人生を変えた本
kikulogにコメントしていて思い出したのでこちらで。
山本義隆の駿台文庫の本が、結局、私にとって人生を直接変えた本だったなぁ、と今更ながらに思ったので。
今入手できるのは「新・物理入門」。
私が受験生をしていた二十数年前は、上下巻に別れていた。
内容は進んだ高校物理なのだが、書き方は完全に大学の物理の教科書に則っている。微積分をしっかり使うかわりに、見通しが非常に良い。微積分の知識を要求されるので、「微分積分学精説 改訂版」岩切 晴二 (培風館)を取り寄せて、この練習問題も自分で解きながら、山本氏の駿台文庫を読んだ。
私は、高校の物理の教科書を読んでもイメージが掴めず、理解できなかった。いろいろ問題集をやったけど、どれもものにならなかった。とりあえず理系クラスを希望して振り分けられた直後、高校3年生最初の共通一次模擬試験の物理の点数は何と赤点だった。さすがに、こりゃダメかもしれんと思った。たまたま、東大文Iに通った従姉妹が遊びに来て、受験勉強するなら駿台文庫がいいと教えてくれたので、一緒に本屋に出かけた。英語の参考書など薦められたものを買い、物理もあったので中を見たら、これまでに見たどの参考書とも違っていたので、即買いした。その後、自分で式を全部追い掛けて計算し、やっと物理で何をやっているかが理解でき、大学入試問題がまともに解けるようになった。そのうち物足りなくなって、「物理概論 (上)(下)」小出昭一郎(裳華棒)を、市立図書館で借りて、期間延長しながら手元に置いて読んだ。模擬試験の赤点から1年後には理学部物理学科に進学していた。
山本義隆の本に出会わなかったら、私は、高校物理を理解しないまま終わり、物理学科にも入れなかっただろう。かなり後まで、第二志望を法学部と書いて進路指導の先生にツッコミをもらっていたりしたので、多分、文系に進路変更しただろうと思う。
山本氏の書き方(大学の物理と共通の方法)でないと、私は物理を理解できなかったのだ。
最新版は、現職に就いてから、物理をやっていない学生に教えるときの参考資料にするために、演習書と一緒に購入した。高校数学と高校物理の検定教科書と並べて、オフィスに置いてある。
高校の物理の教科書なんか読まず、最初から山本義隆の本で勉強すれば手間が省けたのに、という意見は、高校3年生の時から変わっていない。
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