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弁護士の仕事って……

Posted on 8月 27th, 2009 in 倉庫 by apj

 Yahoo経由産経新聞の記事より。

捕獲のイグアナ、被告に代わり弁護士育てる 冬越し80センチに成長 和歌山
8月27日15時28分配信 産経新聞

 和歌山県新宮市の民家で26日午後、体長約80センチのグリーンイグアナが見つかった。新宮署員らが捕獲して拾得物として署で保管することになり、留置場で勾留(こうりゅう)中の爬虫(はちゅう)類マニアの男(52)に写真を見せて餌に何をやればいいか尋ねると、「昨年秋に逃げた私のイグアナです」。男は担当の弁護士に依頼して飼ってもらうという。

 男は今年6月に出資法違反罪で起訴されたが、大の爬虫類好き。逮捕時にも自宅で大型のヘビなどを飼育しており、今は弁護士が面倒をみている。同署管内で爬虫類などの届け出があれば、署員が男に相談するほどだったという。

 イグアナが見つかった民家は男の自宅から数十メートルと近く、珍しい動物でもあることから、同署は男のペットとほぼ断定。男から遺失物届を受理後、弁護士に引き渡すことにしている。

 逃げたときには約20センチだったイグアナが80センチほどに成長したのを知った男は「よく冬を越せたな」と驚いているという。

 弁護士の業務に「イグアナの飼育」が含まれるとは……[:泣き笑い:]
親切な弁護士さんで、爬虫類苦手な人じゃなくて良かったなぁ>イグアナ。

引き継ぎしろよ!

Posted on 8月 24th, 2009 in 倉庫 by apj

 たまたま、ポスドクの人と話をしていて、今「真マジンガー 衝撃!Z編」が放映中だという話になった。で、子供の頃にやってた東映版のマジンガーはどういう話だったのとか、誰がマジンガーZを作ったの、と訊かれたのでこんな会話に。

PD「マジンガーZって誰が作ったの」
私「兜十蔵。操縦者の甲児君のおじいさん」
PD「敵は?」
私「ドクターヘル。元々は十蔵の知り合い。一緒に仲良く遺跡発掘に行って、今でも使える超強力な巨大ロボットを山ほど掘り当てちゃったから、これを使って世界征服しよう、ってヘルが舞い上がった」
PD「じゃ、ヘルは自分じゃロボット作ってないの?」
私「改造とかはしたんじゃない?十蔵の方は、こりゃヤバイってんで逃げ帰ってマジンガーZの製作に没頭」
PD「じゃ、光子力研究所との関係は?」
私「所長の弓教授が十蔵の弟子。十蔵は光子力の研究をやって、ある程度進んだところで弓教授を所長に据えて引退して、辺鄙な別荘で黙ってこっそりマジンガーZを作ってた。完成はしたんだけど、ヘルの配下に見つかって襲われて、甲児が来た時には瀕死の重傷で、神にも悪魔にもなれるとか言ってZをプレゼントして死んでしまう。つまり、光子力研究所と弓教授は、Zが作られてた事なんか何にも知らなかったのに、その後の整備とか修理とかもろもろの後始末を引き受ける羽目になったってわけ」
PD「あるある、そういう話。何にも話さずさっさと居なくなってお後よろしく、ってパターン。言っとけよ!って感じ」
私「そうそう、誰が仕事引き受けることになるかわかっててダンマリっていうのはちょっとねー」

 で、本日の結論。

「引き継ぎくらいしろよ!」

 リアルで「引き継ぎしろ」と言わなきゃならなくなった人はあちこちに居るだろうけど、子供の頃に見ていたアニメが既に「引き継ぎしろ」状態だったとは……。子供の頃は気にならなかったところが引っ掛かる^^;)。

わからなさに対する耐性

Posted on 8月 21st, 2009 in 倉庫 by apj

 poohさんの「わかろうとすること」を見て。昔、わからなさに対する耐性について何か書いた記憶があったので、atom11の方を探ってみたら、「科学のような話(1999/11/09)」を書いていた。そのあと、あちこちで、「わからなさに対する耐性をつけよう」といったことを喋った記憶がある。
 じゃあ、およそ10年前に私がどう考えていたかというと、

 どうも、メーカーは、科学っぽい理屈を付けた方が売れると考えているように見える。また、「消費者は科学的説明がないと胡散臭いと思って買わないに違いない」という考えに基づいてそういう宣伝を行っているのかもしれない。あるいは、本当に、科学的根拠がある、又は、あってしかるべきだと思っているのかもしれない。
 実際には、水の特別な機能の存在について、正しい手順を踏んだ実験で確認されてさえいれば(官能検査をやっておいしいと出た、ちゃんとテストして肌に良いとわかった、など)、原理はともかく売っても買ってもかまわない。効果のメカニズムに対し科学的説明がなくても、何の問題もないはずである。にもかかわらず、一見科学的に見える説明をつけたがるのは、科学というものを誤解している人がそれなりの割合でいるためではないかと思われる。

 誤解は、「科学でわかるということ」をどう判断するかという点で起きていると私は考えている。

 科学で「わかる」というときには、「現象のhowを記述する」というのと、「根源的にwhyを説明する」という、2通りがある。後者は、問いのたてかたを間違えると、科学ではなくて、メタ科学や哲学になってしまう可能性がある。水の話に関しては、むしろ前者をどう位置づけているかが問題である。
 科学でいう「わかる」とは、測定によって得られるある量の間の関係性を正しく記述でき、その記述を使って予測できることがたくさんある、ということだとしよう。その測定には再現性が必要で、かつ対照実験をして意図しない効果によるエラーを除くように注意する必要がある。科学で「わかる」ということをこのように定義するなら、科学でわからないことがたくさんあっても、それは単に関係性でもって記述できる事柄の中に含まれていないということに過ぎない。科学で説明できる、とは、関係性を記述できるということと同義である。だから、私や私のまわりでは、科学で説明できないことがあっても、特に気にしていない。科学の枠組みの中で研究をしている側は、科学で説明できないということに対する一種の耐性をもっているように思う。
 そうすると、既存の知識と矛盾するような現象が出てきたときは、検証実験が済むまで判断を保留するだけで、頭ごなしに否定もしないし飛びつきもしない。ところが、水のクラスターの話の広まり具合や、無理に実験結果を付け足したがる様子を見ると、どうやら科学研究を日常行っていない人々の方が、科学に何かを期待し科学的説明を性急に求めたがり、あげくに「一見科学のような」説明に飛びついてしまっているように思われる。また、科学とはすごいものだという思いこみの裏返しによって、科学では説明できないという事実に特別な意味を見いだそうとし、疑似科学やオカルトにはまったりしている。科学に対する過剰な期待や過信も、過度の不信も、科学で「わかる」ということを誤解することによって生じるのではないか。

 つまり、whyを追求することとhowを記述することは別で、この2つの混同するのがまずいんじゃないか、という話で、これを読み返すまで自分でも何を書いたか忘れていたんだけど、「わかりやすさに対する耐性が低下している」などと安直にやってなかったのでちょっとほっとした^^;)。

 実際には、「現象のhowを記述する」だけでも結構大変で、これを確立した方法でそれなりの精度でできるということが、理工学系の学部教育を終えた人が持つ付加価値でもある。だから、多くの実用的なレベルでは「howを記述する」がちゃんとできているということで満足したってかまわない。「現象のhowを記述する」が終わった時点で(ひょっとするとそれも怪しいかもしれないのに)「根源的にwhyを説明する」も一緒にできるのが当然だ、と思われてしまうと困るというか、そもそもそんなの無理、というしかない。

 来月、洗浄技術フォーラムで講演することになっていて、蔓延している水クラスターの本当のところがどうなのか(あの騒ぎは何だったのかとか、機能水の評価はどうするべきかといったこと)を話して欲しいと頼まれた。それで、水クラスターの騒動総括ということで、この一週間ほど資料を掘り起こして講演テキストを書いていた。「水のクラスター 伝搬する誤解」を書いてから10年経ったわけで、今回の講演をきっかけにもう一度まとめてもいいかな、と思ってちょっと頑張って書いてみた。講演終了後にテキストは公開する予定なんだけど、このテキストの最後の方に、技術者向けの具体的な懐疑の方法として、

・その測定を裏付ける(査読を通った)研究論文があるか?
・主張されている「変化」は他の測定でも同様に観測できて、矛盾のない結果になっているか?
・実験結果を説明するための「モデル」を「指標」として使おうとしていないか?
・標準的な方法が使われているか?

というのを書いてみた。これは、実際に水クラスターの話が蔓延してしまった経緯を調べ、どこで間違ったかをよく見て、私なりにチェックポイントをまとたものである。
 まあ、ここまでいくと、とても一般消費者向けとはいえないのだけど、消費者向けニセ科学を事業者が提供してきた面もあるから、事業者向けに懐疑の方法を伝えておくことも必要かと考えている。

 「懐疑の技術」というものがあって、それは多分、何がどこまでわかったら「わかった」とするのか、という、レベルの設定とも関連している。「現象のhowを記述する」が出来ていれば良いことにして、「根源的にwhyを説明する」はできなくてもいいや、ということを意識的にやることが、わらからなさに対する耐性を持つということになるだろう。懐疑精神の方は、「現象のhowを記述する」が今の技術的水準を満たしているかとか、精度が足りているかということを問題にするときに発揮すれば、そんなに大きくニセ科学側にぶれることは無さそうである。
 何でも疑いましょう、じゃあ、行きすぎた相対主義と変わらないからニセ科学を信じることの歯止めにはならないので、もう少し具体的に「何をどう疑うか」というハウツーめいた形にまで落とし込んでおく必要があると思う。

水道水の評価が高まっている

Posted on 8月 20th, 2009 in 倉庫 by apj

 msn産経ニュースの記事より。

水道水はおいしい! 大都市圏で高評価
2009.8.19 17:24
 三大都市圏に暮らす人の水道水への評価が年々高まっていることが、食品メーカー「ミツカン」の研究所が19日までにまとめた意識調査で分かった。脱臭、殺菌効果に優れた高度浄水処理の導入が成果を挙げているようだ。
 調査は東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)と中京圏(岐阜、愛知、三重)、大阪圏(京都、大阪、兵庫)の住人を対象に平成7年から毎年6月に実施。21年は462人が回答した。
 「水道水を10点満点で採点すると何点か」は、21年の三大都市圏平均で7・5点と過去最高。この10年では12年と13年の6・0点を底に上昇している。得点の伸びが顕著なのは大阪圏で、13年の5・8点から21年は7・8点となった。
 結果について、同センターは「大阪府や東京都などが高度浄水処理を導入したため」と分析している。

 安全で安価で、しかもおいしいという条件を満たす水道水が入手できる条件が揃ってきている。水道水を悪者に仕立て上げてインチキ浄水器を売りつける商売には騙されないように……。

これも時代の流れか……

Posted on 8月 18th, 2009 in 倉庫 by apj

 Yahoo経由産経新聞の記事より。

米出版大手「リーダイ」が破産法申請へ 
8月18日10時4分配信 産経新聞
 米出版大手リーダーズ・ダイジェスト・アソシエーションは17日、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請を検討していると発表した。世界規模の不況で業績が悪化しており、破産手続きを通じ、債務を大幅に圧縮するのが狙い。

 債権者の合意を取り付けた上で手続きを進める「事前調整型」破産の形を取って混乱を回避し、法的管理に入っても通常通り業務を継続して早期の経営再建を目指す。

 16億ドル(約1500億円)の債務の一部株式化などを含む再建計画について債権者の過半数と同日までに合意した。今後30日間かけて債権者らと協議した上で最終的に申請するかどうか決める。

 同社は90を上回る雑誌を発行し世界規模で出版事業を展開するが、広告収入などが落ち込み、苦戦していた。(共同)

 ちょうど私が中学生の頃に、リーダーズ・ダイジェストの日本語版が出ていて、愛読書の一つだった。当時の英語の先生から、少し頑張れば英語版でも読めるようになる、と言われたのを覚えている。確か、読者プレゼントのしおりをもらえる企画があって、応募してもらって使っていた。リーダーズダイジェストの看板を上げたビルも東京にあって、東京箱根方面への修学旅行の時に見かけた記憶が……。そのうち、雑誌の方の日本語版を見かけなくなって、どうなったのかと思っていたら、久しぶりに見たのが破産の記事で、ちょっと驚いた。
 ネットでいろんな話題が読めてしまうと、紙媒体の雑誌は厳しいのだろうなぁ。

またEMか

Posted on 8月 7th, 2009 in 倉庫 by apj

 西日本新聞ウェブサイトの記事より。後期の講義用メモになるかな。

「タライアスロン」に59チーム 鹿屋市・肝属川
(2009 08/07 06:30)

 鹿屋市大手町のリナシティかのや横の肝属川で2日、タライに乗ってレースする「タライアスロン大会」があり、熱戦が繰り広げられた。
 九州の1級河川で水質がワースト1位の肝属川の現状を知ってもらうのが狙い。小学生から大人までの3人組59チームが、麻袋に両足を入れてジャンプしながら進む競技と、三輪車、タライの3種目でタイムを競った。バランスを崩し転覆する参加者も。競技の後、選手らがきれいな川を願ってEM(有用微生物群)団子約500個を投げ入れた。
 参加した公務員岩崎亮介さん(29)は「川はちょっとにおいがした。みんなの環境意識が少しでも高まってほしい」と話した。
 同大会は、市中心部で1、2日開かれた「かのや夏祭り」の一環。

 EM菌を川に投げ込んだことによる効果はまだ未確認である。仮に効果があれば、それは、他の生物にも影響を及ぼすということだから、投入はよく調査した上で慎重に行わなければならない。効果が無ければ、水質汚濁の原因にしかならない。結果が出ていない今の段階では、川にゴミを投げ込んでいるのと変わらないとみなすしかない。

ヘンテコが増えすぎるとまともな業者まで足を引っ張られる

Posted on 8月 7th, 2009 in 倉庫 by apj

 紫外線と触媒を用いて水処理を工夫すると殺菌効果がみられるのでメカニズムを知りたいが分析可能か、という問い合わせがあった。私のところでは設備もノウハウもないので、その旨お返事し、ラジカルの分析をしているところを探すなどした方がよいのではないかと回答した。
 すると、その返事に、いろんな研究機関に問い合わせても、似たような話が既にいっぱいあるためあまり相手にしてもらえない、といったことが書いてあった。
 どう考えても水に変化なんか起きないだろうという水処理の原理を考え出して、水の「活性化」が起きたと言い張って、試験研究機関に持ち込む有象無象の業者がたくさんいる。おそらく、試験研究機関側には、根拠のない水の「物理的変化」の話題に、うんざりしている人が多いのだろう。このため、物質の同定と定量をすれば普通に説明できそうなものまで、冷たい扱いを受けてしまっている模様。
 再度のアドバイスでは、「水の変化」ではなくて、「化学反応」であることを強調し、あくまでも物質の種類と量を知りたいという話の持って行き方をしてはどうか、と書き送った。

 まっとうな企業の宣伝はミラクルなものには見えないため、インチキでもミラクルな宣伝をする企業に、消費者へのアピールの点で負けてしまうことが多々ある。今回のは、製品開発のところでも、インチキ企業が多いために足を引っ張られている例ではないか。

磁気活水器の宣伝に理科の演示実験が登場

Posted on 8月 6th, 2009 in 倉庫 by apj

 mimonさんにコピーを譲っていただいた、「磁気サムライ」(マグローブと給水用具認定番号が同一の製品)の宣伝パンフより。
 やじろべえの両端にキュウリをつけて、磁石を近づける写真が掲載されていて、説明文に曰く

磁気で水が動く
キュウリが揺れる、グルグル回る
「やじろべぇ」の両眼にキュウリを刺して磁石を近づけると、「やじろべぇ」はグルグル回ります。これはキュウリの中の水分が磁石に反発するためです。実際キュウリがひからびると「やじろべぇ」は動きません。

 これは、水が「反磁性体」であることを見せるための、理科の演示実験ネタである。キュウリの代わりに、プチトマトをやじろべえの両端に取り付けても同様の実験が可能である。
 こんなことを書いた以上、水で、いわゆる強磁性体(鉄やニッケルなど)のように、磁場の影響が磁場を取り去った後にまで残ることはないと理解したのかと思ったら……。

磁気活水器は、この力を利用して水を活性化します。

 いやだから、その力は弱いから効果は期待できないってば。水の反磁性磁化率が小さいから、やじろべえにしてネオジム磁石でも使わないと、なかなかわからないわけで。

 宣伝の残りはどこかで見たような文句が並んでいたが、この例1つとってみても、都合のよいネタをつまみ食いにして、全体がどうなっているかなどまるで考えていないことが丸わかりである。

花笠音頭

Posted on 8月 6th, 2009 in 倉庫 by apj

 昨日から山形は花笠音頭の日。踊る元気も暇もないので私は行く予定無し。

 ところで、飲み会の締めで、一本締めというのはポピュラーなんだけど、「花笠締め」というのがあるのをこの間知った。「ハァヤッショ、マカショ」で締めるという……。多分山形ローカルなんだろうと思う。

京都森勝の対応が良かった件

Posted on 8月 4th, 2009 in 倉庫 by apj

 楽天市場で、京都森勝のゆず七味(中辛)を購入。

 味には満足している。それに加えて、お店の対応が非常に良かった。
 実は、最初に発送してもらった時、宅配便の事故があったらしく、届かなかった。私は単にのんびりしていて、そのうち来るだろうと思っていたら、お店の方から、「届いてないようだから、もし本当に届いてなかったら連絡をほしい」と先に連絡があった。その日の夜になっても届いていなかったので、その旨連絡したら、再送してくれて、今度は予定通りに届いた。
 きめ細かい対応にちょっと感激した。安心して次回からも購入できそう。