毎日jpの記事より。
キャンパる・なにコレ!?:大学生向け家庭教師
◇「授業ついていけない」増加で
中高生向け家庭教師派遣で30年以上の実績を持つ「お茶の水WELLSグループ」は、3年前から大学生を対象にした家庭教師を派遣している。相談者からの要望が多かったために始めた。利用学生は年々増えており、「その背景には授業についていけない大学生の増加がある」と同グループ教育コンサルタントの田中淳さんは話す。
利用学生のトップは薬学部、それに続くのも理系の学部が多い。そのため、ニーズが高い科目は数学、物理、化学、生物など。また仏語のように大学で初めて学ぶ語学系の科目も需要がある。さらに、ごく少数だが、司法試験や留学を目指す学生もいる。
家庭教師の仕事は分からない問題を教えることではなく、自己解決力を身につけさせること。予習復習のペースを作ることで、状況が改善されれば独学することを勧める。「学生一人一人が違うので、すべてがオーダーメードである必要がある。だから家庭教師なんです」と田中さんは言う。
担当の教師は、登録されているプロの家庭教師や大学の臨時講師らから適任者を探す。大学生でも基礎科目なら問題なく教えられるが、専門性の高い科目となると要望に応えられないことがあるからだ。
派遣先は、最初は付属校の内部推薦生やAO入試で入った学生が多かったが、最近は一般入試で入った学生も少しずつ増えている。ゆとり教育の影響や、大学の授業が難しくなっていることが一因だが、学力の遅れを周りに相談できない孤独な学生が増えていることも原因にあげられる。そういう学生はまじめで、友人が少ない人が多いため、相談できないまま問題が深刻化してしまうという。問い合わせの電話は、半分は学生、半分は親によるものだそうだ。
利用している学生は何百人くらいですか? 「そんなにいたら大事件ですよ。数十人程度ですね」と笑う田中さん。笑っていられる現状が続くことを願う。
毎日新聞 2008年7月4日 東京夕刊
専門性の高い科目を教えられるとしたら、当の大学教員が最も適任なわけだが……(適任じゃないから家庭教師が要る、という話なのはわかるが、マンツーマン指導では普通の講義とは教え方が変わるから、こなせる人はそれなりに居るかも)。で、大学が冬の時代で倒産しかねないとなると、こういうところで元教員が教える側になったり、減給されて食うに困った教員がバイトしたりということが、冗談抜きでありそうな気がする。
ただ、この大学生向け家庭教師、ある意味安全かもしれない。というのは、あちこちの大学でカルトにはまる学生が出て問題になっているのだが、勧誘の手口が、入ったばっかりで心細い思いをしている学生に近付いて夏頃まで友達の振りをしてすっかりうち解けた後、カルトに引っ張り込むというものだったりする。親切な先輩の顔をして勉強の相談に乗るなどというのは、すぐ脇に落とし穴が用意されている場合もある。業者がやっている家庭教師だと、人選のチェックさえきちんとできていれば、カルトに引きずり込まれるおそれは無いし、家庭教師の方にくっついて勉強していれば、カルトの勧誘にひっかかる余裕は無くなるのではないか。