千葉の放医研に行った時は、呼んでくれた先生が「これで安心してイギリスに行ける」と、来たばっかりの秘書さんと私を置き去りにして長期出張をかましてくれた。ついでに、隣の研究室で「気」の研究が始まって、気功師が出入りして妙に怪しくなっている有様。さらに、意識が量子力学の観測結果に影響すると主張する人が来て、物理学会の生物物理のいつぞやのセッションに出しており、素核宇宙以外は秋の分科会は同じ会場だったので、後からその人に「同じ会場で発表したのは私たちだけでしたよね」と親しげに声をかけられて、内心で「一緒にするなー!」と思いながらひきつった笑いを浮かべるしかなかった(私はラマン散乱の発表をしていた)。これはあちこちでも書いているので、読んだことがある人もいると思う。別冊宝島「トンデモさんの大逆襲」に、気の研究に科技庁が1億円つけたと書かれた件で、私はその時傍に居た。
#しかし、「若手の会」と名のつくところに参加するのではなくて、呼ばれて話をすることになると、「歳を取った」気がするよなぁ。実際その通りなんだが。悪魔の辞典風に説明すると「若手の会:客観的若手と自称若手の参加によって成り立つ会。講師に招待されるのは、年寄りのレッテル貼りである。」かな^^;)。
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