ムペンバ効果調査中(4):J-CASTニュースの記事
「水よりお湯早く凍る」論争沸騰 日本雪氷学会で本格議論へ
8月1日20時55分配信 J-CASTニュースNHKの番組が紹介した「水よりもお湯の方が早く氷になる」実験を巡り、ネット上の議論が盛り上がっている。早大の大槻義彦名誉教授はブログで、水の方が早く凍る実験結果を示し、NHKを再び批判。物理学者らの間でも関心が高まり、日本雪氷学会で研究者らが本格的に議論することになった。
■実験した大槻名誉教授が再びNHK批判
J-CASTニュースが2008年7月26日付記事で取り上げたNHK「ためしてガッテン」の実験は、その後も真偽を巡ってネット上の議論が沸騰。記事も、同ニュースサイトのアクセス・コメント両ランキングで、現在もベスト10の上位に入る人気になっている。
コメントを読むと、自ら実験したとの報告がいくつかある。いずれもNHKの実験結果とは異なるものだ。例えば、
「僕は試してみました。ポットの湯と水をそれぞれ50ccずつ、計4個の同じコップに入れて30分。先に凍り始めたのは水が入った2個のコップでした」(高草山さん)
「盛り上がっているので実際に自分ちでやってみた!容器を一緒に並べて置いたらやっぱり水のほうが早く凍ったよ!! 2回やったけど同じ」(ぱくさん)
ちなみに、J-CASTニュース編集部が社内の冷蔵庫で一度試してみたところ、同様な結果だった。
NHKを批判した早大の大槻名誉教授は、ブログの7月31日付日記で、「実験やったか?」と多くの批判を受けたと告白。お湯の方が早く凍るムペンバ効果について、「熱力学の基本法則からありえません」としながらも、重い腰を上げて実験に取り組んだことを明らかにした。
大槻名誉教授は、6区画の製氷皿、ペットボトル、プラスチック製まな板で実験した。冷蔵庫の冷凍室に入れた結果、1区画を除く製氷皿とペットボトルで、お湯より水が先に氷になった。これはコメントと同じ結果だ。お湯と同時だった1区画については、蒸発熱、過冷却など「偶然上の要因」と論じている。
一方、まな板では、お湯の方が早く氷になったという。しかし、「板の上に広く広がり、極端に蒸発熱が奪われ、また薄いお湯の層は、すぐ下地の板の温度になるため」としている。
結論として、大槻名誉教授は、「NHKの主張は正しくありませんでした」と断言している。
■複数の条件下ではありうると北大名誉教授
では、10回以上も予備実験に成功したとするNHKの論拠は何なのか。
NHK広報部では、「複数の条件で実験を繰り返した上で、高温水の方が早く氷ができ上がることを確認し、番組を制作しました」とだけ説明する。とすると、「複数の条件」以外では、ムペンバ効果が現れないということなのか。
「ためしてガッテン」の実験を監修した北大低温科学研究所の前野紀一名誉教授は、こう解説する。
「普通は、お湯が先に凍るということはありません。番組では、そういうことがあると言っているのです。それは、お湯と水などの温度の組み合わせ、容器の形や大きさ、冷凍室の温度、空気の対流といった条件によってです」
前野名誉教授はそのうえで、まな板ではお湯が早く凍ったとする大槻名誉教授の報告について、それはムペンバ効果が起こることを証明したと指摘した。
「効果的になるような条件を作って実験をやれば、ムペンバ効果が起こるということです。まな板と同じメカニズムが働くような工夫をすれば、ほかの容器でも起こりえます」
製氷皿の1区画でお湯と水が同時に凍ったことについても、同様だとする。「冷凍室の真ん中と左右では、空気の温度が違うはずです。また、食品があるかでも条件が違い、空気の動きを調べないと効果を否定できません」。ペットボトルについては、蒸発熱が発生しないので効果はありえないという。
一方で、前野名誉教授は、家庭で手軽に実験できるのがいい点としながらも、ムペンバ効果そのものの解明はできないという。「コンピューターシミュレーションでも解明できないような難しい現象が、単純な形で現れているからです。物理の専門家はいかに難しい問題であるかをよく知っていて、プロジェクトを組まないと分からないものなのです」。
そして、東大で9月24~27日に開かれる日本雪氷学会の研究大会で、関心ある研究者を集めて科学的に議論したい考えを明らかにした。
冷却開始温度のみが異なる場合には、偶然お湯の方が先に凍ることもあるけど、それが50%を超えることはない(論文では47%)。要するに、丁半バクチでしかないような話である。
【この部分訂正】過冷却になった割合を私がうっかり勘違いしたので。確率については、調査中(1)のエントリーで紹介した文献中の引用文献[4]に出ている。が、いずれにしても、確率的な現象である。
「前野名誉教授はそのうえで、まな板ではお湯が早く凍ったとする大槻名誉教授の報告について、それはムペンバ効果が起こることを証明したと指摘した。」はちょっとおかしい。元のムペンバ君の報告では、薄く拡げた水ではなくて、容器に入ったアイスクリームや水の話だった。表面の影響が無視できなくなるような場合とそうでない場合を一緒くたにするのは乱暴すぎる。また、NHKの実験はあくまでも製氷皿で、板の上にうすく水を拡げるという話ではない。
ここからは旧ブログのコメントです。
by がんのすけ at 2008-08-54 08:36:54
Re:ムペンバ効果調査中(4):J-CASTニュースの記事
大槻センセの“そんなはずはない”という思い込み論に対して、前野センセの“まな板の上にうすく水を広げるとムペンバ効果そのもの”だとする論は、私のような素人でも「薄く拡げたらすぐに冷めるし。それってもうお湯と違うやろ!」とツッコミを入れたくなる、漫才ネタみたいな話ですね。
つまり大槻センセも前野センセも、五十歩百歩ではないのか、というのが第一印象。喩えは悪いが、場外乱闘みたいな感じなのです。
by 多分役立たず(HNです) at 2008-08-20 11:28:20
言ったもの勝(-。-)y-゜゜゜
> 前野名誉教授はそのうえで、まな板ではお湯が早く凍ったとする大槻名誉
>教授の報告について、それはムペンバ効果が起こることを証明したと指摘した。
前提条件を無視して、都合のよい結果を取り上げて勝利宣言をするとは、いやはや...
タイトルは、記事を読んだときに思わず浮かんだ言葉です。
>大槻名誉教授
テレビ向きのキャラクターということではないでしょうか?
テレビ・ディレクターの要望でああなったのか、ああいった性格だから、テレビによく呼ばれるのか?
by apj at 2008-08-01 11:59:01
同感。で、名前を付け直すところから始めてみては。
がんのすけさん、多分役立たず(HNです)さん、全く私も同感ですよ。
いっそのこと、たとえば、
・第一種ムペンバ効果
ムペンバ君の元の実験を反映した内容で、容器に入れて水を凍らせたときに観測される現象。空気に接している水の表面積は、水の体積に比べて大きくない。
冷却曲線などが測定され、きちんと測定すればお湯が先に凍るのは50%弱であることが確認されている。
・第二種ムペンバ効果
熱湯を低温環境下にばらまいた時に速やかに凍る現象。同じ環境下で何かに浴びせた時等も含む。空気に接している水の表面積が、水の体積に比べて大きく、表面の効果が無視できないどころか、顕著に効いてくる環境で観測される現象。
とでも分けて、精度の高い実験をし、それぞれに対してどう説明できるかをある程度試みた上で、
水の深さと温度を変えて容器で凍らせる実験
を系統的にやって、水の空気に接している面積/水の体積、をパラメータにでもして(これも推測、もしかしたらそれぞれの何乗といった効き方をする可能性もあり)、どの辺から湯が先に凍るか調べる、とかやれば、上手く整理できるかも。
ただ、薄くのばした水の冷却開始条件を一定にするのは大変そうなので、うまい工夫が要りそうですけど。
by BCR at 2008-08-52 16:58:52
名選手かならずしも名監督ならず
前野氏は業績残した方ですが、education というカテゴリには向いていないのだと思います。メディアや一般の方は、業績残していれば、良い先生であると単純に考えますが。
blog に書くことは書いたのですが、コンピューター・シミュレーションを持ち出すことが不要であることについて、うまく表現できません。そもそもコンピューター・シミュレーションとは・・・という前提と、前野氏の発言はマッチングしていないのでは? と直感はあるのですが、未教養なので言語化がうまくできないのです。少し触れて頂けないでしょうか? 考えるヒントがほしいのです。
前野氏にしろ、金森氏にしろ、未知に対する不用意な発言がとてもひっかかります。ムペンバ効果は、金森順次郎氏のいうような「科学の隙間」ではないと思うのです。
by omni at 2008-08-19 03:48:19
結晶核の生成がキーポイントでは?
apjさんのいう、第一種ムベンバ効果については、Physica Aの論文以上の精度を出して実験をしても、それ以上得られるものはないと思います。クライオスタット、石英ガラス製の蒸留水製造装置や容器、クリーンベンチ等々用意したら結構な金額になります。実験精度を上げれば上げるほど、まさに「確率」の話になると思います。
第二種ムベンバ効果については、さしあたりは冷凍倉庫会社の冷凍庫でやってみれば見当がつきますが、お湯の温度と冷凍庫の設定温度をパラメーターにしないといけないと思います。もしかすると、お湯では、湯滴のまわりの水蒸気が瞬間的に凍結し、空気と湯滴の界面に結晶核がたくさんできて、凍りやすいということがあるかも知れません。(たぶん、お湯の方が界面張力が小さくなるので、水滴が小さくなることもあるかも知れません。)それにお湯の体積やバラ撒き方、水鉄砲で撒くのか、バケツで撒くのかによっても変わってくると思います。
前野さんが、「氷の科学」という本を書いているようなのですが、
>「コンピューターシミュレーションでも解明できないような難しい現象が、単純な形で現れているからです。物理の専門家はいかに難しい問題であるかをよく知っていて、プロジェクトを組まないと分からないものなのです」
という発言には、率直にいって見識を疑います。そんな難しい問題でしょうか。あるいはまた、私は専門家だから、「あなた達に判るはずはない」とでも言いたいのか。それに、コンピュータシミュレーションさえできれば、解明できたことになるのでしょうか。何だかこけおどしみたいです。
>東大で9月24~27日に開かれる日本雪氷学会の研究大会で、関心ある研究者を集めて科学的に議論したい考えを明らかにした。
前野さんには、リップサービスでなく、是非そうしていただきたいです。雪氷学会でどういう議論がでるのか、非常に興味があります。しかし、何だか他の研究者に下駄を預けて、逃げているようにも見えます。それに、apjさんが紹介してくれたPhysica Aに示された以上の実験データがなければ議論のしようがないでしょう。
それにしても、大槻さんの「まな板」の実験はちょっと情けないと思います。表面の包丁傷やざらざらやゴミや汚れなどは、表面張力や核生成に関係しますが無視なんでしょう。お湯と水の厚さや面積をどうやって揃えたのでしょうか。それに、温度分布がある家庭用の冷凍庫では、まな板の上の薄いお湯の膜と水の膜の凍る時間が、置かれた位置で逆転するのはむしろ当然でしょう。これをムペンバ効果の証拠という方も、氷の専門家とはとても思えません。
ムベンバ君の実験にしろ、大槻さんの追試にしろ、良く検討されていない、あらっぽい、精度のない実験です。それでは話が混乱するばかりです。研究者に気楽に「実験をして確かめろ」という人がよくいますが、精度を上げた系統的な実験をするには、お金も時間も人手も神経もたくさん使うことになり大変です。再現性が得られるまで追い込むのは大変で、ちょこちょことやってすむことではないです。
ところで、結晶成長を研究していると、過冷却はしょっちゅう観察されます。ある化合物を融かしていくと、教科書通りの融点で融けますが、次にその融液の温度を下げていくと、固化温度は融点よりも下になり、しかもバラつきます。むしろその方が普通です。過冷却の融液がドスンと固まらないように、普通は種結晶を使います。チョクラルスキー法とか、種付けブリッジマン法とかです。もちろん種結晶は、結晶の成長方位を制御する目的もあります。もし、なんらかの方法で、種の氷をおけるのならば、ムペンバ効果は現れないかも知れません。先端を毛細管にしたガラス管を何本か用意して、それぞれにお湯と水を入れ、-20℃程度の氷または冷媒に突っ込むと、毛細管内での氷の核生成が速くなり、お湯と水の全体が凍る速さは、水の方が速いという常識的な結果になるような気がします。
by Tama at 2008-08-13 00:11:13
Re:ムペンバ効果調査中(4):J-CASTニュースの記事
>omniさん
>>「コンピューターシミュレーションでも解明できないような(ry
この件ですが、寄る立場の違いのようにも思います。
「確率的」な話であると考えているならこけおどしみたいともなるのでしょうが、彼らはこれをシミュレーションで再現出来るほどに条件を突き詰めて確率ではない話にしたいのではないでしょうか。これは間違いなく難しいです。
とはいえ、ペットボトルでは効果がありえないとしているあたり、確率的な話じゃないなにかを前提にしているようでもあります。「第二種ムペンバ効果」の話をしているだけかもしれませんね。
まあ、再現出来るだけのパラメータが判明したとしても、実際に制御出来なきゃ工業的には意味薄いんですけどね。ガッテンが今後どうフォローするのか(またはしないのか)が、私の一番の興味です。
by すとんぴぃ at 2008-08-39 21:46:39
Re:ムペンバ効果調査中(4):J-CASTニュースの記事
精度を上げた系統的な実験からは、多くの事が得られる可能性はあるが、
精度が高くない系統的で無い実験から何も得られないわけではない。
都合があって実験しないのは個人の自由だが、
「精度を上げた系統的な実験ができないから」というのを
言い訳にしているようでは情けない。
そういう人はきっと科学に向いていない人だ。
by apj at 2008-08-50 22:13:50
インチキ擁護ですか?
すとんぴぃさん、
なんか、インチキ商品の体験談を正当化する理屈と重なって、えらく既視感がありますね。
>精度を上げた系統的な実験からは、多くの事が得られる可能性はあるが、
>精度が高くない系統的で無い実験から何も得られないわけではない。
この主張、実に、体験談だけでインチキ商品を売りたい人にとって都合がいいですね。
>都合があって実験しないのは個人の自由だが、
>「精度を上げた系統的な実験ができないから」というのを
>言い訳にしているようでは情けない。
労力と金を無駄にしろという薦めですか?w
真面目にレスしておくと、精度を上げない簡単な実験でいい場合というのも確かにあります。そういう実験は、教育用の演示実験になっていたりします。
現象自体がはっきりしないときに、精度の悪いでたらめな実験をしたって、混乱が増えるだけの話。
>そういう人はきっと科学に向いていない人だ。
あなたが科学を全く理解できていないことが、大変よくわかりました。
by すとんぴぃ at 2008-08-30 03:04:30
Re:ムペンバ効果調査中(4):J-CASTニュースの記事
> 労力と金を無駄にしろという薦めですか?w
科学の目的は『結果を出す』ことだけなんですか?
科学を楽しむ事は無駄なんですか?
> 現象自体がはっきりしないときに、
いやいや。突破口は綺麗な実験結果からだけ開けるものと
決め付けるのはおかしい。そりゃ、高い器具で金と時間を
かけて実験するのはベストですが。
しかし、突拍子のない所から壁が開けたりもします。
大失敗からヒントを得てノーベル賞を得たりなんて話は、
ちょっとでも科学に興味を持っている人なら
いくつかあげれるでしょう。
> あなたが科学を全く理解できていないことが、大変よくわかりました。
科学を楽しめない、科学に興味を持てないのなら、
科学に向いていないでしょw
by apj at 2008-08-59 03:32:59
apj
すとんぴぃさん、
>科学の目的は『結果を出す』ことだけなんですか?
自然をよりよく理解すること、ですね。
>科学を楽しむ事は無駄なんですか?
個人的な主観でもって楽しむのは自由ですが、精度が悪すぎると「科学を」楽しめていません。科学は方法論も含めて科学ですから。
>突破口は綺麗な実験結果からだけ開けるものと決め付けるのはおかしい。
×綺麗な実験結果
○精密な実験計画と測定
>大失敗からヒントを得てノーベル賞を得たりなんて話は、ちょっとでも科学に興味を持っている人ならいくつかあげれるでしょう。
精度が悪いままだったり、大失敗のままではダメってことですね。
>科学を楽しめない、科学に興味を持てないのなら、
>科学に向いていないでしょw
ご自分のことがよくおわかりのようで。
多分あなたが楽しもうとしているものは「科学」ではなさそうですからw。
by すとんぴぃ at 2008-08-50 06:40:50
Re:ムペンバ効果調査中(4):J-CASTニュースの記事
おいおい。俺は金をたっぷり使った実験を否定していないぞ。
ただ、金をたっぷり使えない実験=『労力と金の無駄』
という考えが、情けないし、そんな奴は科学に向いていない
と言っているんだよ。
by TKnB at 2008-08-43 07:34:43
Re:ムペンバ効果調査中(4):J-CASTニュースの記事
初めまして。
前野北大名誉教授と同期の青田北大名誉教授という人がこんなことやってるみたいです。つっこみどころ満載です。
一度も、ムペンパ効果確認出来ていないみたいですよ。
http://www.minyu.ne.jp/digitalnews/080807_3.htm
超ローカルな新聞社の質が問われる様な記事で、青田北大名誉教授の真意がどこにあるのかつかみかねますが、ムペンパ効果と冥王星の裏側(笑)とどんなつながりがあるんでしょうかね。外縁天体探す方が地味な作業だと思うんですが、どうなんでしょ。
by pink at 2008-08-34 10:50:34
Re:ムペンバ効果調査中(4):J-CASTニュースの記事
同じ分野の研究者として口だけ達者ではなく、実験してみてはどうですか?国立大学に所属してるから、もちろん最新の装置は揃っていますよね?
超高純度の水、mKの分解能を持つ温度計、サンプル周りの温度むらが起こらないように、またサンプルに振動が極力いかないように設計した冷却装置、凝固の瞬間がわかるような分光装置などを駆使して精密な実験から出された結果を出してもらわないと、あなたも磁気水の人達と同じ扱いになりますよ。だって口だけですから。
科学者なんだから口で言い負かそうとせず、実験と言う行動で主張してくださいよ。実験方法・結果が良ければ誰も文句言わないだろうし。それができなければ準教授の名が泣きますよ。
by apj at 2008-08-14 11:29:14
状況を見る限り、バルクの水については意味がない
すとんぴぃさん、
>ただ、金をたっぷり使えない実験=『労力と金の無駄』
ではなくて、ムペンバ効果の現状を見る限り、
今更精度の悪い実験=労力と金の無駄
です。
現状で何がどこまでできているかを調べて、どうするか決めるのが普通に科学で行われていることです。
pinkさん、
既に出ている論文(Auerbach, Am. J. Phys. 63(1995)882-)だと、90℃と18℃の水でやっています。水の量は50mlで、良く洗浄した100mlのビーカーを使ったと書いてありました。
>超高純度の水、
これは使われています。2回蒸留して脱気。
>mKの分解能を持つ温度計、
温度制御の精度が±0.2℃でやってますね。
測定はサーミスタ使用。
>サンプル周りの温度むらが起こらないように、
メタノールを冷媒として循環させてます。容量10lのクライオスタットだと書いてありました。
>またサンプルに振動が極力いかないように設計した冷却装置、
置き場所までは論文には書いてませんでしたが……。
>凝固の瞬間がわかるような分光装置などを駆使して
凍る瞬間の観察はしてます。
>精密な実験から出された結果を出してもらわないと、
これ以上精度を上げても、過冷却から凍るプロセスについて何かわかることは無さそうな程度に精密な実験が、時間をおいて独立に2つ行われ、その結果は一致しています。
>科学者なんだから口で言い負かそうとせず、実験と言う行動で主張してくださいよ。実験方法・結果が良ければ誰も文句言わないだろうし。それができなければ準教授の名が泣きますよ。
っていうか、既に精度の高い実験があって、新規なことを主張できそうな余地が無いのに、時間と金をかけて実験する方が間抜けじゃないかと思うわけで。
先に紹介したPhysica Aと、Am. J. Phys.の論文で尽きているだろうというのが私の判断です。でもって、いずれも、
・冷却してく過程で、お湯が低温の水より先に過冷却になることはない
・過冷却になった後、お湯から先に凍り始めることはあるが、確率的に起きる(そもそも凍り始める時間のばらつきが大きいので)。
という結論です。
言い負かすも何も、ビーカーのような容器に入れた液体を凍らせる話はこれで終わりなわけで、この先、実験で立証しなければならない責任を負うのは、この結果に同意している私じゃなくて、「この実験結果に異議を唱える、たとえばNHKのいう意味での、お湯を先に凍らせる方法としてのムペンバ効果がある」ということを主張する人達(つまりこれらの論文の結果を覆そうと試みる立場の人)になります。
磁気水の人と同じ事になりそうなのは、この場合、「お湯を先に凍らせる技術の根拠となるようなムペンバ効果がある」と主張する人達の方です。そういう人が居ればですが。
闇雲に何でも実験するのが科学者だという考え方が間違ってるんですよ。やっても意味がない、明らかに無駄、というものを切り捨てるノウハウの方が実はずっと重要なんです。
だから、NHKのいうことはとりあえず置いておいて、他の先生の言うこともそれなりに棚にあげておいて、まずは、実験の論文を読んでるわけで。読んでみて論文に穴があるとか、無理があると思えばやってみる意味があるし、論文でさしあたり十分と判断すればやる必要無しと判断するのが普通です。
by apj at 2008-08-18 11:57:18
狙いがよくわからないですが、空気中の方かも
TKnBさん、
上の方でコメントしたように、
(1)容器に入れた水を凍らせたときに起きる現象
(2)低温の環境下で空気中にお湯をばらまいたときに起きる現象
の両方を対象にして、ムペンバ効果という言葉が使われているんですよ。
(1)については、既にそこそこの精度の論文が2つあって、問題も見当たりません。既に調べられている、と考えても良いかと。
(2)については、私がまだ論文を調べてないので何とも言えません。NHKのドラマ仕立て実験ではお湯が先に凍っていました。あれが事実で、かつ、まだ十分に調べられていないのであれば、実験してみる意味はあるかと。ただ、雪氷関係のプロがやらないと多分間違える(私がやっても多分変なところではまりそうな)予感がします。
ところで、青田北大名誉教授が先に紹介したPhysica Aと上でちょっと言及した Am. J. Phys.の結果を見ずにやり始めたのだとしたら、やる前に論文を読んでほしいと思います。先に凍った凍らないで一喜一憂するような話ではないので。
by pink at 2008-08-53 12:06:53
Re:ムペンバ効果調査中(4):J-CASTニュースの記事
それは逃げてるのと同じですよ。
自分でも言ってるじゃないですか。
>またサンプルに振動が極力いかないように設計した冷却装置、
置き場所までは論文には書いてませんでしたが……。
完全に穴ですよね。結晶核は振動でも生成されます。同時に実験したとしても、振動のむらはできますよね?日本でのNHKなり他の科学者の発言にケチをつけてる科学者が公に発言してるのですから、完璧な実験をする義務があります。
あと、論文の内容が全て正しいと考えていることがそもそもの間違いです。捏造とまでは言いませんが、隠しておきたい事なんていくらでもあります。それらも全て見抜いていますか?結局は自分でやらないと確信は持てませんよね?なのに明らかに無駄とか切り捨てるとか言ってるのは逃げているのと同意です。
何度も言いますが、口だけ達者でも誰も納得させれませんよ。国立大学所属だから十分高性能の設備を整えられるはずです。逃げないで実験して結果を公表してくださいよ。それでこそ科学者ってものですよ。
by apj at 2008-08-22 12:49:22
Re:ムペンバ効果調査中(4):J-CASTニュースの記事
pinkさん、
>結晶核は振動でも生成されます。同時に実験したとしても、振動のむらはできますよね?
振動があった方が凍るきっかけになるのですから、もし、振動の効果が大きかったとすると、過冷却になってから凍り始めるまでの時間のばらつきは減るはずですよね。
冷却曲線からは、お湯と冷水を同時に冷やせば過冷却になるのはお湯の方が後になってますので、振動の影響が大きくて氷ができやすい状況だとすると、冷水の方が先に凍るということが非常に起こりやすくなるはずです。つまり、先に過冷却になったものが先に凍る。この場合は、大槻教授の主張の通り「お湯が先に凍るなんて有り得ない話」になります。
ところが、2つの論文の実験では、過冷却になってから凍り始めるまでの時間のばらつきは大きいんです。除振が完璧でなかったとしても、先に過冷却になった方が必ず凍る、ということは起きていません。この環境で、凍り始めの時間がばらつく影響によって元々温度が高かった方が先に凍る場合もある、という結果になっています。Physica Aだと半々に近い割合です。
つまり、結晶成長の開始がランダムであるという現象をきちんと拾える程度には、両方の実験とも、他の影響(振動やら水の中のゴミやら)を除去できていると考えて良いはずです。
この状況でさらに精度を上げて実験をしたとしても、50%に近い割合のコンマ何桁が違う、という程度の差しか出てこないだろうと予想されます。
>日本でのNHKなり他の科学者の発言にケチをつけてる科学者が公に発言してるのですから、完璧な実験をする義務があります。
そんな義務はありません。
ところで、水を冷却しながらの測定というのは普通に行われています。ラマン散乱を測定しながらの実験なんか、私もやったし、違う装置構成で私の後輩もやってます。分光実験ですから振動は相当押さえているし、光を当てるから水の中のゴミも、普通の実験よりは取り除いています。この場合も、冷やしていった時に過冷却からどのタイミングで氷ができるかというのは、まちまちです。
凍り始めを調べる実験ではなので、時間について記録していませんが、ばらつきはあります。
紹介した論文は、実際に凍り始めがまちまちであることを改めて確認したものです。普段見ている現象と一致しているものが、さらに精度良く確認されているわけで、私としては積極的に疑う理由が見当たりません。
>何度も言いますが、口だけ達者でも誰も納得させれませんよ。
単にあなたが納得しないだけでは。他人まで巻き込まないように。
>国立大学所属だから十分高性能の設備を整えられるはずです。
とんでもない大誤解ですね。そんな予算はありません。
>逃げないで実験して結果を公表してくださいよ。それでこそ科学者ってものですよ。
ずいぶんと、あなたにとって都合のよい科学者像ですね。
私は論文の結果で納得しているので、やるつもりはありません。
by apj at 2008-08-25 12:55:25
ちょっと質問に答えていただきたく
pinkさん
これ以上私にあれこれ言う前に、あなたが何を論点と考えているかを述べてもらえませんか。
・NHKの主張
・大槻教授の主張
・前野先生の主張
・私の主張
それぞれを簡単にまとめ、どこがどう論点になっているか答えて下さい。つまり、どこが対立していて、どこが一致している(あるいは矛盾していない)かということです。
どうも、私が出している異議の内容がpinkさんに伝わってない気がするので、そこからはっきりさせた方が良いと思うので、念のためにお訊きするのですけれど。
まさか、この質問から逃げたりはしませんよね?私に対して
>日本でのNHKなり他の科学者の発言にケチをつけてる
とおっしゃったわけですから、どこにどうケチをつけているかの説明はできますよね?
by omni at 2008-08-47 18:06:47
精度のない実験ならやめた方が良いときもあります
すとんぴぃさん、pinkさん
企業でも大学でも手持ちの装置で「味見」のような実験をすることがあります。もしそこで、実験の不備やミスにより、一度否定的な結果を出してしまうと、二度とその研究に手を出さなくなってしまい、チャンスを逸してしまいます。それに、誤った実験結果が学会誌などで報告されたら、もっと被害が大きいです。実験の精度とか再現性とかはとてもだいじなのです。
もちろんミスをして大発見、大発明をした例はあります。田中耕一さんもそうです。青色発光ダイオードの発明者の天野浩さんもそうです。天野さんの場合は、サファイア基板の上に、AlNのバッファ層を作ろうとしていて、たまたま装置の温度が上がらなくて、不完全な薄膜しかできなかったのですけれど、その上にGaNの薄膜を成長させてみたら均一な薄膜ができて、青色発光ダイオードの実用化につながったのです。でも、お二人ともいい加減な装置で、いい加減な実験をしていた訳ではないです。常識にとらわれないことが大事なことは、私も身に沁みて判っているつもりです。でも、今回のムペンバ効果の場合とは話が違うと思います。
pinkさん
振動の件ですが冷凍庫をそっと開け閉めする程度や、実験台のまわりを人が歩く程度の振動では、過冷却は破れないと思います。栓抜きでビーカーを叩くような鋭敏なショックなら過冷却は破れると思います。それと、お湯も水も同じ実験台に乗っているのですから、基本的には同等な環境で、確率的な影響しかでないと思います。Physica AとAm. J. Phys.で同一の結果が出ており、それ以上の精度を求めてやるような研究テーマではないです。企業の研究者だって、大学の研究者だって、お金も時間もたくさんあるわけではないです。企業では会社の命令で研究することも多いですが、大学では研究のテーマを選ぶ自由は研究者にあります。ただし、発表された研究結果について批判を加えることは誰がやっても良いです。ノーベル賞受賞者に論戦を挑んでも無礼でもなんでもありません。もちろん礼儀とマナーは守らないといけません。でも、いくらなんでも、野依さんや小柴さんにムペンバ効果について研究しろとは言えないでしょう。
Tamaさん
前野さんのセンスも、青田さんのセンスも私は良く判らないのです。まず、氷の専門家なら過冷却現象くらいは気がついてくれないと。それに、>「コンピューターシミュレーションでも解明できないような。。。」などと難しいことを言う前に、論文の検索くらいしてくれないと。apjさんの次の指摘に尽きてしまいます。
>ところで、青田北大名誉教授が先に紹介したPhysica Aと上でちょっと言及した Am. J. Phys.の結果を見ずにやり始めたのだとしたら、やる前に論文を読んでほしいと思います。
何だか定年退官されて名誉教授になられた前野、大槻、青田大先生方のご趣味につきあわされているような気がしてきました。
by エディ at 2008-08-20 01:22:20
pink氏へ
>日本でのNHKなり他の科学者の発言にケチをつけてる科学者
NHKって、そんなに絶対信用がおける【研究機関】なの?
#報道機関としてもアレだが…。
by 通りすがり at 2008-08-05 19:47:05
Re:ムペンバ効果調査中(4):J-CASTニュースの記事
コンピュータシミュレーションの話等
なかなか面白い具合に盛り上がっている所恐縮ですが。
> 冷却開始温度のみが異なる場合には、偶然お湯の方が先に凍ることもあるけど、
> それが50%を超えることはない(論文では47%)。
47%という数値はどの論文に載っているのでしょうか。
例えば、このブログで引用されている論文
・Esposito, S.; De Risi, R.; Somma, L.
”Mpemba effect and phase transitions in the adiabatic cooling of water before freezing.”
Physica A (2008), 387(4), 757-763.
http://arxiv.org/pdf/0704.1381
に 0.47 という数値が載っていますが、
> In about half (with a total probability of 0.47) of the
> runs performed we have detected a supercooling phase.
つまり実験中に過冷却層の発生が明確に認められたケースの総確率かと。
by apj at 2008-08-06 00:38:06
ご指摘ありがとうございます
通りすがりさん、
コメントの方、訂正しました。
今、文献紹介をやった調査中(1)のエントリーを見たら、この数値には言及しておらず、読んだ当初は気にしていなかった部分で……いろいろコメントしているうちに私が勘違いしたようです。
割合については、引用文献[4]の方に出ていそうです。論文からは確率的な現象であると判断することになりますが、間違って読んだ数値が一人歩きしてはまずいです。ご指摘ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
by エディ at 2008-08-17 10:08:17
pink氏、逃げちゃいましたかね?
>まさか、この質問から逃げたりはしませんよね?
>at 2008/08/09 03:55:25
2週間以上経ちましたし…。
by いろものさんの近所 at 2008-08-17 19:09:17
わたしなりのまとめ
過冷却から氷に変化するタイミングは、偶然に支配されるようである。
冷蔵庫で氷を作る場合は、水温が高い場合、制御系ががんばっちゃうので氷が早くできてしまう事が多い。(コンプレッサーの振動が相転移のきっかけだったりして。。。)
しかし、これは省エネとはならない。
ってとこですかね。
にしても、相転移は私のような素人には想像しづらい現象です。(過冷却のような事が起こると言う時点で)
もっとふつーな人は、指数関数の感覚がないから、冷却されているときの温度変化がイメージできないのだとは思います。
by すとんぴぃ at 2008-09-15 22:00:15
ゆっくり凍らした氷
例のNHKの番組では「ゆっくり凍らした氷は溶けにくい」という事を
放送している部分もあったのですが、それを不思議がっている
人が皆無なのも不思議だ。
あれって解明された現象なのでしょうか?
番組の中では、いわゆる偏光板2枚使って結晶の旋光を
見る手法(名前は知らない)で、普通に凍らした氷の
方が、結晶が小さめサイズでバラバラになっていて、
(例えが悪いが、バーベキュー用の炭みたいなイメージ)
ゆっくり凍らした方が結晶が大きい
みたいな事はしていた。
どうでもいい話だが、バーベキュー用の炭は電気を流さない。
それは分断されているヒビ割れ?(というか隣と綺麗に結合
できていない原子)みたいなものがあまりにも多すぎるからだ。
さらにどうでもいい話だが、非常に細かいヒビ割れが全く
ないアルミの棒は、口で吹くだけで曲がってしまう。
まあ、たかが「ヒビ割れ」であっても性質に影響を与えることが
あるので、ムペンバに関しても何かを見落としている可能性が
あったら面白ろいのに。
by nana at 2008-09-48 15:47:48
雪氷学会にきてください
コメント公開はどちらでもいいです。、情報提供なので。
apj さん、雪氷学会にきてください。
前野氏にしろ、樋口氏にしろ、ずれている気がするので。
お願いします。
以下、seppyotalk からの転載。
————————————————
日本雪氷学会会員の皆さま
北大名誉教授の前野です。重複して受信の方はご容赦ください。
7/6付[seppyo-talk851]と7/17付[Seppyo-Talk861]で概略および予告をして
おりまましたが、雪氷研究東京大会実行委員会の方々のご好意で下記の特別
研究集会を開催することになりました。すでに研究大会HPには案内されてお
りますが、日時・場所は9月25日15時30分・雪氷研究東京大会C会場です。
今回はムペンバ効果に関する最初の研究集会ですから、できるだけ多くの意
見が紹介され議論されることを期待しています。ただし、あくまでもサイエ
ンスとしての研究集会ですから、例えばNHK番組の評価や日本ネット社会の種
々の情報は話題として取り上げません。
この研究集会の対象は雪氷研究東京大会参加者です。それ以外の方は原則とし
て参加費が必要です。細かなプログラムは学会会場で作成する予定ですが、ぜ
ひ紹介したい実験結果や計算結果等をお持ちの方は世話人(5人のだれでも結
構ですが、できれば雪氷楽会で大忙しの納口さんを除いた4人)にご連絡願い
ます。最終プログラムは研究集会の行われる25日午前中に世話人会を開きそこ
で組み立てる予定です。
楽しくて有意義な研究集会になることを願っています。皆さまのご協力をお願
い致します。
特別研究集会「ムペンバ効果のサイエンス」
日 時 2008年9月25日(木)15:30-17:00
場 所 東京大学 本郷キャンパス 工学部 2号館 雪氷研究東京大会C会場
対 象 雪氷研究東京大会参加者
趣 旨
湯が水より早く凍ることがあるという現象は、西洋では2000年以上も前か
ら知られているが、1960年代に再発見されムペンバ効果と呼ばれている。ム
ペンバ効果は今年7月のNHK番組で紹介されて以来雪氷関係者以外にも関心
を持たれている。今回の集会では、この現象に関してのこれまでの研究の経
緯を整理し、今後この現象の解明のためにどんなプロジェクトを組織すべき
か、等々について話し合う。
世話人 前野紀一(責任者)、樋口敬二、高橋修平、納口恭明、小南靖弘
暫定プログラム
1.特別研究集会開催の趣旨(15:30-15:40)
2.ムペンバ効果の認識と研究の現状(15:40-16:00)
前野 紀一
3.ムペンバ効果に関するコメント(16:00-16:20)
伝熱工学、雨氷生成、非平衡相転移、等々の立場からのコメント
4.今後の研究についてディスカション(16:20-16:55)
5.まとめ(16:55-17:00)
それでは学会会場でお会いできるのを楽しみにしております。
前野 紀一
by 粗忽者@西原 at 2008-09-06 15:42:06
Re:ゆっくり凍らした氷
どうも、失礼します。
新blog に変わってからは御無沙汰していました、新参者 改め 粗忽者@西原です。
>>すとんぴぃ さん
もう二週間近くたっているコメントに反応するのもどうかと思ったんですが。
>それは分断されているヒビ割れ?(というか隣と綺麗に結合できていない原子)みたいなものがあまりにも多すぎるからだ。
金属の場合、ひとまとまりになっている粒状の結晶のことを結晶粒、その結晶粒の間のひび割れ状になっている部分を結晶粒界といいます。
[Wikipedia -結晶粒界-]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%90%E6%99%B6%E7%B2%92%E7%95%8C
そして、ゆっくり冷却することで結晶粒が大きくなる現象(結晶粒成長)は、工学の分野でも普通に知られていまして、半導体製造に重要なシリコンの単結晶を作るのにも利用されています。
[Wikipedia -単結晶-]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%98%E7%B5%90%E6%99%B6
とりあえず、科学者に向いているウンヌンを主張する前にに、分からない用語があるなら調べる、という基本的なところを押さえて下さい。
by とりうすがり at 2008-09-14 06:04:14
コンピュータ・シミュレーション
BCRさん、omniさん
前野さんのおっしゃっる「コンピュータ・シミュレーション」、
一体何を指しているのか不明な件ですが。
「ムペンバ効果調査中(1)」でapjさんが紹介してくれた論文では
「液相-液相相転移」が関与する可能性が検討されているようです
(まだかなり不確かな話のようですが)。
仮にその線でいくとすると、
下記の資料に書かれているようなシミュレーション手法も有効なのかなぁ、
と素人なりに想像しています。。。
非晶質相の構造の違いをいかに見分けるか – シミュレーションからのアプローチ –
http://www.ike-dyn.ritsumei.ac.jp/RK/matto.pdf
by 石川博一 at 2008-11-44 17:16:44
Re:ムペンバ効果調査中(4):J-CASTニュースの記事
ムペンパ効果という名前のついた現象は、ムペンパ君が実際に行った事だけを指すものではなく、20度前後の水(A)と70度から40度ぐらいの水(B)では、統計的な有意差が観測できるとまでは言えないが、いっしょに冷凍庫で冷やすと(B)の方が早く凍る事がある、というものではないのかな?
「ムペンバ効果が起こることを証明したと指摘した」という書き方は言葉の深い狭い意味では確かに「正しさ」に疑問を感じる。「ムペンパ効果と言える現象は絶対起きない」という命題は、たった1つの実際に起きた現象で完全に否定された、とは言えるが、ムペンパ効果はある効果的な条件下では確実に起きる、とは言ってはいない。
ちなみに大槻氏は必ず起きる現象で無いのにNHKは裏技としてセンセーショナルに紹介したのにキレただけで、絶対に起きないとも書いていない。
また、ある条件下では起きる頻度を増やせるはずだ、と解釈できる言及を前野名誉教授はしただけで、彼は科学者として間違った事を言ってはいないと私は思っている。
by とりうすがり at 2008-11-00 10:58:00
Re:ムペンバ効果調査中(4):J-CASTニュースの記事
あなたの意味不明な思い込みを、
他の人のブログに意味ありげに書くのって、
いったい何の意味あるんですか。
ツッコミ所が多すぎて、どうしようもないと感じる。