やっとゲルマニウムもチェックされたか
毎日jpの記事より。
ゲルマニウムブレスレット:健康効果を科学的に確認できず
国民生活センターは25日、健康効果をうたうゲルマニウムブレスレットの成分調査で12品中8品にゲルマニウムがほとんど含まれていなかったと発表した。ゲルマニウム自体の健康効果についても科学的根拠は確認できず、景品表示法や薬事法に違反するおそれがあるとして公正取引委と厚生労働省などに監視・指導の徹底を求めた。
ゲルマニウム使用アクセサリーに関する相談が04年度からの5年間で2309件に上ることから2~5月に調査を実施した。インターネット通販などで流通量が多いとみられる1万5000円未満の12品を選定。ベルト部分に埋め込まれた黒色粒などのゲルマニウム含有量を調べた。
いずれも「純度99.99%」などと高純度がうたわれていたが、4000円未満の7品ではゲルマニウム含有量は1.5%未満で、検出されない銘柄もあった。9000円以上の5品では4品は96~100%だったが1品は0.1%だった。
また「生体電流を整え、血行をよくする」「電子を放出し、細胞を活性化させる」など何らかの効果を示す表示も全銘柄にあったが、科学技術振興機構による日本最大の科学技術文献情報データベース(2080万件収録)では過去5年分に科学的根拠を示す文献はなかった。同センターは「健康効果は期待すべきでない」としている。【山田泰蔵】
Yahoo経由読売新聞の記事。
ゲルマニウムブレスレット「疲労和らぐ」根拠なし
6月25日22時34分配信 読売新聞国民生活センターは25日、インターネット上で販売されているゲルマニウムの使用をうたったブレスレットの中に、ほとんどゲルマニウムを使っていなかったり、薬事法上問題のある表示をしていたりするものがあると発表した。
同センターは、ゲルマニウムを100%近く使っているなどと表示して販売していた1万5000円以下のブレスレット12銘柄を2~5月に調査。その結果、6銘柄でゲルマニウムの含有量が1%に満たず、1銘柄では検出されなかった。また、ブレスレットは医療機器として認められていないにもかかわらず、5銘柄は「疲労を和らげる」「血液をさらさらにする」など、薬事法に抵触する恐れのある表示をしていた。
同センターは業者に表示の改善を求めるとともに、厚生労働省などに指導の徹底を要望。消費者に対しては、「国内外の文献を調べたり事業者にアンケートをしたりしたが、ゲルマニウムの人体への効果を表す科学的根拠は確認できなかった。購入者は健康への効果を期待するべきではない」としている。
ゲルマニウムブレスレットに効果が無いだろうということは、触れ込みを聞いた時から丸わかりな話だったが、「ゲルマニウムをほとんど含んでいない」というオチは想像してなかったわ……。
なお、ゲルマニウムプリズムは、FT-IRのATR測定用として使っているけど高価。二十万円から三十万円くらいする。材料としても、貴金属よりはマシだろうかど、そんなに安くはないはず。
なんていうか、トルマリンのミラクルな効果を謳っていたけど、効果に科学的根拠がないだけではなく、現実にトルマリンとして売られていた石は、ミラクルな説明を思いつくもとになったはずの焦電性を示さない結晶になってないクズ石だったというオチと通じるものがある。
ところで、この手の注意喚起だが、お役所のチェックはいつも初動が遅れて、世の中に蔓延してからしか対応がとられない。出遅れるということについて、いっこうに改善しないし反省もしていないように見える。もうちょっと、最初のチェックを出始めにやるように方針を変えたらどうか。
ところで、読売新聞の記事では、ゲルマニウムブレスレットの写真としてこんなのが出ていた。
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記事によると、「ゲルマニウムブレスレットの例。内側の黒い粒が高純度のゲルマニウムとうたっている(読売新聞社)」とある。
赤外分光で使っているゲルマニウムプリズムの色は、黒色ではなく、銀色で金属光沢がある。欠けたりして粗くなった面は、濃い灰色ぽくなるが、黒色ということはない。ある程度磨いた状態で黒色なら、ゲルマニウムではなくて、別の何かだと考えるしかない。
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