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何でもハラスメント

Posted on 4月 8th, 2009 in 倉庫 by apj

 2月のとある日、扉に貼られていたビラ。キャンパス内くまなく教員居室の扉に貼り付けられたらしい。

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 私が着任する前に、「学寮問題」というのがあったらしい。その後始末が今も続いていて、今度は追い出された側がキャンパスハラスメントの手続きを使うことにしたらしい。
 最初にビラを見た時は、部屋の扉に貼り付けられていたので、一瞬、別件でハラスメント手続きを使って私と争うつもりの人が新たに出てきたのかと思って、やる気ならこの際だから受けて立つぞと気合いを入れて、よく読むと違っていた。私とは直接関係の無い話だった。

 以前、大学が学生に配っているカードには、ハラスメントとは「本人が意識しなくても、相手が「望まない言動」と受け取ることです」などと書いた上に、見過ごさない、などと標語を書いたポスターを学内に貼っていた。

 私は昨年、学生に対するキャンパスハラスメントの加害者として学科から告発された。それが、下に書いたように、著しく作為的な調査であったため、中心となった教員2名による私に対するハラスメントであるとして、私から申し出を行った。こちらの学内調査は終わったが、再発防止策がとられたわけでもなく、当事者で解決せよという結論で終わってしまったため、問題は今も解決していない。
 簡単に状況を説明しておくと、実際には学生が加害者で私が被害者の脅迫事件であったのに、学科教員がよってたかって「学科の調査」とやらをするとあら不思議、起きていた脅迫事件は無かったことになり、加害者と被害者は逆になり、無かったハラスメントがあったことになって、その報告書が提出されてしまった(報告書の提出は学生からの申し出よりも先に行われた)。これをやった人達は、「学生が望まない言動だからハラスメント」「見過ごさない」のだから遠慮無く告発してもいい、と思っているのかもしれない。しかし、事実とあまりにもかけ離れた内容の告発というのは、世間では「でっち上げ」呼ぶのが普通であり、職場で集団で個人を陥れるというのは、立派に職場イジメ事件だし、損害賠償モノだと思う。

 それはともかく、主観のみでハラスメントだと主張し放題になることを認めるようなパンフレットやポスターを配っていたら、そりゃ他人を攻撃するネタに使われまくる結果になるのは目に見えている。告発する側がどうにでも拡大解釈していいということだし、被害妄想の人間ならば相手構わずハラスメントの加害者に仕立て上げるに違いない。
 とどめに、全く種類の違う問題であるはずの学寮問題までハラスメントとして申し出がなされるに至った。これを処理しなければならない大学の偉い人はご苦労様だと思うと同時に、際限のない拡大解釈に基づく主張を誘発するような啓蒙活動をしたのは当の大学なのだから、ある意味自業自得と思わないでもない。上の方は学寮問題が面倒臭いことになったと思っているに違いないが、私だって、拡大解釈可能な文言をタテにとった嫌がらせで迷惑したし、今後の状況次第では、上も巻き込んでの提訴だってあり得る。

 なお、今年から、全員に配られるパンフレットの書き方が「あなたが意識しなくても、相手が「ハラスメント」と受け取ることがあります。」という穏当な表現に変わった。適切な変更であると思う。