サイエンスアゴラ
サイエンスアゴラに行くため日帰りで上京。
日本学術会議 科学と社会委員会 科学力増進分科会主催の「擬似科学とメディア」を見に行った。
毛利衛・日本科学未来館館長に紹介されて、事前打ち合わせのときに顔合わせ&挨拶。今回は知り合いの先生の紹介で、一度毛利館長に連絡するようにと言われ、連絡をとったら急にこのイベントを知らされたので、何がなんだかよくわからなかったが、とにかく簡単に挨拶だけさせていただいた。
その後、科学未来館を見学したり土産物を買ったりしてから夕方のシンポジウムへ。
登壇者は池内了(総合研究大学院教授)、佐倉統(東京大学教授)、毛利衛(日本科学未来館館長)、長谷川壽一(東京大学教授)、司会は鈴木晶子(京都大学大学院教授)。
質疑応答は活発だったが、JSTの人から出た最後の質問がちょっと引っ掛かったでコメント。個別の擬似科学への批判(シンポジウムではもぐら叩き、と表現された)をするのに、一体いくら予算を付けたら学術会議は動いてくれるのか、という内容の質問で、毛利館長が「科学の知識を普及させる方に力を注ぐべきで、個別の対応はする必要はない」といった意味のことを答えていた。
私は別の理由で、個別対応をする時には、学術会議あたりはよほど慎重に動いてもらわないと弊害の方が大きいだろうと考えている。つまり、今でも、科学は権威だと思って無意味に反発する人がいるわけで、科学政策サイドが率先してもぐら叩きにまわったら、さらに権威の押しつけという誤解が広がりやすい状況になって、不必要な反発を助長するという弊害が出てくるということである。
擬似科学に対する批判は、擬似科学を蔓延させたら、巡り巡ってどういう被害をうけることになるかを認識してもらうということを併せてやらないとうまくいかない。「今、血液型性格診断を受け入れたら、将来、謂われもなく自分や自分の子供が、血液型が合わないという理由で希望の職種に就けなかったり仕事の種類を制限されたり昇進で差別されたりするかもしれませんよ」といった話なわけで……。