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起訴猶予の意味

Posted on 6月 27th, 2009 in 倉庫 by apj

 毎日.jpの記事より。

京都教育大生の集団準強姦:6人全員、起訴猶予処分に

 京都教育大の男子学生6人が酒に酔った女子学生への集団準強姦(ごうかん)容疑で逮捕された事件で、京都地検は26日、処分保留で釈放されていた6人全員を起訴猶予処分にした。集団準強姦罪は親告罪ではないが、示談が成立し、女性が告訴を取り下げたことを勘案した。大学は6人の無期停学処分を継続し、更生のための指導を続けるとしている。

 刑事事件のうち、起訴されて裁判所で刑を決めることになるのはごく一部で、実は不起訴の方が多い。この不起訴のうち、「起訴猶予」は、刑事手続き上、加害者が誰で被害者が誰で犯罪があったことが確定した、という意味を持つ。犯罪があったといえない場合には「嫌疑不十分」となる。

 告訴して不起訴になった場合は、検察官に求めれば、理由を書いた書類をくれる。これを貰っておくと、あとで(民事の損害賠償請求などで)、書証として使うこともできるかも。告訴をしたときは、結論が出た後、忘れずもらっておこう。起訴された場合は、訴訟手続が全部終わった後で、判決主文の内容が後から送られてくるので、特に何も尋ねなくても結果を知ることができる。

 で、Yahoo経由時事通信の記事

京都教育大生を不起訴処分=集団暴行事件-地検
6月26日21時14分配信 時事通信
 京都教育大の男子学生が女子学生に集団で暴行したとされる事件で、京都地検は26日、集団準強姦(ごうかん)容疑で逮捕され、処分保留で釈放した6人を不起訴処分にした。嫌疑不十分か起訴猶予かについて、地検は「今後の6人に対する大学の指導に影響を与える」として、明らかにしていない。

 は、上の毎日の記事と矛盾している。
 事の重大さをわかっておらず、注意しても被害者を中傷する書き込みが続いていて、セカンドレイパーの指導もろくにできないことが明らかになりつつある大学が相手なので、むしろ結果を指導に影響させないとまずいのではないか。結果を公開すべきと思うのだが。

 指導できていないというソースはこちら

京教大、甘過ぎ!?卒業後は教壇に?学生は反省ゼロ
やめない被害者中傷、また書き込み
 女子学生への集団準強姦容疑で逮捕され、不起訴処分となった京都教育大の男子学生6人に対し、大学側は退学処分を見送り、逮捕前の停学処分の状態に戻すことを決めた。

 「門前払いにはせず、更正をはかる」という趣旨だが、果たして“更正”は可能なのか。というのも、今回の件で被害者をネットで中傷して訓告処分を受けた別の学生が処分の翌日、まったく反省のないやり取りをネット上で行っていたことが明らかになったからだ。

 この学生は同大学アメフト部の所属で、6人が逮捕された直後の今月1日、携帯電話用の日記サイトに被害者の中傷を書き込んだ。

 その後、他の学生らが同様の書き込みで処分を受けたため、自らの書き込みを消去し、プロフィルも改竄(かいざん)していた。だが、すぐに人物を特定され、23日に大学から訓告処分を受けた。

 ところが処分の翌日、学生は知人の日記サイト上に≪あの書き込み内容は中立的にみた場合、誹謗中傷には当たらない≫≪僕は元々図太い方なので助かりました 彼女はそうすね…、示談になりさらに今まで同情してた何も知らない周りの人間まで不信な目で見るようになる≫などと書き込んでいたのだ。

 京教大は釈放された6人に対し、日記形式のリポートを課すほか、ネットに不謹慎な書き込みを行った学生に対しても反省文を提出させ、「人権やモラルの教育を徹底する」としているが、処分直後の学生がこの有り様では自浄能力が疑われる。

 夕刊フジの指摘に対し、京教大の小林宣之・企画広報課長は「訓告処分の学生が2回目の書き込みを行ったことと、処分が功を奏しなかったことを極めて遺憾に思います。さらなる厳しい処分で対処し、今後の指導をいっそう強めていきます」と回答したが、「先生の言うことを聞かない」学生が、卒業後に教壇に立って子供たちをちゃんと指導できるのだろうか。

 教師になる場合に限っては、性犯罪歴を明文で「欠格事由」にしても、世間の理解は得られるのではないか。

 準強姦の実行犯に対して「無期停学、退学無し、教師になれる道を残す」大学なら、準強姦を実行せず被害者を中傷する内容を「ネットで書いただけ」なら、実行犯より重い処分にはなり得ないだろうということくらい、すぐにわかる。つまり、いくら被害者を中傷したって大学は大した処分はしません(できません)、と最初から宣言しているようなものなので、今更、「さらなる厳しい処分」などと言っても、説得力が皆無である。