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ゴネ得を認めているだけのような……

Posted on 2月 28th, 2009 in 倉庫 by apj

【追記と注意】
 この件についての考察を進めた結果、このエントリーを書いた時とは異なった理解に至ったので、こちらを見て欲しい。

 Yahoo経由時事通信の記事より。

授業料未納「卒業証書渡さない」=県立高8校、家庭に通知-島根
2月27日20時11分配信 時事通信

 島根県の県立高校8校が「授業料を滞納している生徒には卒業証書を渡さない」と各家庭に通告していたことが27日、分かった。一部保護者から苦情が届き、県教委はすべての県立高校に対し、滞納を理由とする証書授与の見送りなどをしないよう通知した。
 県高校教育課によると、安来高校(安来市)では1月、すべての3年生約150人の家庭に「全額納入しない場合は卒業証書を渡せない」とする内容の文書を配布した。その後、全生徒が授業料を全額納入し、3月1日の卒業式では全員に卒業証書が渡される。同校は昨年1月にも同じような文書を配っていた。
 ほかの7校では、2004年度からこれまで計65人の家庭に対し口頭や文書で授業料を催促。このうち06年度に1人が卒業式当日に証書をもらえず、3月中に受け取っていた。滞納期間は長い場合で2年近くあったという。

 

 保護者からの苦情というが、授業料をきちんと支払えば問題は生じないはず。記事中の保護者は、金を払わずゴネた方が得という価値観を持っているように見えるし、それを行政が容認しているようにも見える。
 経済的理由で支払が困難なことがはっきりしているのであれば、奨学金を出すとか授業料免除の対象にするといった形で解決するべきであって、それでも滞納する場合には卒業証書を出さないという形にしないとまずい。
 県の状況が報道だけでははっきりしないのだが、もし、支援をさぼっておいて払わない人にも卒業証書を渡すというのであれば行政の怠慢だし、怠慢のまま済ませるために滞納していても卒業諸処を出せと現場に指示したのだとしたら、やっぱり間違っている。「払うものを払わなくても対価を受け取れる」ということを学習させる結果になりそうで、良いこととは思えない。

 本当に支援が必要な人にはサポートをする代わりに、ゴネ得は認めない、ということにしないと、モラルハザードが激しくなる一方なんじゃないかなぁ……。